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04 June 2025 の投稿一覧です。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi

前回、サブパーソナリティとは何か、という話をしました。サブパーソナリティは、いわゆるインナーチャイルドとほぼ同義とみてよいと思います。子ども時代に形成され、必死に私たちを守ろうとしてくれています。


そんなサブパーソナリティと対話する方法はいくつかあります。サイコシンセシスで一番有名なのは「エンプティチェア」の技法だと思います。イメージの中で、椅子に座っている自分をイメージします。そして、向かいに椅子を用意し、そこに、自分のサブパーソナリティが座っていることをイメージします。そこで、二人で会話をします。そうして、そのパーソナリティに対する理解を深めるというやり方です。

このやり方は、少し心に負荷をかける方法で、トラウマの大きい方は気持ちのつらさが出てくる可能性があります。気持ちのつらさの強い人は、カウンセラーと一緒に取り組む方が良いかなと思います。

それより安全で取り組みやすい方法として、絵を描くというやり方があります。白い紙に大きな丸を書きます。そして、それを8等分する線を書きます。ピザとかケーキとかを切るような線ですね。そしたら、8個のおうぎ形が出来ます。そのそれぞれに、自分のサブパーソナリティをイメージする絵を描きます。それは、直感的なものでいいのです。綺麗に書こうとか思わなくて大丈夫です。ただ、自分のサブパーソナリティを象徴するような色、形、エネルギー、イメージをそこに書きます。8人もいないと思う人は6等分でもいいし、たくさん書きたい人はもっと分割してもいいと思います。そして、書いてみて自分が何を感じたかを感じ取って下さい。サブパーソナリティ同士で、仲の良い同士と仲の悪い同士があったりします。そういうところにも気づいてもらえるといいのかなと思います。

大切なのは、サブパーソナリティの存在に気づくことであって、サブパーソナリティを変えようとしたり消そうとしたりすることではありません。私の中に、こういう部分があるんだな、と気づいて、その部分が頑張ってくれていることに気づくことが出来るといいなと思います。でも、その上で、そのやり方のしんどさやアンバランスさに気づき、どうしてそうなっているかに思いをはせてみてもらえるといいと思います。前回書きましたが、サブパーソナリティのルーツは子ども時代のトラウマであることが多いです。子どもの頃は、そうやって必死に対処してきました。でも、大人になると、もっと違うやり方が出来るようになってきています。大人になって、いろんな知識、技能をもった今ならば、子どもの頃とは違う方法が選べます。ダメな自分にダメ出しをするのではなく、「そばにいるよ」「大丈夫だよ」と自分の子ども時代の苦労をねぎらい、「どうするのがいいのか一緒に考えよう」というスタンスで、サブパーソナリティ達と対話していくようにできるといいのかなと思います。

サイコシンセシスで学んだことはもう少し書いてみます。
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投稿者: furujinmachi

この本は、厚さの割にイラストも多くてとても読みやすかったですよ。
一般の方向けの内容でためになると思います。

今さら聞けない 睡眠の超基本 (今さら聞けない超基本シリーズ)
amzn.asia
1,540円


読みたいと思った動機
著者の講演が非常にわかりやすく面白かった。睡眠とは、まだまだわからないことが多く、謎の多い生体活動のよう。しかし、これから新しい睡眠薬がたくさん販売されることになっており、それらを扱う医師として、睡眠の基本を知らないと恥ずかしいのではないかと感じた。

得たい知識
今自分が持っている睡眠の知識が正しいのか?
新しい見解が何かあるのか?
診察で、不眠症で困っている方に何か役に立つ知識があるだろうか?

