こんにちは。つくばはとても暖かく、初夏の心地よい日差しが降り注いでいます。ずっとこんなお天気が続くと幸せですよね、でも、間もなく梅雨空が広がる季節がやってきます。関東の梅雨入りは
例年6月8日前後ですので、あと4,5日しかありません。困ったものです、まったく!
というと「医者と梅雨と何の関係があるんだい?」と言われそうですね?かかりつけの患者さんはご存知と思いますが、僕のようなアレルギーを診療する医者や、ダニアレルギーの患者さんには大いに関係があるのです。だって、梅雨時の日本は(北海道と一部高原地帯をのぞいて)高温多湿な気象条件となり、室内で猛烈にダニ、カビが繁殖、増殖するのです。と言うわけで、喘息や鼻炎が悪くなりやすいのです。梅雨、というと何か風情のある「良きもの」のようにも、、情緒のあるもののように聞こえますが、はっきり言って迷惑千万。これは温帯の天候ではありません。降水量の多さときたら、アフリカや、東南アジアのような、いわゆる「雨季」です。少なくても先進国の天候ではないですから。さらに、それに続く猛烈な夏の暑さ(東京のほうが那覇より暑いときも多いです)のために、関東から九州までの太平洋沿岸地域は、世界で最も室内のダニが多い所になっています。なんせ、東南アジアの国々より東京のほうがダニが多いくらいですから。「ああ、なんてこった!」ですね、ホントに。
ですから、ダニアレルギーの方、特に小児喘息の方は咳、喘鳴、呼吸困難が悪くなって、たびたび受診することになってしまうのです。さらに、大気の状態が不安定となり、朝夕の低温、低気圧の接近と通過などでも喘息は悪化しますから、この時期は良いことがありません。「空梅雨だとよいですね。」「早く梅雨が明けると良いですね。」というのは、ただ晴れて欲しいと言うだけではなく、そういった患者さんたちにとっては本当に切実な問題になってくるのです。
対処としては、前もって治療を受ける、すなわち薬を使っておくこと。また、掃除は常識の範囲で行うこと。さらに大事なことは、室内の湿度、温度を低めに保つこと。室温は6月なら25度以下、湿度はできるだけ下げて、最高でも60%くらいが望ましいのですが、気象条件、建物の状態によっては難しいかもしれません。電気代はかかってしまいますが、喘息、アトピーなどの悪化を防ぐためのコストだと割り切ってください。それが嫌でしたら、薬を「てんこ盛り」にして差し上げても良いのですが、それはできるだけ避けたいので、ぜひやってみてください。
>間もなく梅雨です。この週末お天気が良ければ、貴重な晴れ間を楽しんでください、ではまた。
5月のさわやかな日差しの中、外に出ると、なんというわけではないけれども気持ちが明るく、いつもと変わらない景色の中を歩く、そんなことでさえ、足元が心なしか軽くなっているような気がするこの季節。しかし、そんな時でもある種の花粉は人々を襲ってきます。それは、ハルガヤ、カモガヤ、芝生など、イネ科雑草とも呼ばれる草草の一団。5月の初め、ようやくヒノキ花粉が終わったころから7月中旬の梅雨明けまで、外に出るとくしゃみ、鼻水、目の痒みが出現します。名前を言われてもどんな植物なのか、ほとんどの人は判らないでしょう。写真を見せて、「こんなのどこにでも生えているでしょう?」というと、「ああ、確かに。」とか「こんな草で花粉症になるんですか?」とか、みなさん言います。なるんですよ、いわゆる、どこにでも生えている雑草で!
