こちらの本は、とある講座で紹介されており、読みやすそうと思ったのと、問題解決療法単独で取り扱った図書は読んだことなかったな、と思い購入しました。ワークシートとか、現場でも使えそうだなと、あと表紙から読みやすそうな印象も持ちました。実践のコツを教えてくれるとのこと、ありがたいじゃないですか。

ワークシートで学ぶ問題解決療法: 認知行動療法を実践的に活用したい人へ 実践のコツを教えます
amzn.asia
1,980円

読みたいと思った動機
認知行動療法を実践的に使えるようになりたい。知識の深掘りをしたい。また、他のスタッフも認知行動療法を行なっており、使えるものならシェアしたい。

得たい知識
問題解決療法の復習をしたい。
実践のコツを知りたい。
診察場面でも応用して使えそうなことがあれば知りたい。

問題解決療法のイメージとして、心理療法というよりは、具体的に問題を解決しようとする「アドバイス」的な要素が強いもののような印象を持っていました。改めて復習してみて感じたのは、立派な「心理療法」だということです。

「問題」の定義の仕方から、すでに心理的介入があります。私たちはいろんなことに困って、嫌な気持ちやストレスを抱えて生きているのですが、それをきちんと明確にできていないことも、案外多いと思うんですよね。日々辛い、悲しい、イライラする…いろんな感情を抱えていても、「それはなぜ?」ということと、「じゃあ、どうなりたいの?」というところが、曖昧なことが多いと思います。

最初のステップで、まず問題は何か?を考えていきます。それに対して、どうしたいのか?どうあるべきなのか?を考えて、そして、現在の状態はどうなのか、を考えます。この部分を丁寧にすると、現在の状態を望む方向(状態目標)に向けていくために、何をしたらいいのか(行動目標)、が見えてくるようになります。

行動目標はできるだけアイディアを出して、吟味し、最終的にどれからやってみるかを決めます。そしてやってみて、フィードバックを行い、最初に戻ってまた問題を考え、目標を立て、行動を決めます。その繰り返しを行なっていく中で、徐々に大きな問題が、ゆっくりと解決に向かっていきます。

実践のコツとしては、こちらの問題意識や、常識を押し付けないことかなと思います。でも、患者さんが困り事や悩み事を整理できる視点を提供する手法として役に立ちそうに思います。結局、問題は何なのだろう?どうなりたいの?どうすべきだと思っているの?現状はどうなの?それらを問いかけるだけでも、患者さんの悩みが整理され、解決方法を考えやすくなるように感じました。