院内感染を除く普通の肺炎(入院中ではなく、自宅で普通に生活されておられる方が発症される肺炎の事で、市中肺炎とも言います)の原因菌には様々なものがありますが、そのうち最も多いのが肺炎球菌で、市中肺炎の原因の約4割程度を占めると考えられています。肺炎球菌ワクチンは文字通りこの肺炎球菌による肺炎を予防するもので、当然の事ながら他の原因菌による肺炎を予防する事は出来ません。したがって、このワクチンを接種したからといって絶対に肺炎にかからないわけではありません。

また、インフルエンザ同様肺炎球菌肺炎の場合にも治療薬がありますので、発症してから治療する事も可能です。ただ、最近肺炎球菌の中にも抗生物質の効きにくい菌、いわゆる耐性菌が出現しており、発症してからの治療が難しくなってきてるのも事実です。
肺炎球菌ワクチンは、一度接種すると約5年間効果が持続すると考えられていますが、わが国では5年経過後の再接種が今のところ認められていません。ですので、現在のところこのワクチンは、比較的高齢で、肺炎に罹患することによって受けるダメージが相当に大きいであろうと推測される方に対して、主としてお勧めしております。

健康保険は適用されず、インフルエンザワクチンのような助成もありませんので自費扱いとなり、費用は税込7,500円です。