これらは大部分が、明治時代にヨーロッパなどから牧草として持ち込まれた、いわゆる帰化植物です。だからどうという訳では有りませんが、これらが日本中に広がり、毎年人々が大量に花粉にさらされているうちに、アレルギー反応を起こすようになってしまった、ということです。ちなみに、日本のスギは日本固有種で、海外にはありません。ですから、海外から来たからといって、それが特別悪いわけではありません。なお、これらイネ科雑草のアレルギーは意外に早くから発病し、患者さんの過半数は、子供のころから発症します。また、外でスポーツをする子供は特に多い印象があります。現に、サッカー、野球、テニスなどのクラブチームや部活で活動する子供や中高生が、今の季節にはたくさん外来に来ます。たくさん走るスポーツですから、練習や競技中は絶対にマスクはできません。花粉症眼鏡も、サッカーやラグビーの競技ではかけられず、従って、抗アレルギー薬を飲み、まめに目薬をつけるしかありません。
我慢は禁物。鼻が出て、目が痒ければ試合にも練習にも集中できませんし、走るのも苦しいし、ボールの見え方も悪くなります。「なんだか目をこすって。」とか、「外にでると鼻出てるんだよね。」などがあれば、一度受診をお勧めします。一般的に、アレルギー性鼻炎が自然治癒する可能性は1~5%以下と思われますので、何か画期的な治療法が現れるまでは毎年同じように発症し、同じように治療する、といったことになります、やれやれ。
それとは全く関係ないことですが、僕は昨日(13日朝にこれを打ってます)55歳になってしまいました。生きているのは嬉しいですが、年を取ること自体はうれしいとは思いません。ですが、個人的には若いころに戻りたいとか、もう一度生まれ変わって、とは思いません。だって、若いころはあとで考えると愚かしくて恥ずかしいことをいっぱいしていたり、世の中で軽く見られたり、いろんな意味で余裕がなかったでしょう?今風に言えば、「黒歴史」がいっぱいで、思い出したくないことも多いのです。まあ、今となっては懐かしいことですが。
皆さんはいかがですか?若いときに戻りたいですか?ではまた、お会いしましょう。
こんにちは。やっとインフルエンザの患者さんも少なくなってきました。今年は皆さん大変でしたね。熱出るたびに、インフルエンザの心配をして、あの、鼻が痛い検査を無理やりされて、子供さんたちはそのたびにおいおい泣いて、でもしないと幼稚園も学校も行けない、預かれない、と半ば脅されて、子供たちには嫌なシーズンでした、本当に。
さて、冬場に体がカサカサして、あちこち痒くて、皮膚科や近くの小児科で保湿剤をもらった人も多かったでしょう。「乾燥肌ですね。」と言われ、保湿で良くなった人もいれば、湿疹があちこちにできて、夜中掻き壊したり、とびひになった人もいるでしょう。これって何?ただの乾燥ですか?と思う患者さんや、家族の方も多いでしょう。実は、治りにくい人の大部分は「アトピー性皮膚炎」なのです。「でも、そんなこと言われたことないし。」「私も乾燥して痒くなるので、体質が似てるんじゃない。」実は、アトピーや、その他のアレルギー疾患は遺伝要因が強いのです。かなり似ますので、親がアレルギーや、アトピー体質の場合は、子供も同じような状況になる場合や、あるいは親御さんより悪いケースが多いのです。アトピー性皮膚炎は、多くが生後2,3か月から発症し、顔をこする、頭をかく、耳が切れる、抱っこされた時に顔をスリスリこすり付ける、等の行動をします。これは眠くなると一層やるので、「眠いのね。」など度のんきに考える方が多いのですが、アトピー患者は、眠いと痒みが増すものです。また、癖ではありません。赤ちゃんに「癖」は無く、痒いからこするのです。やがて、顔がきれいになっても、今度は体がカサカサして、湿疹が出てきます。そうなるとあちこち痒いので、体が紅白のまだらになったり、掻き壊しの傷が出来たりします。こうなると、保湿だけでは収まらず、「皮膚炎」を治療するために、ステロイド軟膏が必要です。また、「塗ると良くなるけど、止めるとすぐ悪くなるのよね。」と言ってくるお母様もいますが、それは当然です。「慢性」の病気ですから、ちょっと良くなったからと言って、止めてはいけないのです。ただしその一方で、ある程度きちんと塗っていれば、自然に良くなる患者さんはたくさんいます。自然治癒、寛解((落ち着いてくること)が多いのも特徴ですから、あまりショックに陥ったり、泣いたりしないで下さい。「敏感肌でカサカサかいかいだから、軟膏塗ってきれいにしてあげよっ!」