医療法人社団 藤翠会 藤谷クリニック 三次市,畠敷町 内科(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、慢性腎臓病CKD)、呼吸器:慢性閉塞性肺疾患、低酸素血症、睡眠時無呼吸症候群に対する在宅酸素・呼吸療法、外科、肛門科、麻酔科(ペインクリニック)、ニコチン依存症(保険診療)、ヘリコバクター・ピロリ菌、除菌治療、胃腸科、循環器科、骨粗鬆症治療

ボトックス(ボツリヌス)療法

 ボトックスとは、A型ボツリヌス毒素を有効成分とする骨格筋弛緩薬です。
必要量を異常な緊張亢進する筋肉内に直接注射することで、局所的な筋緊張の緩和が得られます。
汗腺への情報伝達を阻害することで、発汗を抑える作用も示します。
 

適応疾患① 痙縮(けいしゅく)

 脳卒中後のマヒに伴う痙縮(けいしゅく)の原因骨格筋に必要量のボトックスを直接注射し、筋肉を緩める治療法で、脳卒中ガイドライン2015では推奨グレードAに位置づけられ、医療保険が適応されています。

●痙縮でみられる諸症状と、それに対する患者様の希望

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●当クリニックでの使用治療薬

A型ボツリヌス毒素 ボトックス

A型ボツリヌス毒素 ボトックス (50単位、100単位)
ボトックス/BOTOXは米アラガン社の登録商標で、
国内ではグラクソ・スミスクライン株式会社が許諾を受け、取り扱っています。

 

●治療費用(目安)
上肢(1回につき):上限約18万円の1~3割
下肢(1回につき):上限約23万円の1~3割

医療保険が適応されていますが、高薬価となります。
身体障害者1~3級があれば、1回あたりの治療費は200円(税別)となります。
(新規申請された場合、約1ヶ月間要します。)
その他、高額医療費減額制度等で対応出来る場合がありますので、ご相談下さい。
診察料、手技料、処方箋料、物療等、別途料金がかかりますので、ご了承下さい。

●治療効果
 筋肉が柔らかくなり動かしやすくなることで、

①日常生活動作ADLが行いやすくなる。
②リハビリが行いやすくなり、関節が固まってしまう拘縮(こうしゅく)を予防できる。
③手足のつっぱりによる痛みが和らぐ。
④介護の負担が軽くなる。

 等が、期待できます。
 お一人お一人治療目標を立てていただきますが、治療効果には個人差があり、期待しただけの効果が表れない場合もあります。
 リハビリとの組み合わせで治療効果が更に期待されますので、当クリニックでの物理療法に加え、近隣医療機関リハビリ科へ紹介させていただきます。

●副作用
 脱力感、注射部位の腫れ・発赤・疼痛等があげられます。

●治療効果継続期間
 3~4ヶ月程度です。完治するものではなくは再び患部が硬くなってきたら再治療(3ヶ月毎)が必要となります。

●在宅での治療も可能です。ご相談・ご希望の方は、お気軽に院長まで!!

2019年4月1日開始

●実際の治療の流れ

①初診(木曜であれば往診可)【電話・ホームページ上での予約可】       
痙縮の程度評価・治療適応の有無判定後適応あれば、治療日を決定します。


 

②再診(往診可)       
ボトックス治療実施。15分~20分程度 + (物理療法)
 



リハビリ
③リハビリ対応医療機関紹介(自宅リハビリ指導)【治療後2~3日以内】
 



④再診【物理療法目的で可能な限り受診。】
 




⑤再診(往診可)【注射1ヶ月後の治療効果判定】・・・効果あれば、次回の注射予定 を組みます。




再治療(往診可)【3ヵ月後】十分な効果を期待するには最低でも
3クールは治療継続が必要といわれています。
 

ボトックス注射後の自宅リハビリ(自主トレーニング)の実施時間・内容の充実度に応じ、治療効果継続期間は長くも短くもなります。

 