やはりというか、知ってましたが、睡眠、すごく大事ですね。各国と比較して日本人の睡眠不足は深刻で、平均プラス1時間は寝た方がいいとのこと。そうすると日本人のパフォーマンスはもっと上がるだろうということでした。

あと、朝型か夜型か、という話。人間は体質的に朝型と夜型があるのと、子供と大人は朝型になりやすく、思春期は夜型になりやすいのだとか。確かに私は若い頃は夜型でしたが、最近は朝型です。朝型夜型のチェックができるサイトの紹介もあり、それで調べたら今の私は超朝型でした!あんなに、早起き苦手だったのに不思議です。

夢を見ているレム睡眠も、睡眠にとってはとても大事で、よく「夢ばっかり見て寝た気がしない」という話もありますが、実際夢を見ている時間もとても大切な、体が本当に休まっている時間のようです。夢を見ている=眠りが浅い、とは言い切れない部分があるとのこと。

あと印象に残ったのは、パワーナップ(昼寝)の話。私も実は昼寝をすることが多いのですが、これは14時までに20分以内が理想とのこと。最近昼寝をしすぎたらかえって寝起きがしんどいので、ちょうど20分に短縮したところだったので、理にかなっていたと知ってちょっと嬉しくなりました。

睡眠や眠気という生理現象は、実際まだまだわかっていないことも多いようで、これからの科学の進歩にも期待したいところがたくさんあります。

実際の不眠症という点では、「眠れていない」と自覚されている人でも実際は眠れている、という事実が多く、加齢に伴い睡眠の質が変化していることを「眠れていない」と感じているケースも相当あるとのこと。最近は、自宅で睡眠脳波を測定できるデバイスがあるようで(それの紹介もありました)、気になる方は一度測定してみると、実際本当にあまり眠れていないのか、実際は眠れているのか、確認できるようです。実際に眠れているのならば、薬を使ったりする必要がなくなるので、このような測定の機会を積極的に利用してみるのは良いな、と感じました。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
過去問を解いてみたら、結局、さっぱりわからないというか、知らないことがたくさんありすぎて。受験科目は「労働衛生関係法令」一つに絞ってみようと思います。

Kindle Unlimitedで、対策本を2冊書い、ざっと目を通しました。結構細かく覚えなければならない感じです。
しかし、私、暗記は決して得意ではないですが、試験対策は得意なんです。 これまでいくつもの難関受験、難関資格を突破してきた意地をここで見せたい。
ありがたいのは結構過去問がしっかりしており、傾向がわかりやすいこと。公認心理師の受験に比べると雲泥の差です。

最近はネットやChatGPTを使って色々調べるのも楽になりました。対策本2冊を軸に、わからないことは調べながら、自分なりのまとめを作成していき、暗記に繋げていこうと思います。

個人的には、対策本のうち、こちらの本がわかりやすかったです。

これ1冊で完成!労働衛生コンサルタント試験 筆記試験対策 参考書&問題集 2025年新傾向対応
amzn.asia
1,250円

この本のタイトル分類に基づき、もう1冊の方のデータも入れつつまとめ作りやってみます。

タイトルは全部で13分類あり、さらに下位項目があります。

1 安全衛生管理体制:6項目
2 健康診断:4項目
3 機械に関する規制:4項目
4 安全衛生教育:3項目
5 じん肺、粉じん障害予防:4項目
6 化学物質:9項目
7 有機溶剤:7項目
8 鉛:5項目
9 電離放射線:5項目
10 石綿:7項目
11 酸素欠乏症:4項目
12 高圧作業:4項目
13 事務所則:9項目

全部で71項目ですね。

まず1項目あたり何日くらいでまとめが作れるかやってみて、学習の計画を立ててみようと思いました。まとめを作る段階で、ある程度頭には入りますが、繰り返し読んだり過去問を解いたりして記憶を定着させる時間も必要です。どんなに遅くとも、8月中にはまとめを作り終え、9月には過去問をひたすら解いて記憶を定着させる時期に入る必要があると感じています。できれば7月中にまとめを作り、8月から過去問を解きに入りたい。

