こんにちは。先日の減感作療法、または免疫舌下療法について、何人かの方からご質問をいただきました。「子供にやらせたいのだけど。」というものでした。すいません、説明が足りなくて。今のところ、12歳以上という条件付きです。なお、数年後には対象年齢が下がるかもしれませんので、その時にはご相談できます。
さて、最近変な被り物をして診療しておりますが、実は3か月ほど前から「円形脱毛症」になってしまったのです、しかも5,6か所も!!ああ、仕事のストレスか(?)、家で気を使いすぎか(?)なんてかわいそうな俺!なんていいたいところですが、実は違うのです、これが。この病気は、ストレスが原因ではなく、毛根に対する自己抗体、つまり、自分の髪の毛を作る細胞に対して、「こいつは異物だ、外から来た悪者だ!」という勘違いをして、、そのために誤ってそれを攻撃、破壊する抗体を作ってしまうのです。いわば自分で自分の体(の一部)をぶっ壊してしまう、というものなのです。いわゆる自己免疫疾患(昔の膠原病のこと)の一つなのです。ですから、治療は心療内科の薬ではなく、皮膚科を受診し、強めのステロイドや免疫抑制剤を長期に使うことなのです。すると時間はかかりますが、だいたいの患者さんは治る(らしい)のです。
私の場合、某大学の分院の教授が元同級生なので、「これ治るの?なんとかならないの?」と泣きながら(嘘です)受診したところ、いともあっさりと、「あ、ほんとだね、何カ所かあるね。もともとアレルギー悪いんでしょ?強めのステロイドでないとね。うん、そのうち治るから。」とのこと。(なんで?そのうちって一体いつよ!)などと思いつつも、そんなことも言えませんので、「悪いね、忙しいのに。きちんと塗って、あんまり良くなければ、また来るね。」と外来を後にしました。そして、せっせと塗ること1,2か月。大きいのはまだ良くなりませんが、小さいいくつかは、新たに髪が生えてきて、地肌が目立たなくなりました。「やった!」
さて、ここで再認識したこと。1:病気が治るのには、ある程度の時間が必要であり、必ずしも自分の希望通りにはならないものであること。2:医者にもはっきりとわからないことも多いということ3:軟膏はまじめに塗ること。など、学んだこと、再認識したことが多い、この度の円形脱毛症でした。なんだ、僕は今までさんざん病気しているし、今も実は難病患者なのですが、まだまだ人間出来ていませんね。ではまた。