こんにちは。今日は良い天気で、ここ関東でも梅雨明けかな?と思える暑い日でした。こども2名と(といっても大学生と高校生ですが)テニスを2時間ほどして、これはさぞダイエットに!と思ったらお昼はバイキング。運動した分はすっかりチャラになってしまいました(泣)。
今日は先日の続きをお話ししましょう。勢いで書いてしまったのですが、少々気が進まなくなっています。何故なら、一時収まっていた(寛解した、と言います)病気がまたぶり返し(再燃した、と言います)、2か月に一回注射していた免疫抑制剤に加え、ステロイドの錠剤を追加しなければならなくなったからです。僕の病気は要するに、昔風に言えば膠原病の一種、今は自己免疫疾患といいますが、その一種です。
病気の始まりは十年以上前でしょうか?今となっては始まりも定かではありませんが、めちゃくちゃ腹が痛くなって(胃腸に穴が開いた?と思ったことも数十回あるほどの痛みです)、出血し、2から4週間で血液の三分の一くらいが体から無くなったことも何度もある、という状況でした。「これはホントにこのままだと死ぬかな。でも仕事休めないし。」「まだ借金あるし、自営業だし、子供困るからなんとかしなくっちゃ。でもどうすれば?」などという毎日でした。一時的にステロイドを大量に飲むとおさまりますが、少しづつ減らしてゆくとぶり返してしまい、また初めからの量に戻って,ということを何年も繰り返していました。そのうちステロイドの副作用と(僕は1日20~40mgという大量のステロイドを数年間飲み続けていましたので)、ストレス(によるやけ食い?)で十数キロ太ってしまいました。開業医は基本一人(ボッチの仕事)ですし、変わって仕事をしてもらうわけにはゆきません。自分と患者さんとはかなりパーソナルな関係(大病院の外来に比べると)であることも多く、診療技術が仮に同等だからと言って、僕はこのクリニックの、僕の仕事をほかの医者にやらせることを良しとしません。それくらいこのクリニックにはこだわりがありますし、ここにはぼくの良くも悪くもすべてが反映されているからです。とはいえ、患者さんも多くなってきていることに加え、うちは子だくさんで、しかも次々受験やいろいろ手のかかる年齢に差し掛かり、一日働いて、そのあとも休み無しでした。今思い返しても、本当につらかったです。
「痛い。」というのが目に見えたり、数字に表わせたらどんなに便利でしょう、と思いますよね。そうすれば、患者さんももっと楽になれるでしょうに、と思います。自分がどの位痛いのか、日常生活にも差支えているのか、家族や周りの人に伝えても仕方ないので、我慢するしかありませんでしたね、でも、きっと余裕が無くて、嫌な感じだったかもしれませんね、自分では気を付けているつもりでも。「先生、少し仕事休んで入院したほうが。」と当時の担当の先生に言われたこともありますが、「すいません、自営業で、代わりがいないから休めないんです、すいません。」といつも返答してました。
こんなしょうもないことを繰り返しているうちに収拾がつかなくなり、ついに免疫抑制剤の一つを試すことになりました。ですが、それが何故か胃に全然合わなくて、それでも我慢していたら2か月たたないうちに肝臓がへばってしまい、これ以上続けると危ないほどの肝機能障害になってしまい中止。すると間もなくレミケードというリウマチなどで使われていた薬が僕の病気に使えるようになり、本当にワラをもつかむような気持ちで投薬してもらいました。当時はとんでもなく高額でしたので、そこで初めて難病患者の申請をし、定期的に注射するようになったのです。それが僕には劇的に効いてきて、一切の症状がほぼ消えました。「こんな楽なのは10年ぶりくらいかな?」日常にも余裕ができてきて、「この腹で死ねるか!目指せ72kg!」などどパソコンのモニターに張ったりはじめしました。同時にダイエットと筋トレをするようになり、86kgから69kgまで落としました。そして今に至っています。また少々体重が増えてしまいましたが、筋トレのおかげで、その増えた体重の少なくとも半分は筋肉です。
この病気は僕の場合には完治はしないようですが、小康状態にはなっています。今は普通の人同様に、何でも食べられますし、運動も出来ます。体に不自由なところは何もありませんので、本当にラッキーです。そう思って暮らしています。ただし、免疫抑制剤にステロイドですから、当然さまざまな感染症にはかかりやすくなっています。添付文章(注意書きです)には、致命的な感染症にかかることがあるなどと書いていますし、免疫低下状態でこの仕事?という気もしますが、ほかに仕事ができないので、僕はこうして死ぬまで開業医をやっていると思います。
世の中にはたくさんの治りにくい、あるいは治らない病気がたくさんあります。「何が原因で?」「直らないんですか。」多くの人がそう思うでしょう、そうした病気になったら。ですが、考えても仕方がないことが、この世の中にはたくさんあると思ってあきらめるしかない、その様なことも、生きている間には結構数多くあるものだと僕は思います。その中でどうやって生きてゆくかで、大げさに言えば人としての鼎の軽重が問われてくるのだと思います。でも、痛くて苦しいのは誰しも嫌ですよね、そんな時のために医者がいるのだと思います。これを読んでくれている方や、そうでない方も、何でも言ってくだされば、僕は少しでもお役にたてるように努力しますし、また、そうでなければ医者じゃない、と思っています。
今日はちょっと力が入りすぎ?でしたか?長くなったので、このくらいにしておきます、ではさようなら。