1時間ほど時間があるときにまとめ作りをしたら、3項目ほどは出来ました。
でも、平日の仕事上がりは疲れている日もあります。
無理のないペース、と考えると、1週間で10項目、7週間でまとめ作りがとりあえずの目標値かなと考えました。
noteで他の方の勉強方法や体験談も見させていただきました。お勧めyoutubeや対策講座の受講なども念頭に入れつつ、まずは労働衛生関係法令の筆記試験に向けてコツコツ勉強してみます。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi

こちらの本は、とある講座で紹介されており、読みやすそうと思ったのと、問題解決療法単独で取り扱った図書は読んだことなかったな、と思い購入しました。ワークシートとか、現場でも使えそうだなと、あと表紙から読みやすそうな印象も持ちました。実践のコツを教えてくれるとのこと、ありがたいじゃないですか。

ワークシートで学ぶ問題解決療法: 認知行動療法を実践的に活用したい人へ 実践のコツを教えます
amzn.asia
1,980円

読みたいと思った動機
認知行動療法を実践的に使えるようになりたい。知識の深掘りをしたい。また、他のスタッフも認知行動療法を行なっており、使えるものならシェアしたい。

得たい知識
問題解決療法の復習をしたい。
実践のコツを知りたい。
診察場面でも応用して使えそうなことがあれば知りたい。

問題解決療法のイメージとして、心理療法というよりは、具体的に問題を解決しようとする「アドバイス」的な要素が強いもののような印象を持っていました。改めて復習してみて感じたのは、立派な「心理療法」だということです。

「問題」の定義の仕方から、すでに心理的介入があります。私たちはいろんなことに困って、嫌な気持ちやストレスを抱えて生きているのですが、それをきちんと明確にできていないことも、案外多いと思うんですよね。日々辛い、悲しい、イライラする…いろんな感情を抱えていても、「それはなぜ?」ということと、「じゃあ、どうなりたいの?」というところが、曖昧なことが多いと思います。

最初のステップで、まず問題は何か?を考えていきます。それに対して、どうしたいのか?どうあるべきなのか?を考えて、そして、現在の状態はどうなのか、を考えます。この部分を丁寧にすると、現在の状態を望む方向(状態目標)に向けていくために、何をしたらいいのか(行動目標)、が見えてくるようになります。

行動目標はできるだけアイディアを出して、吟味し、最終的にどれからやってみるかを決めます。そしてやってみて、フィードバックを行い、最初に戻ってまた問題を考え、目標を立て、行動を決めます。その繰り返しを行なっていく中で、徐々に大きな問題が、ゆっくりと解決に向かっていきます。

実践のコツとしては、こちらの問題意識や、常識を押し付けないことかなと思います。でも、患者さんが困り事や悩み事を整理できる視点を提供する手法として役に立ちそうに思います。結局、問題は何なのだろう?どうなりたいの?どうすべきだと思っているの?現状はどうなの?それらを問いかけるだけでも、患者さんの悩みが整理され、解決方法を考えやすくなるように感じました。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi

10月の講演会の準備です。以前は講演会の準備、少々めんどくさいと思いながら、診療の合間にコツコツとやってたんですが、今はその過程もnoteの記事になると思うと、モチベが上がります。

何かを作るときに、できあがった作品を評価するのではなくて、その過程も知ってもらうことって、けっこういいのかなと思います。作る方も、過程を提示することで、完成までのモチベになりますし、見る方も、できあがっていく過程を見るのも楽しかったりしますよね。個人的にはリフォームとかDIYとかの動画も見ていて面白いと思うので、他人が何かを作っていく過程を見させてもらって共有することも、それを好ましいとか楽しいとか思う人もいるんですよね。

