花粉症で果物が食べられなくなる? (2016/03/13)
投稿者: satohcli10-9
こんにちは。肌寒い日が続いています。しかし、スギ花粉はそれなりに飛散しているようで、毎年それに苦しんでいる方が来院します。最近はスギ花粉だけでなく、イネ科雑草、ブタクサ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、さらにはそのほかにもさまざまな花粉症の方がいます。その中で、食物アレルギーを引き起こす花粉症をご紹介します。その植物は、本州の広い範囲に生息するハンノキの仲間、および北海道や本州の高原地帯分布する(北海道の人は必見です)シラカバです。
「なにそれ、聞いたことないけど。」という方も多いでしょうが、これはアレルギーの世界では知る人ぞ知る、有名なものです。まず前者について、。これはハンノキ科という地味な広葉樹が、本州では2月から3月いっぱいくらいまで花粉を飛散させます。スギとかぶっているため、この花粉による症状は目立ちません。認知度は極めて低く、その病気の存在を知る医師も多くは有りません。また、シラカバはよく知られた木ですが、この花粉症患者は意外に多く、例えば北海道では、これによる花粉症は人口の5から10%程度はいるのではないかと推定されています。これについても、スギほど激しい症状が出る人は少ないので、やはり知らない人も多いのです。ですが、この一見地味な花粉症が、果物や野菜のアレルギーを引き起こし、今まで食べられていたものが一生食べられなくなる、そんな事態を引き起こすのです。
当院はアレルギー疾患を広く診療していますので、このような患者さんが多く集まります。何らかの果物、野菜アレルギーを発症した患者さんは、百人以上はいます。誠に気の毒ですが、良い治療法はなく、一度アレルギーが起こった果物や野菜は、生の状態で食べることは二度とできません。さらに、食べられなくなるものが少しづつ増えてきます。キウイだけだったものが、モモ、メロン、イチゴ、リンゴ、さらにはトマト、セロリ、ニンジンなどの野菜にも広がってくる場合も多いのです。予防の手立てもありませんので、「食べられれば食べて良いですが、もしも何か変わったことが有ったらすぐ(食べるのを)やめてね。」と説明することが大事です。幸い、主な症状は口の中の違和感、痒み、腫れた感じなど、多くは重いものではありませんが、それを無視して食べ続けると、呼吸困難、ショックなどにつながりかねませんので、無理して食べ続けないでください。ただ、多くの場合は加熱すれば食べられますので、煮たり、ジャムにしたり、パイにしたり、レンジにかけるだけでも良いでしょう。そうすれば、みんなとほぼ同じものが食べられますので、「ボッチ」にはならないと思います。
どうしてこんな病気が増えてくるのか?それは、今のところ分かりません。清潔仮説、腸内細菌の異常、など、色々な仮説が有りますが、どれも正しいと証明されてはいません。僕たちに今できることは、そうした患者さんを見つけ、適切な対応、助言を行い、健康を損なわないようにすること、これに尽きるのです。
次回も食物アレルギーについてお話しする予定です。ではまた、お元気でお過ごしください。
「なにそれ、聞いたことないけど。」という方も多いでしょうが、これはアレルギーの世界では知る人ぞ知る、有名なものです。まず前者について、。これはハンノキ科という地味な広葉樹が、本州では2月から3月いっぱいくらいまで花粉を飛散させます。スギとかぶっているため、この花粉による症状は目立ちません。認知度は極めて低く、その病気の存在を知る医師も多くは有りません。また、シラカバはよく知られた木ですが、この花粉症患者は意外に多く、例えば北海道では、これによる花粉症は人口の5から10%程度はいるのではないかと推定されています。これについても、スギほど激しい症状が出る人は少ないので、やはり知らない人も多いのです。ですが、この一見地味な花粉症が、果物や野菜のアレルギーを引き起こし、今まで食べられていたものが一生食べられなくなる、そんな事態を引き起こすのです。
当院はアレルギー疾患を広く診療していますので、このような患者さんが多く集まります。何らかの果物、野菜アレルギーを発症した患者さんは、百人以上はいます。誠に気の毒ですが、良い治療法はなく、一度アレルギーが起こった果物や野菜は、生の状態で食べることは二度とできません。さらに、食べられなくなるものが少しづつ増えてきます。キウイだけだったものが、モモ、メロン、イチゴ、リンゴ、さらにはトマト、セロリ、ニンジンなどの野菜にも広がってくる場合も多いのです。予防の手立てもありませんので、「食べられれば食べて良いですが、もしも何か変わったことが有ったらすぐ(食べるのを)やめてね。」と説明することが大事です。幸い、主な症状は口の中の違和感、痒み、腫れた感じなど、多くは重いものではありませんが、それを無視して食べ続けると、呼吸困難、ショックなどにつながりかねませんので、無理して食べ続けないでください。ただ、多くの場合は加熱すれば食べられますので、煮たり、ジャムにしたり、パイにしたり、レンジにかけるだけでも良いでしょう。そうすれば、みんなとほぼ同じものが食べられますので、「ボッチ」にはならないと思います。
どうしてこんな病気が増えてくるのか?それは、今のところ分かりません。清潔仮説、腸内細菌の異常、など、色々な仮説が有りますが、どれも正しいと証明されてはいません。僕たちに今できることは、そうした患者さんを見つけ、適切な対応、助言を行い、健康を損なわないようにすること、これに尽きるのです。
次回も食物アレルギーについてお話しする予定です。ではまた、お元気でお過ごしください。