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投稿者: furujinmachi

コロナ感染が流行してから、学会がオンデマンド開催されるものが増え、地方の開業医からすると、何日も休診にせず、好きな時間に教育講演やシンポジウムが視聴できるようになったことは本当にありがたく思っています。昨年の日本精神神経学会総会では、トラウマ関連の講演・シンポジウムが随分と増えたように感じました。やはりこれからの時代は、トラウマの時代になっていくんでしょうか。そこで紹介されていた図書を読みました。

エビデンスでわかる トラウマ・PTSD診療
amzn.asia
3,300円

読みたいと思った動機
著者の講演で紹介されていた。講演はとても整理されていて面白かった。トラウマ診療はこれからすごく重要視される分野なので、きちんと基礎を把握し、二次トラウマを与えないケアを提供したい。

得たい知識
トラウマの標準的対応はどのようなものか、一般診療でもできることがあるか、どのような心理教育が有効か。

あまり分厚くなくスーッと読み切れる本でした。一番励みになったのは、トラウマに対する専門治療を行えなくても、治療をしないよりは助けになることがたくさんあるということがエビデンスで示されていたことです。

ただ、予想通りと言いますか、トラウマに対する専門的治療は、研修を受けることが推奨されているものばかりでした。どこかで時間を作って研修に参加できるといいなと思います。

それでも、一般診療でもできることのヒントがたくさんありました。特に、著者の所属する大学のサイトに、診療で使える心理教育の資材などを無料でダウンロードできるよう提供してくださっているとのこと。実際にサイトを見てみますと、この本で紹介されている以外にもいろんな資材があり、患者さんに使用しても構わないとのこと(研究で使う場合は許可が必要とのこと)でした。

あと印象的だったのはアディクションの問題。アルコール依存や薬物依存の問題が、トラウマ関連診療では併存してよくみられるとのこと。アディクションは専門外でしたが、トラウマを中心に、いろんな精神医学的問題が繋がっていることが理解できました。

なぜトラウマ治療は敬遠されがちなのか、その理由を挙げられておられました。トラウマ診療は、専門家でなければ難しそうなイメージが強いんですよね。でもそれは、ある程度の基本的なことを知れば、我々精神科医がこれまでやってきた治療の延長上で十分対応できることがたくさんあるように感じました。
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投稿者: furujinmachi

前回の記事はこちら。当院のリワークデイケアについても紹介して、リワークデイケアという存在の認知度を上げていきたいと思います。


リワークデイケアが果たす役割は、結局のところ次の3つになるのかなと思います。
・「働ける力」の再構築
・リハビリをする意味
・本人、家族、会社の橋渡し

「働ける力」の再構築
目的:メンタルヘルス不調からの回復と職場復帰には、単なる「症状の軽快」だけでなく、「仕事を継続できる力=ワークエンゲージメントを持てる状態」の回復が必要です。リワークデイケアでの支援内容
・生活リズムの安定: 毎日決まった時間に通所し、起床・通所・活動・帰宅のサイクルを整える。
・認知機能のリハビリ: 注意力・記憶力・遂行機能など、仕事に必要な基礎的認知機能を評価・トレーニング。
・対人スキルの再習得: グループワークやディスカッションを通じ、協調性や適切な自己主張力のトレーニング。
・ストレス対処スキルの獲得: CBT、マインドフルネスなどの技法を取り入れ、ストレス耐性を高める。
・職場を想定した活動:課題推敲やプレゼン練習など、仕事に近い場面での活動を実施。

リハビリをする意味
なぜ「回復=即復職」ではないのでしょうか?
・回復期には「元気になったと感じるが、仕事をこなす体力・集中力はまだ不足している」ことが多い。
・「医学的な寛解」と「社会的な機能回復」にはギャップがある。

リワークの意義
・段階的に慣らすプロセス: フルタイム復帰ではなく、週数回・半日から始めて、徐々に活動量と質を上げていく。
・自己理解の深化: なぜ不調に陥ったのか、どうすれば再発を防げるか、を考える機会。
・成功体験の積み重ね: 小さな達成感を積み上げ、自信を取り戻すことがモチベーション維持につながる。
・再発予防:再燃リスクの高い時期に支援体制があること自体が、安心材料になる。