ちょっと無駄話になりました。さて、講演会の資料作成の続きです。


今日は、社会復帰が難しい背景についてまとめていきたいと思います。
・職場の理解不足
・自信喪失、孤立
・再発への不安
・制度の谷間、支援体制の難しさ

職場の理解不足について。これには大きく2つの方向性があると思います。

まずは、「復帰したならもう大丈夫でしょ?」という誤解についてです。
・メンタルヘルス不調=風邪のような一過性のものという誤った認識
・復職をゴールとする就業規則や復帰プログラムの構造:一度「OK」が出たら、通常通り働けるはずという扱いになりがち
・可視化できない症状への無関心:「元気そうに見える」「普通に話せてるのに、なぜ配慮が必要なのか」といった見た目依存の判断

このような誤解が職場にあると、結果として以下のようなことが起きます。
・本人が本当はまだしんどいのに言えなくなる:状態の波を出せず、悪化リスクが高まる
・周囲が配慮や調整を途中でやめてしまう:「もう普通に戻ってるんでしょ?」という空気感
・再発や再休職につながりやすくなる

あとは、メンタル不調そのものへの過剰な心配や、本質的な理解がなされていない場合ですね。
・形だけの配慮にとどまることが多い:形式的な勤務制限や時短対応はあっても、業務内容や人間関係の調整は不十分なまま。
・「一度休んだ人」へのレッテル:「また休むのではないか」「責任ある仕事は任せにくい」といった偏見や不安が根強く、本人の居場所がなくなることも。
・管理職や同僚の心理的負担:「どこまで踏み込んでよいか分からない」「腫れ物に触るようになってしまう」という声も多い。

制度的には復職可能でも、職場文化や風土が変わらなければ「本当の意味での復帰」にはなりにくい、と言えそうです。
それから、本人の自信喪失、孤立という問題点。
・病気の影響だけでなく、職場や社会との接点を失うこと自体が大きな打撃:「自分にはもう働く力がないのでは」「また迷惑をかけるのでは」という思考に陥りやすい。
・回復に時間がかかる過程で、社会的役割の喪失感が強まる:特に責任感が強かった人ほど、アイデンティティの喪失が深刻。
・孤立が悪循環を生む:周囲との関係が希薄になり、相談もしづらくなって、さらに不安や無力感が増す。

「病気が良くなった」ことと、「元の役割を担える自信」を取り戻すことは別のプロセスである、ということを認識していただく必要が出てきます。
再発への不安も、大きな懸念材料です。
・過去の経験がトラウマに近い形で残る:「あの時のように、また調子が悪くなってしまうのでは」という強い恐怖。
・再発リスクへの過度な意識が、復職へのブレーキになる:ある種の「自己保身的適応」であり、回避傾向が強まる。
・支援者や医療者も慎重になりすぎる場合がある:本人の不安を尊重するあまり、復帰のチャンスを後ろ倒しにしてしまうことも。

「再発しないこと」をゴールにすると、動けなくなってしまいます。 小さな成功体験を積み重ねる支援が必要になります。
最期に、 制度の谷間、支援体制の難しさについて。
・「医療」と「職場」をつなぐ仕組みが弱い:医師の診断書や意見書だけでは不十分。職場との対話や調整が必要だが、それを担う人材や制度が少ない。
・リワーク等の支援制度が限定的:地域格差が大きく、制度に乗れない人も多い。
・障害者雇用制度とのはざま:発症時期や診断名によっては福祉制度にうまく乗れない。精神疾患特有の「見えにくさ」がネックに。

医療・福祉・職場・本人をつなぐ「中間支援」が弱い社会では、社会復帰は「自己責任」に陥りやすい、と言えそうです。
だいたいこんなところでしょうか。また少しずつまとめていきます。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi

10月に3本の講演会を抱え、少しずつ準備を開始しております。

まず冒頭の、「治ったのに働けない」問題について。
これは、うつを含むメンタルヘルス不調全般にいえることじゃないかと思うのですが、メンタルの症状は、全部一変に改善するのではなく、比較的回復が早い症状と、回復が遅い症状があるんですね。
たとえば、不安感や気持ちの落ち込みといった、気分面の症状は、割と早くに回復してきてくれたり、お薬がよく効いてくれたりします。
しかし、意欲面だったり、認知機能の面で、回復が遅れることが良くあります。なので、気分は良くなってきたのに、何か活動しようとすると動けない、ということが起こったりします。

