この本は、厚さの割にイラストも多くてとても読みやすかったですよ。
一般の方向けの内容でためになると思います。

今さら聞けない 睡眠の超基本 (今さら聞けない超基本シリーズ)
amzn.asia
1,540円


読みたいと思った動機
著者の講演が非常にわかりやすく面白かった。睡眠とは、まだまだわからないことが多く、謎の多い生体活動のよう。しかし、これから新しい睡眠薬がたくさん販売されることになっており、それらを扱う医師として、睡眠の基本を知らないと恥ずかしいのではないかと感じた。

得たい知識
今自分が持っている睡眠の知識が正しいのか?
新しい見解が何かあるのか?
診察で、不眠症で困っている方に何か役に立つ知識があるだろうか?

やはりというか、知ってましたが、睡眠、すごく大事ですね。各国と比較して日本人の睡眠不足は深刻で、平均プラス1時間は寝た方がいいとのこと。そうすると日本人のパフォーマンスはもっと上がるだろうということでした。

あと、朝型か夜型か、という話。人間は体質的に朝型と夜型があるのと、子供と大人は朝型になりやすく、思春期は夜型になりやすいのだとか。確かに私は若い頃は夜型でしたが、最近は朝型です。朝型夜型のチェックができるサイトの紹介もあり、それで調べたら今の私は超朝型でした!あんなに、早起き苦手だったのに不思議です。

夢を見ているレム睡眠も、睡眠にとってはとても大事で、よく「夢ばっかり見て寝た気がしない」という話もありますが、実際夢を見ている時間もとても大切な、体が本当に休まっている時間のようです。夢を見ている=眠りが浅い、とは言い切れない部分があるとのこと。

あと印象に残ったのは、パワーナップ(昼寝)の話。私も実は昼寝をすることが多いのですが、これは14時までに20分以内が理想とのこと。最近昼寝をしすぎたらかえって寝起きがしんどいので、ちょうど20分に短縮したところだったので、理にかなっていたと知ってちょっと嬉しくなりました。

睡眠や眠気という生理現象は、実際まだまだわかっていないことも多いようで、これからの科学の進歩にも期待したいところがたくさんあります。

実際の不眠症という点では、「眠れていない」と自覚されている人でも実際は眠れている、という事実が多く、加齢に伴い睡眠の質が変化していることを「眠れていない」と感じているケースも相当あるとのこと。最近は、自宅で睡眠脳波を測定できるデバイスがあるようで(それの紹介もありました)、気になる方は一度測定してみると、実際本当にあまり眠れていないのか、実際は眠れているのか、確認できるようです。実際に眠れているのならば、薬を使ったりする必要がなくなるので、このような測定の機会を積極的に利用してみるのは良いな、と感じました。