前回、サブパーソナリティとは何か、という話をしました。サブパーソナリティは、いわゆるインナーチャイルドとほぼ同義とみてよいと思います。子ども時代に形成され、必死に私たちを守ろうとしてくれています。


そんなサブパーソナリティと対話する方法はいくつかあります。サイコシンセシスで一番有名なのは「エンプティチェア」の技法だと思います。イメージの中で、椅子に座っている自分をイメージします。そして、向かいに椅子を用意し、そこに、自分のサブパーソナリティが座っていることをイメージします。そこで、二人で会話をします。そうして、そのパーソナリティに対する理解を深めるというやり方です。

このやり方は、少し心に負荷をかける方法で、トラウマの大きい方は気持ちのつらさが出てくる可能性があります。気持ちのつらさの強い人は、カウンセラーと一緒に取り組む方が良いかなと思います。

それより安全で取り組みやすい方法として、絵を描くというやり方があります。白い紙に大きな丸を書きます。そして、それを8等分する線を書きます。ピザとかケーキとかを切るような線ですね。そしたら、8個のおうぎ形が出来ます。そのそれぞれに、自分のサブパーソナリティをイメージする絵を描きます。それは、直感的なものでいいのです。綺麗に書こうとか思わなくて大丈夫です。ただ、自分のサブパーソナリティを象徴するような色、形、エネルギー、イメージをそこに書きます。8人もいないと思う人は6等分でもいいし、たくさん書きたい人はもっと分割してもいいと思います。そして、書いてみて自分が何を感じたかを感じ取って下さい。サブパーソナリティ同士で、仲の良い同士と仲の悪い同士があったりします。そういうところにも気づいてもらえるといいのかなと思います。

大切なのは、サブパーソナリティの存在に気づくことであって、サブパーソナリティを変えようとしたり消そうとしたりすることではありません。私の中に、こういう部分があるんだな、と気づいて、その部分が頑張ってくれていることに気づくことが出来るといいなと思います。でも、その上で、そのやり方のしんどさやアンバランスさに気づき、どうしてそうなっているかに思いをはせてみてもらえるといいと思います。前回書きましたが、サブパーソナリティのルーツは子ども時代のトラウマであることが多いです。子どもの頃は、そうやって必死に対処してきました。でも、大人になると、もっと違うやり方が出来るようになってきています。大人になって、いろんな知識、技能をもった今ならば、子どもの頃とは違う方法が選べます。ダメな自分にダメ出しをするのではなく、「そばにいるよ」「大丈夫だよ」と自分の子ども時代の苦労をねぎらい、「どうするのがいいのか一緒に考えよう」というスタンスで、サブパーソナリティ達と対話していくようにできるといいのかなと思います。

サイコシンセシスで学んだことはもう少し書いてみます。