しかし、そのことをご存じなく、診察でも「(気分は)良くなった」という風に話をされますと、医者の方は「改善した」と判断します。そして、「では復職しましょう」という流れになる可能性があります。実際、意欲や認知機能が回復していないと、職場にいってもパフォーマンスが戻らない、働くことがつらい、すぐ疲れるといった困りごとが生じるようになります。

特に、下記のような認知機能低下については、長引くことが多いです。
・集中力の持続:数分で切れる、注意が飛ぶ
・記憶力の低下:会話や指示をすぐに忘れる
・判断力の低下:業務の優先順位がつけられない
・処理速度の低下:作業に極端に時間がかかる
・マルチタスク処理の困難:複数の仕事を同時にこなせない

実際の職場復帰ではこれらの「業務に必要な認知機能が戻っているか」が非常に重要です。しかし、この認知機能の面は、気分の回復と比べて見えにくく、捉えにくいところがあります。

そして、この認知機能が十分改善していないのに復帰した場合に、「会社に戻ってみたが、全然うまく働けず、再休職」という場合が出てきたりします。
なぜそのような状況になるのかについては、以下の2点が考えられます。
・脳のエネルギー回復や神経ネットワークの再構築には時間がかかる
・「会社に戻った時点」で社会的ストレスが再び加わると、脆弱な認知機能が再び破綻しやすい

しかし、主治医から復帰許可が出て、復帰されてきた人に対して、一般的に社会や職場の方は、以下のように考えると思います。
・「もう薬も減ってきたし、元気そうだから大丈夫でしょ?」
・「病気が治ったなら、すぐ普通に働けるはず」

これはある意味、病気か、健康か、といった線引きのはっきりした「健康/病気」の二分法的な見方になるんですが、その考え方がメンタルヘルス不調の現実とは乖離しています。

実際には、以下のような病気と健康の間くらいの状態はよくあることです。
・「心身のパフォーマンスがまだ不安定」
・「午前中だけは大丈夫だが、午後からがしんどい」
・「週5はまだ無理。週3〜4日からなら…」
そのため、回復には段階的な支援や職場の理解が不可欠になってきます。

結局のところ、メンタルヘルス不調の方の社会復帰の問題点は、
・早期復職→再休職の悪循環
・「甘えている」「怠けている」といった誤解
・患者自身も「元に戻れない自分」を責めてしまう
といったところになるかと思います。

また少しずつまとめていこうと思います。
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投稿者: furujinmachi

最近、産業医業務が増えてきまして、それに関連した講演活動も少しずつ依頼を受ける機会が増えてきました。産業医分野におけるメンタルヘルスの問題も大きくなり、関心が高まっていることと関連していると思います。

それに伴い、報酬について考えなければならない部分も出てきました。個人で受けるのか、医療法人で受けるのか。どちらにもメリットデメリットがあるように感じられ、どうしたものかと検討中でした。

そんな折、労働衛生コンサルタントという資格について知る機会がありました。もう少し、産業分野の勉強をしたいと思っていたので、自分のスキルアップにもなりそうです。また、労働衛生コンサルタントの資格を取ると、事務所を開設する必要が出てくるようで、そのメリットもあると考えました。

労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタント試験に合格し、厚生労働大臣指定登録機関の登録を受けて、事業場における労働衛生の水準の向上を図るため、事業者からの依頼により事業場の衛生についての診断や、これに基づく指導を業として行う専門家です。労働衛生に関する高い専門知識はもちろん、豊富な経験に裏付けられた高い指導力、業務に関する信用の保持が求められます。
公益財団法人 安全衛生技術試験協会(https://www.exam.or.jp/)
医師免許所持者は受験が可能で、なおかつ筆記試験のうちの労働衛生一般健康管理については免除になるとのこと。また、指定の講習を受ければ筆記試験が全科目免除にもなるとのことで、医師が受験するのはかなり有利なように見えます。

