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June 2006 の投稿一覧です。
カテゴリー: 総合
投稿者: hasegawa1
喫煙することにメリットはありません。

たばこをすうと落ち着くとか、集中力が増すとか思われるスモーカーの方、それは逆に言うとたばこを吸わないと落ち着いていられない、たばこを吸わないと集中力が出せない、ということで、それこそがまさに喫煙が薬物中毒であることの何よりの証拠です。世の中には、たばこを吸わなくても十分な集中力を発揮できる人や、落ち着いていられる人はいくらでもいるのです。悔しくありませんか?

かくいう私もスモーカーでした。私がたばこをやめたのは、もちろん呼吸器科医という職業的な自覚や自らの健康のためというのもありますが、たばこのようなくだらないものに依存しているという事実を自分自身のプライドが許さなかったということによる所が大きかったです。

たばこはあなたの健康と周囲の健康を確実に害します。幸い、2006年春から禁煙指導やニコチン代替療法を用いた禁煙治療に、指定医療機関においては健康保険が適用されるようになり、経済的な負担もずいぶん軽減されました。この機会にあなたもたばことさよならしませんか?

自分自身の禁煙経験や呼吸器内科医としての知識と経験を生かし、みなさんのお手伝いをしたいと思っております。お気軽にご相談ください。
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投稿者: hasegawa1
院内感染を除く普通の肺炎(入院中ではなく、自宅で普通に生活されておられる方が発症される肺炎の事で、市中肺炎とも言います)の原因菌には様々なものがありますが、そのうち最も多いのが肺炎球菌で、市中肺炎の原因の約4割程度を占めると考えられています。肺炎球菌ワクチンは文字通りこの肺炎球菌による肺炎を予防するもので、当然の事ながら他の原因菌による肺炎を予防する事は出来ません。したがって、このワクチンを接種したからといって絶対に肺炎にかからないわけではありません。

また、インフルエンザ同様肺炎球菌肺炎の場合にも治療薬がありますので、発症してから治療する事も可能です。ただ、最近肺炎球菌の中にも抗生物質の効きにくい菌、いわゆる耐性菌が出現しており、発症してからの治療が難しくなってきてるのも事実です。
肺炎球菌ワクチンは、一度接種すると約5年間効果が持続すると考えられていますが、わが国では5年経過後の再接種が今のところ認められていません。ですので、現在のところこのワクチンは、比較的高齢で、肺炎に罹患することによって受けるダメージが相当に大きいであろうと推測される方に対して、主としてお勧めしております。

健康保険は適用されず、インフルエンザワクチンのような助成もありませんので自費扱いとなり、費用は税込7,500円です。
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投稿者: hasegawa1
現在、頭皮に塗布するタイプの育毛剤や脱毛治療薬は種々のものが薬局などで販売されていますが、飲むタイプの治療薬は医師による処方が必要です。

この薬剤は1日1回、1回1錠服用するもので、健康保険の対象外ですので全額自費となります。

1回の診療に付き28錠、4週間分のお薬をお出しいたします。診療費とお薬代を含めた費用は初回が10,000円、2回目以降が8,000円です。(すべて税込価格)
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投稿者: hasegawa1

ご存じですか,こんな病気?
    -21世紀の文明病「睡眠時無呼吸症候群」


睡眠時無呼吸症候群とは、その名のとおり寝ている間に頻繁に呼吸が止まる病気です。このために、夜間の熟眠が妨げられて昼間の眠気が生じ、仕事の能率が上がらない、疲れがとれないなどの症状が起こります。また、車を運転する方では頻繁に居眠り運転をして事故の原因にもなります。さらに恐ろしいことには、無呼吸によって血液中の酸素の値が低下するため高血圧や心臓病がおきやすくなり、程度がひどい場合には突然死の危険すらあると考えられています。

睡眠時無呼吸症候群の発症要因の一つは肥満であり、この病気が太っている人に多いのは事実ですが、やせ型の人は絶対大丈夫かというとそうではありません。実はこの病気の原因として一番重要視されているのは顔の骨格で、わかりやすく言えばあごが小さく、少し奥まっているようなタイプの人に起こりやすいと考えられます。最近、食生活の変化で堅いものを噛むことが少なくなったせいかあごの発達が悪くなる傾向にあり、このような人ではあまり肥満がなくてもこの病気が起こってきます。

このように、睡眠時無呼吸症候群は食生活とも密接な関係があると思われます。また、その発症要因の一つである肥満自体、深夜の食事やストレスからくる摂食異常、運動不足など現代の生活習慣を反映して起こっており、実際の患者さんの話を聞けば聞くほど、この病気の「現代文明病」的な側面に気付きます。先進国でのこの病気の頻度は、全人口の3%とも5%とも言われ、20人~30人に1人はこの病気の人がいるということになります。あなたや、あなたの周りの人は大丈夫ですか?