とか「良い所ばっかり似るわけじゃないし!」とか軽く考えて、せっせと塗ってもらえば、大部分の人は良くなってきます。ただし、一部の患者さんは小学生、あるいは思春期になっても治りきりません。その時は、本人と保護者の方が協力して、「塗って塗ってぬりまくって」ください。ステロイドが基本です。どの国の皮膚科テキストを見ても、ステロイドは基本と記載されています。そして、乾燥を防ぐために保湿剤を塗ること。さらには、痒みの範囲が広い場合には、かゆみを抑えるために抗アレルギー剤を飲むことも必要です。きっちり続ければ、ごく一部の人を除いて、かなり改善しますし、思春期前後までには寛解(落ち着くこと)する例が70%以上と言われています。
アトピーと言われるのが嫌で、「ただの乾燥だ。」とか「乳児湿疹だ。」などと言って、薬はしっかりステロイドを出している医者もたくさんいます。嫌なことを言っては評判が悪くなる、患者が少なくなる、などと、黒を白とごまかしているようではまともな診療はできません。言い方さえ考えれば、説明をきちんとすれば、判ってくれる人が大部分ですから、僕ははっきり言います。アトピーはアトピーなのです。そのうえできちんと理解して、病気に向き合ってほしいものです。なお、塗り方、回数、保湿剤の種類など、季節や状況によって、少しづつ変えてゆくのですが、詳しく説明するには、実際に診察することが必要ですので、受診してください。もう遅くなりました。ではまた。
カテゴリー: 1.アレルギー
投稿者: satohcli10-9
こんにちは。出かけていたので一週空いてしまいました。いつの間にか春めいて、ここつくばでは木蓮の花が咲いていますね。桜も咲き始めたようで、僕の生まれた北海道とは全く違う春の景色です。
さて、今回も食物アレルギーの話をします。食物アレルギーは、積極的な治療法があるのか?ということについてですが、最近マスコミなどでは、少しづつ食べさせて慣らしてゆき、いずれは食べられるようにする、いわゆる経口免疫療法が主流であるかのように言われています。しかし、これは全くの間違いであり、未だに実験的に一部の医療機関で研究レベルで行われている治療法である。よって、一般診療で行うことは推奨しない(食物アレルギー診療ガイドラインより一部改編)。となっています。筑波メディカルセンターで行われていた理由は、前部長の市川先生が、日本を代表する小児喘息の専門医の一人であり、先進的な治療を自ら行わなければならない立場でいらっしゃったためです。アメリカの食物アレルギーガイドラインにおいても、「一部の症例においてはこの治療の効果を認めるが、エビデンスは低く、専門家の意見としては推奨しない。その理由としては、安全性の確保が十分でなく、一度摂取可能となった食品についても、運動時、ウイルス疾患(風邪、インフルエンザ、胃腸炎など)に罹った際にはアナフィラキシー反応を含む全身性の反応が時に出現する。」ということが挙げられています。さらに、この療法を積極的に行っている病院の一つである、大阪市立病院が数年前に学会発表した論文でも、「免疫療法がどの患者に安全に行えるか、未だに事前に判定する手段がない。」とあります。ですから、この治療法に期待なさっている患者さんとその家族には大変残念ですが、なかなか安全確実に治る方法は、今のところないのが現実です。また、どんな抗アレルギー薬や、ステロイド剤を飲んだとしても、アレルギーが起こる食べ物は、食べられないのです。せいぜいアレルギー症状を押さえはしますが、安全に食べられはしません。ですから、今のところは、他に良い治療法や、安全にできる免疫療法が出てくるのを待つしかありません。
今日はがっかりさせてしまうお話でしたが、誤解したままでは非常に危険な問題ですので、あえて書きました。ではまた、お元気でお過ごしください。
こんにちは。肌寒い日が続いています。しかし、スギ花粉はそれなりに飛散しているようで、毎年それに苦しんでいる方が来院します。最近はスギ花粉だけでなく、イネ科雑草、ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、さらにはそのほかにもさまざまな花粉症の方がいます。その中で、食物アレルギーを引き起こす花粉症をご紹介します。その植物は、本州の広い範囲に生息するハンノキの仲間、および北海道や本州の高原地帯分布する(北海道の人は必見です)シラカバです。