筆記試験に合格するか、講習会を受ければ、口述試験を受けて、最終合否が決まるようです。口述試験は必須のようですね。

講習会を調べると、一般的に3日間ほどのものになるようです。開業医に3日平日休みは正直厳しいですね。筆記試験も平日なので、どのみち1日は休まないと行けませんが、経営へのダメージは少ない方がいい。

なので、今年はまず筆記試験にチャレンジしてみて、あまりにも難しい場合は、来年講習会を受けるというパターンでやってみようかと思います。

しかし、その筆記試験もどうやら医師なら免除できる科目もあるとのこと。

労働衛生コンサルタント(保健衛生)筆記試験はこの3科目。
・労働衛生一般    (択一式 30問) 試験時間2時間
・労働衛生関係法令  (択一式 15問) 試験時間1時間
・健康管理 (記述式 4問中2問を選択) 試験時間2時間
このうち医師が免除申請できるのは「労働衛生一般」と「健康管理」。

じゃあ労働衛生関係法令だけでいいのか、と思ったんですが。合格基準に下記のような文言が。

合格基準
〈 学科試験 〉科目ごと(第一種衛生管理者試験の科目のうち範囲が分かれているものについては範囲ごと)の得点が40%以上で、かつ、その合計が60%以上で あること。
公益財団法人 安全衛生技術試験協会(https://www.exam.or.jp/)
つまり、もし他の2教科で得点が取れるなら、他でカバーできる可能性があるとのこと。法令一択の方がしんどい可能性もあるということのようです。

過去にチャレンジした方で、丁寧にまとめていらっしゃるブログがあったので拝見しました。

安全衛生技術試験協会から過去問をダウンロードして解いてみて、1科目受験か2科目受験かを決めるのが良い
せりさんぶろぐ(https://sangyoi-seri.com/consultant-written-test-exemption2/)
なるほど、まずは今の実力で解いてみて考えればいいようですね。今年は7月末までが出願期限で、試験が10月です。ちょっと過去問を解いてみて、対策を考えようと思います。
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投稿者: furujinmachi

前回、サブパーソナリティという概念を紹介しました。

サブパーソナリティは、私たちのこれまでの経験の中で作られた私たちの一部です。心理療法の流派によっては、これを「パーツ」と呼ぶこともあります。普段は、状況に合わせて、自分のいろんなサブパーソナリティがやってきて自分の代わりに色々と立ち振る舞ってくれます。しかし、時々、「困ったサブパーソナリティ」というものが出てきて、困った反応をすることがあります。

何か強い負の感情を感じているときは、サブパーソナリティが出てきていることが多いです。怒っているときや、悲しんでいるとき、落ち込んでいるとき、不安になっているとき。そして、その感情を何とかしようとして、何か行動を起こします。それがうまくいくといいのですが、あまりうまくいかないことも多く、かえって事態を悪化させてしまうこともあるのです。

サブパーソナリティは、だいたいが、子どもの頃の経験から形成されています。子どもの頃、辛かった体験をなんとかやり過ごそうとして、子どもなりになんとか振る舞い、そのときに学習したパターンがサブパーソナリティとなって、私たちの中に残ります。子どもの頃は、それでなんとか、そのしんどい状況を切り抜けていたのですが、大人になった今は、それは不必要だったり不適切だったりすることがあるんですね。でも、自分の中の子どもは、一生懸命そのパターンを繰り返して、頑張って自分を守ろうとしています。

