遊びのない世の中


皆さんも、病院では、そこら中に
ボールペンが転がっているのを見るだろう。
これは、ほとんど薬屋さんがくれた
ボールペンで、
医者になってから、ボールペンを
買うことなど考えられないことだった。

それが、今、様変わりしている。
ボールペンには薬の製品の名前が
入っているのだが、
これが、今禁止されてしまったのだ。
(会社名だけのボールペンは
かろうじて許されている。)

当院の診察室に入った人は、わかるだろうが、
診察室のかべに薬の名前が入った
マグネットがベタベタ張っている。
もちろんこれも、もう作られてはいない。
結局、販促品(販売促進品)が小物でも
禁止されたのだ。

また、よく見てみたらわかると思うが、
以前、病院には製薬会社のカレンダーが
いろいろかかっていたのだが、
今はこれがない。
こんなこまごましたことまで、
今は、規制されている。

もともと
製薬会社といえば、医者への接待が
その昔はすごかった時期があった。
(私自身、それはあまりいいこととはおもっていなかったが)
全盛期は、毎晩、繁華街で
製薬会社と医者との
会食が行われていた時期がある。
(この会食が禁止されて
繁華街は一気に不景気になったぐらい)

はたまた、新薬の宣伝に大々的に
大きい会を大都市(どうかしたら観光
ついでで沖縄で)開催して、
招待した者たちの旅費、宿泊代まで
全て製薬会社がもっていた。
(莫大な費用が掛かっていたはず)

医療と製薬会社との癒着を問題視され、
さらには、外資系の製薬会社を中心に
日本的な習わしを良しと思わない風潮と、
製薬会社の経営がだんだん苦しくなってきて
いったことなど、いろいろあって、
いまや、ボールペン一つにまで
制限されている。
(これだけでも、小物うや、カレンダーなど
をつくっていた会社は影響をかなり
受けたんじゃないかな)

つまり、接待は、それだけで、かなり
日本経済を活性化させていたのである。

個人的な意見としては、
接待がなくなるのは、別になにも思わないが、
ボールペンなどの小物まで制限するのは
やり過ぎとおもっている。
(ボールペンや、カレンダーで、
薬の使い方が変わるわけがない)

綺麗ごとをいってもうしわけないが、
私は、飲まないこともあって、あまり飲食を
製薬会社としなかった方で、
昔は上司に連れてられてついていったが。
自分が上になると、
基本、行かなかったが、自分がいいとおもって
使い込んでいる薬の薬屋さんに
どうしてもと頼まれたりしたら行くぐらいだった。
(自分からせびる、やから、も
いるようだが)

どんどん、いろんなことが
縮小されてきて、
いまは、行き過ぎの徴候がすごい。
なにが行き過ぎなのかは、次回。

(どの業界もいっしょだが、
医療業界にももっともっと
闇の部分がある。がもうここまで)