これで「過重労働と精神障害について」のスライドは完成になりそうです。

精神疾患からの社会復帰が難しい理由
一見回復しても「再発しやすい病態」
・うつ病・適応障害は、症状が軽減しても脆弱性が残りやすい
・休職前と同じ負荷に戻ると、再発率が非常に高い(うつ病の再発率:50%以上)

職場ストレスが回避されないまま復職するケースが多い
・原因となった職場環境が変わっていない(上司・業務量・評価の仕方)
・本人の「性格傾向」や「仕事への向き合い方」も変わっていないことが多い

周囲の理解不足・期待とのギャップ
・上司:「もう治ったならフルパワーで働けるよね」
・本人:「期待に応えなければ」と無理をする
・その結果、再発や再休職につながる

過重労働が背景にある場合の特徴と注意点
特有の心理的影響
強い自己否定:長時間労働をしても成果が出ない自分に対する失望感
学習性無力感:「どうせまた同じように働かされる」「何も変わらない」という諦め
怒りや不信感:職場に対して「裏切られた」「助けてもらえなかった」という感情が残っている
→ これらを無視した復職は、表面上の復帰だけで中身が伴わないことになりやすい

社会復帰を支えるための3つのステップ
ステップ1:主治医・産業医による医学的判断と支援
・「治ったか」ではなく、「再発リスクを管理できる状態か」を評価
・ストレス耐性の確認:一定の生活リズム、対人ストレスの処理、疲労回復力の有無

ステップ2:リワークなどの社会的リハビリ
・病院やクリニックのリワークプログラム(復職支援デイケア)
 疲労管理、ストレス対処、時間管理、認知行動療法的視点の導入
 模擬就労・集団活動を通じて、職場復帰に向けた段階的リハビリ
・医療機関がなくても、産業医面談で業務内容のすり合わせが重要

ステップ3:職場での支援と配慮
・「段階的復職」や「短時間勤務」などの調整
・明確な支援者(復職支援担当者など)の配置
・業務の見直し:過去と同じような長時間労働にならないかを確認
・心理的安全性の確保:周囲の理解と協力

実務的な工夫とチェックポイント
本人の再発予防の視点から
・「以前と同じ働き方になっていないか?」と定期的にセルフチェック
・残業が増えすぎていないか?(月20時間超えると警戒ライン)
・上司や支援者との定期面談で「違和感」や「負担感」を表明する場をつくる

職場の体制として
勤怠管理突発的な残業や休日出勤が続いていないかをモニタリング
定期面談復職後1か月・3か月・6か月などで面談し、段階的に負荷を調整
周囲の教育同僚・上司に対して「精神疾患の回復は時間がかかる」ことを伝える
フォロー役の明確化人事・上司・産業医・EAPなど、誰がいつ何をするのか明確にする

再発リスクの高い「危ないパターン」
・「とりあえず復職日が決まったので、あとは現場で…」と丸投げ
・上司の独断で「もう戻れるだろう」と判断される
・本人が「頑張りすぎて」支援を断る or 無理に仕事を抱え込む
・職場の温度差(表向きは歓迎でも、裏では冷たい態度や過去を蒸し返される)

成功する復職支援の鍵
医療:回復より「再発予防」と「職場環境とのマッチ」を重視
本人:自己理解とセルフケアの確立(「無理しない練習」)
職場:柔軟な働き方、開かれた相談体制、「復職支援チーム」の存在
社会:医療機関と職場をつなぐコーディネーター的存在(産業医・精神保健福祉士等)

さて、これで話したい内容がスライド化できました!パワーポイントにして仕上げて、当日に備えようと思います!