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February 2016 の投稿一覧です。
カテゴリー: 総合
投稿者: wakui-clinic
 患者さんに薬を処方する際に以下のような理由で
患者さんがお持ちの ”お薬手帳” を拝見しています。
 
 1、皮膚の症状が今飲んでいる薬の影響があるか否か。
     薬疹、蕁麻疹、お顔の赤みやほてり でよくあります。
     
     例:抗生物質、血圧の薬、痛み止めが犯人になる
       ことがあります。⇒この時は薬を変更
       していただく事があります。

 2、他の病院の薬とだぶらないように。

 3、今回処方する薬は以前の薬とけんかしないか。

     例:水虫の薬は、胃薬やコレステロール、睡眠薬との
       相性が悪いので注意して問診をします。
  
 4、今回の治療薬を選ぶ時の決め手になる。
  
    以前使っていて合わない薬がわかります。
   
     例:Aがあわなければ、同じ系統の使用は避ける。
       交差反応といってAが合わない時はBも使えないので
       今回はCという薬を処方する。
 
 5、時に、今飲んでいるお薬を漢方薬などで減らすことができます。

 ”お薬手帳” は診察の際に大切な情報となります。
 受診の際はお持ちください。
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投稿者: wakui-clinic
 「手当をする」。「顔色をうかがう」。「肌で感じる」。
「皮膚は内臓の鏡」。と皮膚に関する表現は多いと思います。
 皮膚になにかトラブルがある場合は身体の中に起こっている
異常が皮膚に反映されていると思います。
 
 患者さんを診察することで、いまの状態がどのようになっているか、
水毒か、於血か、血虚か、気のめぐりが悪いかを患者さんからいろいろと
話を聞きながら判断します。幸い皮膚科の場合は、患者さんの皮膚を
直接触ることにより、水毒、熱、等の状態を以前と比べながら
漢方薬の量や種類をきめ細かく調整できます。(前回チョレイトウは
1.25g。今回チョレイトウは0.5gという具合です。)

 「いぼ」、「いわゆる急性の湿疹」等でも、患者さんの診察と治療を行いながら
毎回患者さんの体調、身体の状況をとらえることができるので
漢方、東洋医学は皮膚科には適していると思います。

 原因がよくわからなくとも強いかゆみや、よくわからない症状、
ストレスにも漢方薬はアプローチができ東洋医学は皮膚科には
相性がよいと考えています。

 漢方薬の処方に関わらず東洋医学的に患者さんを西洋医学
とともに診察することは有用な手段と思います。

 NHKテレビテキスト きょうの健康 3月号 2016
 で 漢方薬 が掲載されております。p56-71
 福島県立医科大学 会津医療センター教授 三潴忠道先生

 ご参照ください。
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投稿者: wakui-clinic
 漢方薬の効果や効能(ききめ)の説明書を薬局でもらった後に
患者さんから時に問い合わせがあります。
 
 よくある質問です。
 
 ”猪苓湯(チョレイトウ)” に対して、尿量減少、尿道炎、排尿痛
と書いてあるが自分はそういった状態ではない。
 
 ⇒利水剤、すなわち、皮膚と身体にたまっている水をだす目的で
処方しています。これらの病気として薬は処方していません。

 現在の皮膚は渇いているのに何故乾かすための猪苓湯がでているのか。

 ⇒今まで使っていたいろんな付け薬、ステロイド外用剤、保湿剤を
中止すると皮膚がじくじくしてきて、リバウンドが起こります。
それを抑える目的で、利水剤として処方しています。わざと皮膚を乾かす
ことにより早く治す目的があります。

 以上のように、薬の効果、効能とは違った目的で漢方薬を処方
していることが多いのが現状です。
このような事をご理解いただき治療を受けていただくと幸です。
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投稿者: wakui-clinic
ここのところこのような患者さんを時々拝見します。
よく診察すると、もともとは脂漏性湿疹であったり、ニキビだったり
乾燥肌であったりするようです。
なかなか治りが悪い時は、今までつけていた塗り薬、ステロイド外用剤、
真菌剤、プロトピックや保湿剤(ヒルドイドやビーソフテン等)を中止します。

その後、なるべく外用剤は使用せずに皮膚の状態に合った漢方薬を飲みながら
食生活や生活習慣を変えていくと治っていきます。

なかなか治りにくい皮膚炎のときには、少し視点を変えて
生活を見直して治療すると良い結果が得られるようです。

ステロイド外用剤や保湿剤を勝手にやめると リバウンド
といって今まで以上に悪くなる現象がおこりやすいので
ご自身で勝手に中止しないほうがよいと思います。
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投稿者: wakui-clinic
 皆さん診察室の机上に胸ポケット大の黒くて虫眼鏡
のような丸いレンズがついた機械にお気づきでしょうか。
診察の際に、皮膚の病変にあててライトをつけ拡大して見る機械
です。 ”デルマトスコピー” あるいは ”ダーマトスコピー” 
といいます。
 もともとは ”ほくろ” を詳しくみる機械です。
 ”ほくろ” にあてて、良性か悪性、すなわちほくろの癌=
悪性黒色腫(malignant melanoma)(メラノーマ)か否を
判断する機械です。
 最近は、この機械を用いていろんな病気や病態がわかるように
なりました。
 ”ほくろ” だけでなく、脂漏性角化症、血管の腫瘍、間質の腫瘍、
いぼが治ったか否かの判定、腫瘍のできている深さ、みずいぼの確認、
頭しらみ、爪の水虫、疥癬、等いろんな病気の診断に応用できます。
 
 痛くも痒くもなく、すぐに肉眼でいろんな事がわかる機械です。
 デルマトスコピーの出現で、患者さんの恩恵は大きいと思います。