睡眠時無呼吸症候群ではないかと疑う第一歩はいびきです。いつもいびきをかくということ自体が病的ですが、いびきの大きい人の中にひどい無呼吸の人が含まれています。逆に言うと、いびきをかかない人はこの病気の心配はまずありません。

睡眠時無呼吸症候群の診断には、呼吸や酸素の値などを検出するモニターを装着して眠っていただく必要があります。専門施設に入院して行う方法もありますが、当院ではご自宅にモニター装置を搬入させて頂いてご自宅で検査を行う方法をとっております。この病気の診断や治療には、健康保険が適用されます。お気軽にご相談下さい。

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投稿者: hasegawa1
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心不全という言葉はポピュラーでご存じの方も多いかも知れませんが、呼吸不全という言葉にはみなさんなじみが薄いでしょう。呼吸不全とは、肺を中心とする呼吸器系の臓器の様々な病気(肺気腫や肺結核後遺症、間質性肺炎などが代表的な病気です)により呼吸がうまくいかなくなる状態のことで、多くの場合酸素不足に陥ります。酸素不足が深刻な場合には、どんなお薬よりも効果があるのは酸素の吸入です。

酸素は苦しい時だけいわば頓服のように吸入しても目立った効果は望めません。このため、酸素濃縮器や液体酸素などを使用してご自宅で長時間吸入していただく方法をとります。これが在宅酸素療法で、決してそれほど特殊な治療ではありません。最近では、ボンベを引いて酸素を吸いながら町を闊歩する人の姿を見るのもそれほど珍しくはなくなりました。

また、酸素投与のみで不十分な重症の呼吸不全の患者さんに対して、人工呼吸療法をご家庭で行っていただく在宅人工呼吸療法もあります。従来、人工呼吸療法を行うには気管内挿管や気管切開などの負担の大きい処置が必要で、これにより会話や食事に困難を来すことがありましたが、最近のシリコンマスクを使用する方法ではこのような負担がなく、ご家庭での管理が格段に容易になりました。
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投稿者: hasegawa1
現在のぜんそく治療の主流は、ステロイドの吸入薬を中心とする吸入主体の治療です。ステロイドというと副作用の強い恐ろしい薬、という印象を持たれる方もおられるかも知れません。確かに、ステロイド製剤を長期に内服したり注射したりするとさまざまな深刻な副作用を生じますが、気管支局所への投与、すなわち吸入で用いた場合には、よほどの大量にならない限りほとんど問題となる副作用はないことがわかっています。また、ぜんそくは肺や気管支局所の炎症であると考えられており、ぜんそくの治療薬は肺や気管支のみに作用することが望ましいと考えられているのです。

このような理由から、ステロイドの吸入薬が理想的なぜんそく治療薬であることは、いまや世界中の多くの専門家が認めています。事実、ステロイドを定期的に吸入することによって、肺活量がよくなったり、ぜんそくの症状がほとんど出なくなったりするばかりでなく、ぜんそく患者さんの救急室への受診や職場や学校を休む日数も減り、このような治療をきちっと継続している患者さんではぜんそくによる死亡が回避されることなどを示す証拠は枚挙に暇がありません。

ステロイドの吸入のみでは十分なコントロールが得られない一部の重症例では、気管支拡張薬の吸入や貼付剤(皮膚に貼って使用する)の併用がまず行われることが多く、それでも不十分な場合にはじめて内服薬が併用されます。つまり現在のぜんそく治療においては、飲み薬の出番はかなり少ないと言えます。今でも時々、たくさんの飲み薬を飲みながらいっこうに病状が良くならないと言われる患者さんをお見受けしますが、これは当然のことです。吸入薬なしのぜんそく治療では、飛車・角抜きで将棋をさしているようなものですから…。