本人・家族・会社の橋渡し
三者の関係の複雑さ:本人、家族、会社にはそれぞれの思いがあります。
・本人の「不安」や「焦り」
・家族の「心配」と「限界」
・会社の「期待」と「配慮義務」

リワークデイケアの中立的役割:そんな中で、三者の橋渡し的な役割も期待されます。
・本人の代弁者: 専門職が本人の状態を客観的に評価し、第三者的視点で職場と調整。
・家族へのサポート: 家族との面談を通じて、理解や支援の方法を共有。
・会社との連携:復職に向けた「情報提供書」や復職面談同席などで、業務調整や配慮の必要性を伝える。

例:復職前ミーティング
・本人・会社・主治医(または支援者)による三者面談で、復職条件やリスク要因を擦り合わせる。
・例)「週3回、午前中のみ」「段階的に業務を戻す」など。

まとめ
・リワークデイケアは、単なる「通所訓練」ではなく、「働き続けられるための力を再構築し、関係者との橋渡しを行う復職支援」として機能しています。
・医療・家族・職場が連携し、本人が「再発しない形で働き続ける」ことを目指します。

さて、次回に講演自体の締めくくりを作成して、準備が完成しそうです。
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投稿者: furujinmachi

心理検査の説明文を作って、発達障害の検査希望の人に早速使ってみました。

でも、なんか違和感があるんですよね。自分で好きにしゃべった方が、伝えたかったことが伝わる気がする。でも、患者さんからしたら、後から見返せていいかもとも思うんですよ。言われただけだと、覚えきれないことも忘れることもあると思います。初診でクリニックに来て、緊張した中で診察を受けて、いったい医者に言われたことのどれだけを覚えて帰れるか?ということを自分に置き換えると、半分覚えてくれていたらいい方かなと思うんですよね。

なので、記載した用紙を渡すことは無駄ではないと思いたい。どのみちきちんと書面で渡すことは必要なことだと思いますので、説明の仕方を自分なりに工夫していこうと思います。

資料を作って良かったな、と思ったのは、院内で心理検査について共有できたことです。受付スタッフは、検査の予約を取る兼ね合いでかなり心理検査のことは詳しく知っています。それから検査を担当する心理師ももちろん分かっています。けれども、他のスタッフは、心理検査のこと自体、そこまで細かく把握できていないところもあるんですね。概要は知っているけれども、詳細はちょっと分からない、みたいな。どこの会社でも、他部署の業務は詳しくは分からない、ということはよくあると思います。

しかしながら、当院では、初診の患者さんの予診を取るのは看護師の業務で、看護師も、けっこう心理検査について聞かれたりするらしいんですね。発達障害の検査を受けたいけど、どんな感じなんでしょう?みたいな相談を、予診中に受けたりしてたみたいなんですよ。そこで、知っていることは答えるけど、少し自信のない部分もあったようです。今回作成した資料を看護師さんにも見せたところ、「これで患者さんに尋ねられても答えられる」と喜んでもらえました。実は不安だったのね、と思うともっと早く作れば良かったと思いました。

とにかく自分が作成したものが役に立ちそうで良かったです。

さて、資料を作りたいと思っていることがもう一つ。お薬をはじめてお出しするときの注意点について。これも、けっこう同じ内容を話すようになるので、資料にしてしまって、持って帰って後で読んでもらえるようにしたらいいのかなと思ってます。こちらは同じ内容を何度もいろんな人に話してるんですが、患者さんから聞くと初めての話ですよね。そして伝え忘れがあってもいけないし。薬はいろんな薬がありますが、開始時の注意点はけっこう共通している部分もあるんですよね。