「なにそれ、聞いたことないけど。」という方も多いでしょうが、これはアレルギーの世界では知る人ぞ知る、有名なものです。まず前者について、。これはハンノキ科という地味な広葉樹が、本州では2月から3月いっぱいくらいまで花粉を飛散させます。スギとかぶっているため、この花粉による症状は目立ちません。認知度は極めて低く、その病気の存在を知る医師も多くは有りません。また、シラカバはよく知られた木ですが、この花粉症患者は意外に多く、例えば北海道では、これによる花粉症は人口の5から10%程度はいるのではないかと推定されています。これについても、スギほど激しい症状が出る人は少ないので、やはり知らない人も多いのです。ですが、この一見地味な花粉症が、果物や野菜のアレルギーを引き起こし、今まで食べられていたものが一生食べられなくなる、そんな事態を引き起こすのです。
当院はアレルギー疾患を広く診療していますので、このような患者さんが多く集まります。何らかの果物、野菜アレルギーを発症した患者さんは、百人以上はいます。誠に気の毒ですが、良い治療法はなく、一度アレルギーが起こった果物や野菜は、生の状態で食べることは二度とできません。さらに、食べられなくなるものが少しづつ増えてきます。キウイだけだったものが、モモ、メロン、イチゴ、リンゴ、さらにはトマト、セロリ、ニンジンなどの野菜にも広がってくる場合も多いのです。予防の手立てもありませんので、「食べられれば食べて良いですが、もしも何か変わったことが有ったらすぐ(食べるのを)やめてね。」と説明することが大事です。幸い、主な症状は口の中の違和感、痒み、腫れた感じなど、多くは重いものではありませんが、それを無視して食べ続けると、呼吸困難、ショックなどにつながりかねませんので、無理して食べ続けないでください。ただ、多くの場合は加熱すれば食べられますので、煮たり、ジャムにしたり、パイにしたり、レンジにかけるだけでも良いでしょう。そうすれば、みんなとほぼ同じものが食べられますので、「ボッチ」にはならないと思います。
どうしてこんな病気が増えてくるのか?それは、今のところ分かりません。清潔仮説、腸内細菌の異常、など、色々な仮説が有りますが、どれも正しいと証明されてはいません。僕たちに今できることは、そうした患者さんを見つけ、適切な対応、助言を行い、健康を損なわないようにすること、これに尽きるのです。
次回も食物アレルギーについてお話しする予定です。ではまた、お元気でお過ごしください。
カテゴリー: 1.アレルギー
投稿者: satohcli10-9
こんにちは。先日の減感作療法、または免疫舌下療法について、何人かの方からご質問をいただきました。「子供にやらせたいのだけど。」というものでした。すいません、説明が足りなくて。今のところ、12歳以上という条件付きです。なお、数年後には対象年齢が下がるかもしれませんので、その時にはご相談できます。
さて、最近変な被り物をして診療しておりますが、実は3か月ほど前から「円形脱毛症」になってしまったのです、しかも5,6か所も!!ああ、仕事のストレスか(?)、家で気を使いすぎか(?)なんてかわいそうな俺!なんていいたいところですが、実は違うのです、これが。この病気は、ストレスが原因ではなく、毛根に対する自己抗体、つまり、自分の髪の毛を作る細胞に対して、「こいつは異物だ、外から来た悪者だ!」という勘違いをして、、そのために誤ってそれを攻撃、破壊する抗体を作ってしまうのです。いわば自分で自分の体(の一部)をぶっ壊してしまう、というものなのです。いわゆる自己免疫疾患(昔の膠原病のこと)の一つなのです。ですから、治療は心療内科の薬ではなく、皮膚科を受診し、強めのステロイドや免疫抑制剤を長期に使うことなのです。すると時間はかかりますが、だいたいの患者さんは治る(らしい)のです。
私の場合、某大学の分院の教授が元同級生なので、「これ治るの?なんとかならないの?」と泣きながら(嘘です)受診したところ、いともあっさりと、「あ、ほんとだね、何カ所かあるね。もともとアレルギー悪いんでしょ?強めのステロイドでないとね。うん、そのうち治るから。」とのこと。(なんで?そのうちって一体いつよ!)などと思いつつも、そんなことも言えませんので、「悪いね、忙しいのに。きちんと塗って、あんまり良くなければ、また来るね。」と外来を後にしました。そして、せっせと塗ること1,2か月。大きいのはまだ良くなりませんが、小さいいくつかは、新たに髪が生えてきて、地肌が目立たなくなりました。「やった!」
