こんにちは。梅雨が明けて、外にはようやく夏らしい日差しが降り注いでいます。とは言え医師の仕事はデスクワークですので、家の中から夏空を眺めているばかり。たまには外に出たいものです。さて、先日の週末は二日間にわたり、ぜんそくの講演会に出席してきました。ぜんそくの薬を製造しているメーカーさんからの招待で、それなりの喘息患者さんがいる専門医限定の会でした。厳密に言えば僕は呼吸器内科医ではなく、しかも大人限定の薬の話題が中心だったので、出席者の中では異色の部類でした。
もちろん現在のぜんそく治療の中心はステロイド吸入薬であり、これなしでは治療が成立しませんので、これらの話題が中心となっていました。各社の薬剤、吸入器のつくりと特色など、イギリスから招待された喘息の権威や、日本を代表する喘息専門医の先生方による発表やディスカッションはとてもにためになり、勉強になりました。1日目の会場は数百人が入る大ホールで、大勢の参加者の一人、という気楽な立場で拝聴しておりました。ところが2日目の会場に着くと、一人づつのテーブルに置く名前の立札を渡され、変だな、と思いながら会場に入るとたった20人分の椅子!どんどん席が埋まると、大学の准教授、大病院の呼吸器科部長などに交じり、数人の開業医(みなさん僕より年配の先生です)。「なんか自分がミスマッチかな?」と思いつつ机を見ると、昔のクイズ番組に使うような丸い金属のプレートに数字が書いてあり、持ち手がついているものが1から5までの5枚。
この講習会も参加者限定の会で、講演の後に難治性の(治りにくい)症例が提示され、プレゼンテーションされた後、「さて、ご参加の先生方は、次にどの治療を行いますか?1から5までの中から選んでください。」と質問され、自分が選んだ治療法の番号札を上げる。次に司会の大学教授が口頭試問のように、「では、、、番を挙げた、、先生、その理由をお聞かせください。」と振ってきます。「なんだ妙なプレッシャーかかるな?」と思いながら答えを考えてゆきました。各参加者の答えが出そろい、回答に対する短い討議の後「正解」と解説が提示されました。あくまで、この治療を追加したらぜんそく喘息の経過がこのように改善して、現在こうしている、というものですから、他の治療法でも良くなった可能性が。ただ、最も妥当性のありそうな選択をするとこれでしょう、というもので、おかげさまで何とか全問「正解」し、また、その際には当院に通院している小児喘息やアスリートの患者さんの治療経験が役立ちました。ある回答について発言を求められ、それについて答えると(たまたま提示された症例に似た状況の患者さんがうちに数人来ていたので、考えやすかったのです)、「ほー、そういうことですか。」的なことで妙に感心されまして、(逆に恥ずかしいくらいでしたが)その場を何とか持たせられました。大学や基幹病院の呼吸器科医が主体の会なので、スペシャリストの参加者の方々でさえも、小児や運動選手の治療や診断のご経験は少ないようでした。何でもどうぞ、とりあえず診察します(でも得意分野に偏ってますが)という僕の開業医としての診療スタンスも、そういう点では、決して悪くないと思っています。
終了後は昔の友達と会って食事をし、(虎ノ門ヒルズにも初めて行きました。僕は北海道の田舎で育ったので、東京のような大きい建造物が立ち並ぶ所には未だに心身ともになじまないのですが、短時間なら大丈夫です)楽しい時間を過ごしました。子供にまだ時間がとられたり、平日に学会が多いため、仕事を休まないと参加できず(開業医に有給休暇はありません)、ついつい足が遠のいていますが、勉強し、アップデートしなければまともな医者ではありません。本でも、最近はWebでも勉強はできます。「継続こそ力、毎日勉強だ!(塾のキャッチコピーみたいですね)」これからも頑張りますので、よろしく。