お薬を出すときに、普段説明しているのは以下のような点です。
・精神科のお薬は、少量から開始します。これは副作用の発現を抑えるためです。
・副作用で多いのは、眠気と吐き気です。薬によっては、逆に夜が眠りにくくなったり、頭痛が起きるものもあります。飲み始めの数日間が一番出現しやすく、飲み慣れると取れてくることも多いです。
・効果は、ゆっくりと出てきます。今日飲んで、明日すぐ効果が出るわけではありません。また、少量から開始しているので、効果が十分でなければ、徐々に増やしていくようになります。
・もし、副作用がきつく感じた場合は、一旦中止して下さい。そして、診察の時に、そのことを報告して下さい。診察の予約を早めたい場合は、診療所に連絡をお願いします。

これで資料を作ってみようと思います。
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投稿者: furujinmachi

以前にも共感について書いたことがありましたが、このテーマは本当に難しいです。

先日聞いた研修で、講師の先生がこんなことをおっしゃってました。
「そもそもコミュニケーションとは困難なものです。」
「ストレスのほとんどは対人関係にあります。」
「安易に共感されると嫌だと感じる方が多いです。」
「共感しようとする過程が重要なのだと思います。」
本当に、心に染み入るキーワードばかり。

「そもそもコミュニケーションとは困難なものです。」
この大前提って、結構重要だなと感じました。コミュニケーションとは難しいものなのです。簡単にできることではないんです。だからこそ、練習が必要だったりするんです。できて当たり前のことではなくて、スキルとして学ぶ必要があることなんです。
その意識があるかどうかですよね。うまくコミュニケーションが取れるようになるんだったら、その方法を知り、学び、実践していく必要があるんですね。



「ストレスのほとんどは対人関係にあります。」
これも、その通りだと思います。いろんな人から、ストレスでしんどいという話を聞いた時に、何がストレスか、ということを考えていくと、対人関係にいきつくことがほとんどなんですよね。たとえば過労状態でしんどくなっている人でも、そもそも過労になってしまう原因に、部下に頼めないとか、上司に言われたことを全部頑張ってしまうとか、他人との関係性の問題が浮き上がってくるんですよね。対人関係のストレスを解消していくためにも、上述のコミュニケーションのスキルが重要になってきます。



「安易に共感されると嫌だと感じる方が多いです。」
自分でも、自分の気持ちが分かりかねる時があるのに、ちょっと話しただけで「分かる」とか言われると嫌悪感を抱いてしまう、みたいな話はよく聞きます。楽しい話や、そこまで深刻でない話であれば、ちょっと話して、「あ、分かる!」みたいに盛り上がるのはとてもいいことだと思うんですよ。でも、辛い気持ちや悲しい気持ち、なんとも言えない気持ちなんかは、うまく話せないことも多いし、それでも共感したいと思ってもらえるなら、丁寧に聞いてほしい。そういうことだと思います。



「共感しようとする過程が重要なのだと思います。」
安易に共感するのではなくて、ああでもない、こうでもないって話しながら、自分にぴったりの気持ちの表現を、一緒に探していく。本当に十分には共感できないかもしれない。それでも、そうやってじっくりコミュニケーションをとっていく過程そのものが、とても重要だ、ということですね。相手の話をまず、とにかくひたすら聞くこと。その中で、相手の気持ちを理解するための質問だけをしていくこと。そうやって、相手の気持ちの理解にだんだんと近づいていくこと。それが共感するという過程なのだと思います。
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投稿者: furujinmachi

さて、コツコツと作っている講演会の資料です。


リワークデイケアとは何か

そもそもの、リワークデイケアの定義についてです。
リワークデイケアとは、メンタルヘルス不調によって休職している方が、職場復帰に向けて「仕事をする力」を取り戻すための専門的なリハビリテーションプログラムです。精神科の外来治療の一環として、多くの場合は週に数回、日中の時間帯に通所する形式で行われます。

リワークデイケアの目的は、単なる「症状改善」ではありません。休職中の方が「よくなったからすぐ職場復帰」できるとは限りません。うつ病や不安障害などでは、症状が落ち着いた後も、集中力・持久力・対人関係のスキルなどが低下していることがよくみられます。そのため、以下のような「働き続ける力の回復と定着」が、リワークデイケアの目的になります。