なので、何かうまくいかないときに、「なんで自分ってこんなにダメなのかな」とか「自分って最悪だ」といった形で自分を責めるのではなく、「子ども時代の私が必死で頑張ってるんだ」「何が困って子ども時代の私がSOSを出してるんだろう?」と自分に問いかけてみるのが良さそうです。

私は、人に何か指摘されると、素直にそれを受け止めるのが難しいです。どうしても反発したり、言い訳したりしたくなります。でもそれは、子ども時代の自分のパターンなんですね。子どもの頃、理詰めで叱られ、言い返せず、悔しい思いをしたときのパターンです。それに気づいた今でも、何か指摘されると言い訳したくなったり、反発したりしたくなります。でもそのときに、「あっ、これは子どもの私の苦手なヤツね。大丈夫、大人の私が対応するから、あなたは無理しなくていいよ」と、サブパーソナリティと対話し、違うパターンを試してみる、ということが少しずつできるようになってきました。

次回はサブパーソナリティとの対話について少し書こうと思います。
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投稿者: furujinmachi

何年か前から、自分は「HSP」なんです、と主張する患者さんが増えてきました。HSPかどうか診断してほしい、と依頼されることもありました。しかし、HSPの概念は医学診断ではないので、病院で診断はできないんですよね。最近はそういった情報も周知されてきたのか、診断して欲しいという方は減りました。でも、診察の中で「私、HSP傾向があって」という話を患者さんがされることはまだよくありますし、私自身、「この人はHSPに当てはまるんだろうな」と思いながら診察することはよくあります。

HSP(Highly Sensitive Person)とは何?ということを改めて調べました。
アメリカの心理学者エレイン・アーロン(Elaine N. Aron)博士が1990年代に提唱した概念で、「感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity, SPS)」が高い人を指します。

HSPの主な特徴(アーロン博士によるD.O.E.S.の4要素)
以下の4つの特徴すべてに当てはまる人がHSPとされています。
D(Depth of processing):物事を深く考える。経験や出来事を丁寧に咀嚼しやすい。
O(Overstimulation):刺激を受けすぎると疲れやすい。音・光・におい・人混みなどに敏感。
E(Emotional reactivity and Empathy):共感力が高く、感情的な反応が強い。他人の感情に巻き込まれやすい。
S(Sensitivity to subtle stimuli):微細な変化や雰囲気に気づきやすい(音、匂い、表情など)。

HSPの人は、今のような情報社会だと刺激が多すぎて、とにかく疲れてしまうと思うんですよね。デジダルデトックスなども含めて、自分に入る情報を減らす工夫は必要になってきそうですね。そのあたり、本能的に分かっていて、テレビやSNSでの情報の取り入れ方を警戒されている方は多いように思います。

あと、HSPという概念も知らず、なぜか生きづらいと悩んだり、メンタル不調になってしまったりして受診される方もいます。このような方には、自分の特性を理解し、人と他人が異なることを理解してもらう必要はあると感じています。はっきりHSPと言わなくても(医学的診断ではないので、医者からHSPですと伝えるのはなるべく避けています)、「人より感受性が強そうである」「人より多くの情報を察知し受け取る力がある」といった形で伝えます。

そして自分のことを理解してもらって、精神疲労を避ける生活を考えるのと同時に、「他人は自分ほどには察せられない」ということを理解してもらうことが大切だと思っています。

そうでないと「なぜあの人は、分かっているはずなのにしてくれないんだろう」というストレスをためてしまうことになるんですね。自分だったら相手の気持ちを察して、何も言わずとも気を回すのに、相手はそれをしてくれない、ということで不満だったり、相手に嫌われていると思っていたりする方、けっこういらっしゃいます。「いや、それ相手の方、多分、分かってないですよ」と伝えると、「えっ」ってビックリされるんですよね。自分が鋭いから、人類は皆、鋭いと思ってるんですね。良い意味でも自分の特性を理解し、周りはもう少し「鈍い」ということを知っていただけると、「仕方ないか」と折り合いのつくところが増えるように思います。