突然、視野にギザギザの光、そして視野の一部が真っ暗に・・・こんな経験はないでしょうか?

これは、ほとんどは片頭痛の前兆現象としてみられる閃輝性暗点(せんきせいあんてん)という現象です。
典型的な症状は、こんな感じです。
突然、両目の視野の一部にギザギザの光が見え、片目ずつでも同じように見えます。そして視野の一部が真っ暗になり、場合によっては極端に視野が狭くなることもあります。そして、このような症状は 15 分ほどで消え、この後、ズキズキするような拍動性の頭痛が
3~4時間続きます。閃輝性暗点のみで頭痛を伴わない場合もあります。
最初のギザギザの光と視野異常のみなら閃輝性暗点症、頭痛を伴った場合なら前兆現象のある片頭痛ということになります。

※片頭痛患者さんの 15 ~ 20 % に前兆現象が見られます。

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原因は

まだはっきりとは分かっていませんが、何らかの誘因で脳内のセロトニンの量が増加すると、脳内の血管が収縮して脳の視覚野の血流量が減ると閃輝性暗点の症状が出ます。その後、セロトニンが代謝されて急激に減少すると脳の血管が拡張し、周りの神経を刺激して片頭痛を引き起こすと考えられています。
ただ、なぜ頭部の血管のみがセロトニンに反応するのかなどの疑問が残っています。

対処法

○安静にする

○片頭痛の引き金になりやすい食べ物をさける
(チョコレート、ピーナッツ、紅茶、チーズ、ワインなど)

○ 症状がきついようなら内服治療

閃輝性暗点症ですが、まれに脳腫瘍、脳内出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形などによっても引き起こされる場合があります。また網膜剥離や網膜裂孔でも光のようなものを感じることがあります。症状を自覚された場合は、まず眼科を受診して目の奥(眼底)に何も異常のないことを確認していただき、その後、神経内科や脳神経外科を受診してCTやMRIで精密検査を受けていただくことをお勧めします。特に短期間に繰り返して起こる場合は要注意です。