・安定した生活リズムの再構築
・認知機能やストレス耐性の向上
・対人関係や社会的スキルのトレーニング
・自己理解と再発予防の強化
・会社との復職調整と職場定着支援

そして、意図としては、安全で持続可能な復職を実現することになります。「とにかく早く職場に戻す」ことを目指すのではなく、復職後に再発しない形で安定して働き続けることをサポートするのが本来の意図です。

リワークデイケアの実施時期について、つまり、どの段階で参加するのか?という点について。「症状の急性期を脱し、体調が安定してきた回復期」に実施するのが理想です。具体的には次のような時期です。

・主治医が「そろそろ社会的活動のリハビリが必要」と判断したタイミング
・本人が「そろそろ働きたい」と感じ始めた時期
・日常生活はある程度こなせるが、まだすぐに職場復帰する自信がない段階

当院でのリワークデイケアの実際
興味のある方、ぜひこちらの記事を読んでいただけたら。


とりあえず講演で話す内容としては、
・ うつ病、躁うつ病、不安障害のために休職している人が対象
・リハビリテーションプログラムによる集団による治療
・週3日(月、水、金)初級入門プログラム(11時15分~12時15分)と上級応用プログラム(9時~10時45分)
・ 期間は3カ月(初級1ヶ月、上級2ヶ月)
・病状が比較的安定してきた段階から働ける段階へ復職準備を高めるもの(復職準備性)

初級プログラム
・ 活動記録表
・認知行動療法(睡眠)
・心理教育
・日記ノート

上級プログラム
・ 活動記録表
・マインドフルネス
・アサーショントレーニング
・認知行動療法(認知再構成法、問題解決技法)
・心理教育(再発予防のリハビリテーション、復職に向けての心得)
・ライフキャリアバランスについての見つめ直し
・復職に向けた過程の整理
・日記ノート

これまでの実績です。
・令和2年7月より開始
・令和6年末で20回目のグループが終了、99名が参加
・1回のグループの参加人数:3人〜14人、平均6.1人
・1人の参加回数:最大4回、平均1.45回

参加者の感想です。
・最初は緊張してしんどかった。体力が落ちていることを実感した。
・他の人の発言を聞いて、悩んでいるのは自分だけではないとわかりホッとした。
・マインドフルネスを知ってリラックス出来るようになってきた。
・自分が悪いと自分のことばかり責めていたが、職場の方にも問題があったのではと気づいた。
・メンバーとコミュニケーションを取ることで、復職に向けての自信が少しついてきた。
・自分の病気や薬について知ることが出来た。

リワークデイケアの認知度を、講演会で上げていきたいと思います。
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投稿者: furujinmachi

本棚に並べてあった順番なので読み出したんですが、これがすごく面白かったです。この本をいつ買ったのか、なぜ買ったのかがあまり思い出せないんですが、こんないい本を持ってたなんて、と驚きました。スタッフにも頑張って読んでみてほしいと思っています。

システマティック臨床精神医学 4つの多元的観点による治療体系化
amzn.asia
2,970円


読みたいと思った動機
おそらく、先日読んだ「精神科診断に代わるアプローチPTMF」に紹介されていたのか、それか、何かの雑誌で紹介されていたのか、興味をひいて購入したものと思われる。
あ、ちょっと思い出したような。確か、スタッフに精神医学について説明できたらと思い、精神医学の復習をしたいと思ったのと、何か新しい見解が得られそうだなと思って興味を持って購入したような記憶がある。

得たい知識
精神医学は今どんな状況になっているのか?
副題にある「4つの多元的観点」とは何か?
何か今の診療に活かせそうな内容はあるか?