 

適応疾患② 重度原発性腋窩多汗症

・多汗症とは、体温調節の役割を担うエクリン汗腺の機能亢進により、全身あるいは局所性に必要量以上の発汗を生じる疾患です。明らかな原因のない原発性多汗症と、他の疾患や使用薬剤等の影響で発症する続発性多汗症に分けられます。
・汗腺の数や分布等は、健常人と変わらず、発症の責任部位の詳細は今なお不明です。
・社会的活動の盛んな若年~中年世代で頻度が高く、発症年齢は平均25歳、罹患者の平均年齢は40歳、性差は認められていません。
・わが国の有病率は12.8%とされ、手掌(手の平)と腋窩(腋の下)の多汗が多数を占めます。
・3~5割程度に、家族歴が認められます。
・腋窩多汗症は、局所多汗症の中で最も頻度が高く、米国や日本の疫学調査では多汗症全体のおよそ半数を占めるとされています。情動刺激と温熱のいずれにも影響される点が、特徴です。

 

●多汗症の影響

多汗症は、患者の日常生活に多大な支障を及ぼしうる疾患です。
精神的なダメージを被る患者も多く、QOL(生活の質)や労働生産性の障害度は、皮膚炎や乾癬と同等以上との報告もあります。
また、多汗症による過剰な湿潤は、二次性の感染症を来たす原因となります。

 

多汗症患者にみられる悩み

・汗の目立つ服が着られない。
・一日に何度もシャツを着替えなければならない。
・公共の場で、人目が気になる。
・対人関係において気後れする。
・学業や仕事に集中できない。

 

原発性局所多汗症の診断基準

原因不明の過剰な局所性発汗が6ヶ月以上持続していることに加え、以下の6項目中2項目以上を満たす。

a)両側性かつ左右対称性に多汗がみられる。

b)多汗によって日常生活に支障が生じている。

c)週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる。

d)25歳未満で発症した。

e)家族歴がある。

d)睡眠時は局所性の発汗がみられない。

 

腋窩多汗症に対するボトックス療法

腋の下の発汗部位皮下にボトックスを直接注射することにより発汗を抑える治療で、医療保険が適応されています。原発性腋窩多汗症患者さんの96.2%において発汗重量を50%以上減少させたとの報告があり、わが国で2012年11月に効能が承認されています。

当クリニックでは、2019年8月1日より治療を開始。

 
治療費用(目安)
片腋窩(1回につき):50単位38,805円×2(両腋窩) の1~3割 
医療保険が適応されていますが、高薬価となります。
身体障害者1~3級があれば、1回あたりの治療費は200円(税別)となります。
 (新規申請された場合、約1ヶ月間要します。)
その他、高額医療費減額制度等で対応出来る場合がありますので、ご相談下さい。
診察料、手技料、処方箋料、別途料金がかかりますので、ご了承下さい。
 
 
治療効果
注射後2~3日で、効果が現れ、1~2週間程度で、安定します。
治療効果には個人差があり、期待しただけの効果が表れない場合もあります。
 
副作用
脱力感、注射部位の腫れ・発赤・疼痛等があげられます。
 
治療効果継続期間
4~9ヶ月程度です。完治するものではなく、再び発汗量が増えてきたら再治療(5~6ヶ月毎)が必要となります。
 
実際の治療の流れ
①初診【電話・ホームページ上での予約可】       
治療適応の有無判定後適応あれば、治療日を決定します。

1日前から制汗剤やデオドラント剤の使用を控え、剃毛しておいて下さい。

 

②再診  
発汗部位の確認後、ボトックス治療実施。25分~30分程度

2~3日で効果が現れ、1~2週間で安定します。


 

③再診【注射2週間後の治療効果判定】・・・効果あれば、次回の注射予定を組みます。




再治療【5~6ヵ月後】十分な効果を期待するには最低でも3クールは治療継続が必要といわれています。