さて、ここで再認識したこと。1:病気が治るのには、ある程度の時間が必要であり、必ずしも自分の希望通りにはならないものであること。2:医者にもはっきりとわからないことも多いということ3:軟膏はまじめに塗ること。など、学んだこと、再認識したことが多い、この度の円形脱毛症でした。なんだ、僕は今までさんざん病気しているし、今も実は難病患者なのですが、まだまだ人間出来ていませんね。ではまた。
こんにちは。インフルエンザが流行り、花粉症も出てきたり、さらにはおたふくかぜ、溶連菌もかつてないほど流行し、僕のクリニックも、そして、たぶんあちこちのクリニックも、患者さんがたくさんで、今がかきいれどき掻き入れ時です(などと言ったら、大炎上でしょうか?)なかでも花粉症(スギ花粉に対するアレルギー性鼻炎、結膜炎)は、その患者数の多さと症状の重さから言えば、世界最悪、と言っても良いくらいです。ですが、ひょっとしたらそのにっくき花粉症が治るかもしれないのです。その治療法の名は、減感作療法というもので、簡単に言えば、アレルギーを起こす物質を少しづつ体に入れて、それに慣れてしまうことでアレルギーを起こさなくなる、つまり、治ってしまうというものです。普通、浴びたり食べたりを繰り返すとどんどん悪くなる、というのがアレルギー疾患の特徴なのですが、その一方で、少しづつ摂取すれば(食べたり吸い込んだりすれば)体が反応しなくなってしまう、という現象が有り、それを利用しているのです。詳しいメカニズムは、完全には判っていません。今のところ、スギ花粉とダニアレルギーの2種類について、治療が可能です。当院や、その他の耳鼻科でも行っている患者さんはいます。ただ、予想したよりも希望者が少ないな、というのがアレルギーをやっている医師、製薬会社等の正直な感想でしょう。
というのも、毎日欠かさず3,4年間飲み続けなければならないからです。この治療法を説明すると、花粉症の方は、ほとんどが「へけっ?」とか「まじすか?オレ的にちょっとむり」「三年も飲むんですか?今の薬効いてるし?」と言います(ホント?)まあ、二,三か月で終わるスギ花粉症のために、365日×4年なんて薬飲めませんね、でも、ダニアレルギーならどうでしょうか?ほぼ毎日、抗アレルギー薬を飲んでいる人は結構いるでしょうし、一つ増えたと思えばなんてことありません、と言いたいところですが、やっぱり希望者は少ないです。
かくいう自分も、マルチにアレルギー反応有っても、ついつい億劫なので、毎日抗アレルギー剤など飲んでます。人間って、そこそこ困ってなければ、余り新しいことをやりたくないものかもしれませんね。別に2分ほど口に含んでから飲み込むだけなのですがね。まあ、僕は鼻炎もアトピーも喘息もありなので、やった方が良いのは判っているのですが。ただ、僕なんかよりアレルギー症状がはるかに重い人がたくさんいらっしゃるのがこのクリニックです。もし治る、あるいは軽くなる、そんな可能性を持った治療法ですので、興味がある方は、どうぞ、外来でお尋ねください。ああ、今日も長くなりました。話の長いのは一生治らないようです。ではまた。
カテゴリー: 1.アレルギー
投稿者: satohcli10-9
今日は12日、連休の中日ですが、つくばは穏やかな一日でしたね。クリニック裏の小さな神社あたりを歩いていると、いなごやトノサマバッタ、アキアカネなどが道端のあちこちで見受けられます。また、神社の入り口には大きな木がそびえ立っていて、毎年その辺りには、必ずと言っていいほどスズメバチが巣を作ります。巣から頭をのぞかせ、近づくと周囲を威嚇するように飛んできます。虫は慣れておりますので、そうは驚きませんが、何匹か出てくると退却するのが賢明でしょう。今日は蜂について少しお話します。
ハチについて、皆さんはどういうイメージを持ちますか?、多くの方は怖いもの、危ないものと思っていますよね。でも、ほとんどの蜂はやたらめったに人に向かってくる訳ではありません。また、蜂の毒そのものはそう強いものではなく、例えば、ミツバチでは「300から500か所刺されると、毒液の直接作用で死ぬことがある。(ハリソン内科書)」と記載されています。従って、ハチに刺されて死亡する人のほぼ全員が、アレルギー反応によってです。 