いつものように速読でささーっと読もうと思ったのですが、症例ベースの本で、面白くてついしっかり読んでしまいました。

4つの多元的観点とは、「疾患」「特質」「行動」「生活史」です。

「疾患」:患者が has=「持っている」
臨床症候群→病理学的過程→病因
目標:サポートし薬剤で治療する
一番私たち臨床家に馴染みのある観点ですね。今の患者の症状を把握し、そこから病気、病因を考える観点です。

「特質」:患者が is=「である」
潜在因子→誘発因子→反応
目標:導く
患者さんのパーソナリティだったり、知能や発達特性などに当たります。その人が元々持っている特質に、何か誘発因子が加わって、今回の反応を起こしているという観点です。

「行動」:患者が does=「する」
生理学的衝動、条件づけ学習、選択の3つの要素が互いに影響する
目標:介入する
その人が起こした行動は、その人の衝動と、これまでの経験(学習)から選択されている、という観点です。その人のこれまでの生い立ちや経験から、そのような行動を起こした、という部分を理解する指標です。

「生活史」:患者が encounters=「遭遇する」
場→順序→転帰
目標:修正する
患者さんが何に遭遇し、それにどのような影響を受けたのかを知る観点です。ライフイベントによって精神症状が引き起こされたことを理解することに役立ちます。

4つの観点からのアプローチから、治療者は治療目標を考え、どのような治療を施行するかを決めます。確実に効果のある治療を行うためのアプローチとも言えます。

8人の症例を、この4つの観点からのアプローチで解説されており、また、医師がどのような声掛けで情報を収集しているか、そのやりとりも載せてくれているため、具体的な診察場面がイメージできるような内容です。とても勉強になりました。患者さんを見る視点、判断する観点を磨いていきたいです。
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投稿者: furujinmachi

前回、サブパーソナリティとは何か、という話をしました。サブパーソナリティは、いわゆるインナーチャイルドとほぼ同義とみてよいと思います。子ども時代に形成され、必死に私たちを守ろうとしてくれています。


そんなサブパーソナリティと対話する方法はいくつかあります。サイコシンセシスで一番有名なのは「エンプティチェア」の技法だと思います。イメージの中で、椅子に座っている自分をイメージします。そして、向かいに椅子を用意し、そこに、自分のサブパーソナリティが座っていることをイメージします。そこで、二人で会話をします。そうして、そのパーソナリティに対する理解を深めるというやり方です。

このやり方は、少し心に負荷をかける方法で、トラウマの大きい方は気持ちのつらさが出てくる可能性があります。気持ちのつらさの強い人は、カウンセラーと一緒に取り組む方が良いかなと思います。

それより安全で取り組みやすい方法として、絵を描くというやり方があります。白い紙に大きな丸を書きます。そして、それを8等分する線を書きます。ピザとかケーキとかを切るような線ですね。そしたら、8個のおうぎ形が出来ます。そのそれぞれに、自分のサブパーソナリティをイメージする絵を描きます。それは、直感的なものでいいのです。綺麗に書こうとか思わなくて大丈夫です。ただ、自分のサブパーソナリティを象徴するような色、形、エネルギー、イメージをそこに書きます。8人もいないと思う人は6等分でもいいし、たくさん書きたい人はもっと分割してもいいと思います。そして、書いてみて自分が何を感じたかを感じ取って下さい。サブパーソナリティ同士で、仲の良い同士と仲の悪い同士があったりします。そういうところにも気づいてもらえるといいのかなと思います。

大切なのは、サブパーソナリティの存在に気づくことであって、サブパーソナリティを変えようとしたり消そうとしたりすることではありません。私の中に、こういう部分があるんだな、と気づいて、その部分が頑張ってくれていることに気づくことが出来るといいなと思います。でも、その上で、そのやり方のしんどさやアンバランスさに気づき、どうしてそうなっているかに思いをはせてみてもらえるといいと思います。前回書きましたが、サブパーソナリティのルーツは子ども時代のトラウマであることが多いです。子どもの頃は、そうやって必死に対処してきました。でも、大人になると、もっと違うやり方が出来るようになってきています。大人になって、いろんな知識、技能をもった今ならば、子どもの頃とは違う方法が選べます。ダメな自分にダメ出しをするのではなく、「そばにいるよ」「大丈夫だよ」と自分の子ども時代の苦労をねぎらい、「どうするのがいいのか一緒に考えよう」というスタンスで、サブパーソナリティ達と対話していくようにできるといいのかなと思います。

