これもKindle本です。著者の講演を拝聴し、購入しました。紙媒体の本を読み終わったと思ったら、Kindleの中にもたくさん本が残っていました。頑張って読み進めていこうと思います。

心のお医者さんに聞いてみよう 大人の愛着障害 「安心感」と「自己肯定感」を育む方法 (大和出版)
amzn.asia
1,260円

読みたいと思った動機
愛着障害の相談も、トラウマの時代に入って確実に増えています。きちんとした知識として身につけたいと思ったため。

得たい知識
愛着障害の定義、患者さんにどう説明するのがいいのか。それと日々の臨床で役に立つ対処などが知りたい。

イラスト入りの本で読みやすかったです。
愛着障害とどう向き合えばいいかも書かれていて、色々ヒントになることが多かったです。

甘えきらずに大人になった自分を自立させ大人にする
ちゃんと人を頼り、人に甘えられるようになることが「自立」です。自分で頑張るところと、人を頼るところをちゃんと分けられるようになり、頼るべきところは頼るようになるのが「大人」になるということですね。

自分の人生を俯瞰し、「よくがんばったね」とねぎらう
とにかく自分に優しく、自分を大事に。これが他人だったら、どれだけ大変でどれだけ頑張ったか。自分だからダメ出ししてしまうクセを減らして行くことが大事です。

他人に寛容で優しくするのと同じだけ自分にも優しくしてみる
これは私も以前記事に書きました。


親との関係がわるくないなら親と小さい頃のはなしをしてみる
親の気持ちを知ることで、違った視点が持てることもあります。

周囲の人たちにまんべんなくプチ甘えをする
甘えるというのもスキルです。練習しないと上達しません。

生活のなかで助けられたことを思い出して、記憶を上書きする
プチ甘えをしているうちに、昔は甘えていたこと、頼っていたことを思い出すこともあると思います。そうやって、「甘えられない」のではなく「甘えていい」「甘えられる」という自分に上書きしていきます。

心が緩んだら、下面の裏の不完全な自分を受け入れる
少しずつ、周囲に甘えて生きていいという安心感が育まれると、必死になって生きてきた自分を受け入れ、不完全で弱い自分を受け入れて大事にしていく準備ができていきます。人間は完璧でなくていいという当たり前のことを認識することも、愛着障害の人にとっては難しいことなんだなと感じます。

自分を総動員してかわいがり、自分自身を救い出す
これはもはやインナーチャイルドセラピーの話に近いですね。サイコシンセシスの時に紹介したエンプティチェアの技法が紹介されていました。


愛着が生まれてくると、忘れていたいいことを思い出せるようになる
人生、大変だったことが多いけれども、いいこともあったはずなんですね。でも大変すぎてそれを忘れてしまっている。愛着が育まれることで、自分の人生の中にあった大事な思い出を思い出せるようになり、人生の中でバランスが取れるようになると良いと感じます。

こうやってまとめると、愛着障害の方は、いかに自分をかわいがるか、大事にするか、ということがテーマになるようです。そのことを診察でも伝え続けていきたいと思います。