まず、ハチ毒についてですが、症状としては、刺された部分の充血、腫れ、出血、激しい痛みが起こり、まれに壊死、また発熱、けいれん、虚脱がまれに起こることがあります。スズメバチでは症状が激烈で、悪心、嘔吐、下痢、胸痛、チアノーゼ、痙攣が起こることがあります(薬、毒物中毒救急マニュアル 改訂7版)。毒の成分については省略します。アナフィラキシーについては、免疫細胞の一部から、自分の体にむしろ害を引き起こす物質が大量に放出させるために、血管が拡張し、またそこから血漿成分が漏れ出してきて、血圧が下がってしまうこと、さらには気管が収縮し、分泌物が貯留し(痰が大量にたまるということ)とそれによる呼吸困難になること、じんましん、浮腫が起こります。こうなると、数分の遅れが死を招きます。

すいません、午前1時近くなり、眠くなりましたので、治療は明日お話しします!ではまた。
今日は日曜の午前中から東京で、舌下免疫療法についての講習会があり、参加しました。
薬を含んで飲むだけで花粉症が治る!そんな内容で週刊誌にも紹介されましたので、ご存知の方も多いでしょう。
結論から言います。治ると言ってはいけない。6,7年でまたぶり返すかもしれない、そんな内容でした。
現在は症状が重く、また、毎週インフルエンザのワクチンの2倍は痛い注射を週2回、1,2年かけて量を増やし、さらに最大量を2年ほどは月1回、ダメ押しに年3,4回は通う、そんな風に免疫療法は行われています。したがって、めったにやる人はいませんでした。
それがこの秋から、3,4年毎日薬を飲むだけで、7,8年は楽になるというのですから、どうでしょうか?(治るとは言っていません)

やり方、副作用に対する対応策もお勉強した来ましたが、それはそう難しいものではありませんでした。
問題はやはり、
1;3,4年間毎日薬(スギ花粉のアレルゲンを薄めたもの)を飲み続けなければならないこと。4年はやったほうが効果が長持ちするというが。
2;すごく効く人から効かなかった人まで、効果は様々であること。前もって予測はできないこと。皆に効くわけではない。
3;効いたとしても、7,8年後にはまた戻ってしまうことも多い。講師の先生は、「治る人もいるし、軽くなる人は多いので、有効な治療でしょう。」とのこと。
4;副作用がある、、念のためアナフィラキシーにも備える。(ただし極めて稀。)
5;たぶん薬価は高い。かなり。

詳しいことが決まったら、今度はホームページでお知らせします。まあ、どうしましょうかね、皆さんは受けますか?

注射は痛くて面倒だけど、スギ花粉症から縁の切れる人が多いですよ。ただし、超重症者、例えば花粉症喘息、アトピー悪化で顔中真っ赤になったりする人、微熱出っ放しで1か月以上続く人、無呼吸になるほど鼻が詰まる人など ,普通の人が想像できないほどの症状があればお勧めしています。ただし2,3年は毎週注射するので、薬飲んだほうが簡単ですけどね。
私?アレルギー悪くて、一年中薬飲んでますけど、何か?
カテゴリー: 1.アレルギー
投稿者: satohcli10-9
間もなく梅雨明けとのこと。アレルギーの患者さんの多くは、薬が一時いらなくなったり、軽くなったりとうれしい季節です、仮に暑くても。
ダニ、ハウスダストによる喘息の発作は激減し、鼻炎も収まってくる季節。イネ科の花粉症もほぼ終わり、クリニックも暇になってきます(泣)。
しかし、アトピーの方は夏も大変。汗をかくとひじ、ひざ関節のところに湿疹ができ(あせもではありません、念のため)、日光に敏感な人もいるし、
蚊に刺されるとすごく腫れる人もたくさんいます。アトピーの子供さんを持つお母さんにはうれしくない季節でもあります。
でも、汗をかいたら石鹸でひじ、ひざの内側を洗って薬をつける、日焼け止めを塗って公園や遊びに行かせる、ステロイドを持って行き、蚊に刺されたら早く塗る。
それだけでもだいぶ違います。え、面倒って?自分は子供4人いますが(全員喘息、マルチのアレルギー性鼻炎、2名は食物アレルギーで今後も治らないタイプ、めちゃくちゃなアトピーもいました。皆さんの苦労は分かっているつもりです)。小学校入学くらいまでは全員にやってましたけど。3,4年生なら自分でできます、
親が習慣づけてやれば。
プレッシャーをかけるようですが、アトピーの過半数は親がどれだけきちんと薬塗ったかで決まります。そうじや空気清浄器の前にやることは毎日あります。手を抜かないでくださいっていうのは、外来や学校検診でもよく思うことです。

でも、夏はいろいろ楽しいことがあると思います、子供たちだけではなく、それぞれの年代でも。
病気っていうのはなければよいのですが、かかってしまったものは仕方ありません。
その中で、良いことを見つけて過ごしてゆきましょうよ。

話が飛んでしまいましたので、今日はここまで。