サイコシンセシスで学んだことはもう少し書いてみます。
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投稿者: furujinmachi

この本は、厚さの割にイラストも多くてとても読みやすかったですよ。
一般の方向けの内容でためになると思います。

今さら聞けない 睡眠の超基本 (今さら聞けない超基本シリーズ)
amzn.asia
1,540円


読みたいと思った動機
著者の講演が非常にわかりやすく面白かった。睡眠とは、まだまだわからないことが多く、謎の多い生体活動のよう。しかし、これから新しい睡眠薬がたくさん販売されることになっており、それらを扱う医師として、睡眠の基本を知らないと恥ずかしいのではないかと感じた。

得たい知識
今自分が持っている睡眠の知識が正しいのか?
新しい見解が何かあるのか?
診察で、不眠症で困っている方に何か役に立つ知識があるだろうか?

やはりというか、知ってましたが、睡眠、すごく大事ですね。各国と比較して日本人の睡眠不足は深刻で、平均プラス1時間は寝た方がいいとのこと。そうすると日本人のパフォーマンスはもっと上がるだろうということでした。

あと、朝型か夜型か、という話。人間は体質的に朝型と夜型があるのと、子供と大人は朝型になりやすく、思春期は夜型になりやすいのだとか。確かに私は若い頃は夜型でしたが、最近は朝型です。朝型夜型のチェックができるサイトの紹介もあり、それで調べたら今の私は超朝型でした!あんなに、早起き苦手だったのに不思議です。

夢を見ているレム睡眠も、睡眠にとってはとても大事で、よく「夢ばっかり見て寝た気がしない」という話もありますが、実際夢を見ている時間もとても大切な、体が本当に休まっている時間のようです。夢を見ている=眠りが浅い、とは言い切れない部分があるとのこと。

あと印象に残ったのは、パワーナップ(昼寝)の話。私も実は昼寝をすることが多いのですが、これは14時までに20分以内が理想とのこと。最近昼寝をしすぎたらかえって寝起きがしんどいので、ちょうど20分に短縮したところだったので、理にかなっていたと知ってちょっと嬉しくなりました。

睡眠や眠気という生理現象は、実際まだまだわかっていないことも多いようで、これからの科学の進歩にも期待したいところがたくさんあります。

実際の不眠症という点では、「眠れていない」と自覚されている人でも実際は眠れている、という事実が多く、加齢に伴い睡眠の質が変化していることを「眠れていない」と感じているケースも相当あるとのこと。最近は、自宅で睡眠脳波を測定できるデバイスがあるようで(それの紹介もありました)、気になる方は一度測定してみると、実際本当にあまり眠れていないのか、実際は眠れているのか、確認できるようです。実際に眠れているのならば、薬を使ったりする必要がなくなるので、このような測定の機会を積極的に利用してみるのは良いな、と感じました。
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投稿者: furujinmachi
過去問を解いてみたら、結局、さっぱりわからないというか、知らないことがたくさんありすぎて。受験科目は「労働衛生関係法令」一つに絞ってみようと思います。

Kindle Unlimitedで、対策本を2冊書い、ざっと目を通しました。結構細かく覚えなければならない感じです。
しかし、私、暗記は決して得意ではないですが、試験対策は得意なんです。 これまでいくつもの難関受験、難関資格を突破してきた意地をここで見せたい。
ありがたいのは結構過去問がしっかりしており、傾向がわかりやすいこと。公認心理師の受験に比べると雲泥の差です。

最近はネットやChatGPTを使って色々調べるのも楽になりました。対策本2冊を軸に、わからないことは調べながら、自分なりのまとめを作成していき、暗記に繋げていこうと思います。

個人的には、対策本のうち、こちらの本がわかりやすかったです。

これ1冊で完成!労働衛生コンサルタント試験 筆記試験対策 参考書&問題集 2025年新傾向対応
amzn.asia
1,250円

この本のタイトル分類に基づき、もう1冊の方のデータも入れつつまとめ作りやってみます。

タイトルは全部で13分類あり、さらに下位項目があります。

1 安全衛生管理体制:6項目
2 健康診断:4項目
3 機械に関する規制:4項目
4 安全衛生教育:3項目
5 じん肺、粉じん障害予防:4項目
6 化学物質:9項目
7 有機溶剤:7項目
8 鉛:5項目
9 電離放射線:5項目
10 石綿:7項目
11 酸素欠乏症:4項目
12 高圧作業:4項目
13 事務所則:9項目

全部で71項目ですね。

まず1項目あたり何日くらいでまとめが作れるかやってみて、学習の計画を立ててみようと思いました。まとめを作る段階で、ある程度頭には入りますが、繰り返し読んだり過去問を解いたりして記憶を定着させる時間も必要です。どんなに遅くとも、8月中にはまとめを作り終え、9月には過去問をひたすら解いて記憶を定着させる時期に入る必要があると感じています。できれば7月中にまとめを作り、8月から過去問を解きに入りたい。

1時間ほど時間があるときにまとめ作りをしたら、3項目ほどは出来ました。
でも、平日の仕事上がりは疲れている日もあります。
無理のないペース、と考えると、1週間で10項目、7週間でまとめ作りがとりあえずの目標値かなと考えました。
noteで他の方の勉強方法や体験談も見させていただきました。お勧めyoutubeや対策講座の受講なども念頭に入れつつ、まずは労働衛生関係法令の筆記試験に向けてコツコツ勉強してみます。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi

こちらの本は、とある講座で紹介されており、読みやすそうと思ったのと、問題解決療法単独で取り扱った図書は読んだことなかったな、と思い購入しました。ワークシートとか、現場でも使えそうだなと、あと表紙から読みやすそうな印象も持ちました。実践のコツを教えてくれるとのこと、ありがたいじゃないですか。

ワークシートで学ぶ問題解決療法: 認知行動療法を実践的に活用したい人へ 実践のコツを教えます
amzn.asia
1,980円

読みたいと思った動機
認知行動療法を実践的に使えるようになりたい。知識の深掘りをしたい。また、他のスタッフも認知行動療法を行なっており、使えるものならシェアしたい。

得たい知識
問題解決療法の復習をしたい。
実践のコツを知りたい。
診察場面でも応用して使えそうなことがあれば知りたい。

問題解決療法のイメージとして、心理療法というよりは、具体的に問題を解決しようとする「アドバイス」的な要素が強いもののような印象を持っていました。改めて復習してみて感じたのは、立派な「心理療法」だということです。

「問題」の定義の仕方から、すでに心理的介入があります。私たちはいろんなことに困って、嫌な気持ちやストレスを抱えて生きているのですが、それをきちんと明確にできていないことも、案外多いと思うんですよね。日々辛い、悲しい、イライラする…いろんな感情を抱えていても、「それはなぜ?」ということと、「じゃあ、どうなりたいの?」というところが、曖昧なことが多いと思います。

最初のステップで、まず問題は何か?を考えていきます。それに対して、どうしたいのか?どうあるべきなのか?を考えて、そして、現在の状態はどうなのか、を考えます。この部分を丁寧にすると、現在の状態を望む方向(状態目標)に向けていくために、何をしたらいいのか(行動目標)、が見えてくるようになります。

行動目標はできるだけアイディアを出して、吟味し、最終的にどれからやってみるかを決めます。そしてやってみて、フィードバックを行い、最初に戻ってまた問題を考え、目標を立て、行動を決めます。その繰り返しを行なっていく中で、徐々に大きな問題が、ゆっくりと解決に向かっていきます。

実践のコツとしては、こちらの問題意識や、常識を押し付けないことかなと思います。でも、患者さんが困り事や悩み事を整理できる視点を提供する手法として役に立ちそうに思います。結局、問題は何なのだろう?どうなりたいの?どうすべきだと思っているの?現状はどうなの?それらを問いかけるだけでも、患者さんの悩みが整理され、解決方法を考えやすくなるように感じました。