カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
5月にしては異例の暑さの中、今年の夏はいかほどに暑くなるのか怯えている今日この頃。しかし、季節を先取りして、秋のイベントの準備をしなければなりません。なんと、今年の10月は、3回ほど講演会の依頼をいただきました。一気に3回分の講演会の資料を作るのは大変ですので、早めに少しずつ準備していきたいと思います。
まず最初に、市の保健センターから依頼された講演会から準備しようと思います。これは毎年依頼をいただいていて、市民の方向けの講演会です。担当の方と、年初のうちに講演内容についても打ち合わせを済ませています。他の2つも、大体の内容は打ち合わせしていますが、まだちょっと微調整が入りそうなので。
講演会のタイトルは「メンタルヘルス不調の方の社会復帰について」です。講演時間は 2時間と、比較的長めです。良く言えばしっかり伝えたいことが話せますが、悪くいうとしっかり準備していないと間が持ちません。でも、私いつも喋り出すとすごく喋ってしまうので、たくさん用意して全部話そうとすると早口になってしまい、ゆっくり喋るよう担当の方からお願いされることもしばしばです。
なので、そこそこのちょうどいいところの準備をしていけたらと思います。
話したい内容としては、一つには当院のリワークデイケアの紹介です。私、個人的に、今年はリワークデイケア啓発年にすると決めていて、機会があればリワークデイケアの話をするようにしています。とてもいいプログラムになっていて、多くの方に知っていただき、利用していただきたいと思っているのです。
まず、リワークデイケアをするようになったきっかけにも関しますが、メンタルヘルス不調になった方の社会復帰の難しさについて伝えたいと思います。他の病気とはどう違って難しいのか、という点を話したい。
具体的には、以下のような項目について話したいと思います。
「治ったのに働けない」ということが起こり得ることについて
・メンタルヘルス不調者に起こる「機能の低下」
・気分面が回復しても、認知機能はすぐには戻らない
・一般的な「回復」イメージと実態のギャップ
社会復帰が難しい背景について
・職場の理解不足
・自信喪失、孤立
・再発への不安
・制度の谷間、支援体制の難しさ
リワークデイケアとは何か
・リワークデイケアの目的、意図
・リワークデイケアの実施時期
当院でのリワークデイケアの実際
・プログラム内容
・これまでの実績
・参加者の感想
リワークデイケアが果たす役割
・「働ける力」の再構築
・リハビリをする意味
・本人、家族、会社の橋渡し
社会や家族にできること
・復職はゴールではなく「再スタート」
・無理のないペースで見守ること
・企業に必要な視点(柔軟な勤務設計、継続的配慮)
だいたいこんな枠組みにしようと思います。少しずつ話す内容も記事にしてまとめていきたいと思います。
まず最初に、市の保健センターから依頼された講演会から準備しようと思います。これは毎年依頼をいただいていて、市民の方向けの講演会です。担当の方と、年初のうちに講演内容についても打ち合わせを済ませています。他の2つも、大体の内容は打ち合わせしていますが、まだちょっと微調整が入りそうなので。
講演会のタイトルは「メンタルヘルス不調の方の社会復帰について」です。講演時間は 2時間と、比較的長めです。良く言えばしっかり伝えたいことが話せますが、悪くいうとしっかり準備していないと間が持ちません。でも、私いつも喋り出すとすごく喋ってしまうので、たくさん用意して全部話そうとすると早口になってしまい、ゆっくり喋るよう担当の方からお願いされることもしばしばです。
なので、そこそこのちょうどいいところの準備をしていけたらと思います。
話したい内容としては、一つには当院のリワークデイケアの紹介です。私、個人的に、今年はリワークデイケア啓発年にすると決めていて、機会があればリワークデイケアの話をするようにしています。とてもいいプログラムになっていて、多くの方に知っていただき、利用していただきたいと思っているのです。
まず、リワークデイケアをするようになったきっかけにも関しますが、メンタルヘルス不調になった方の社会復帰の難しさについて伝えたいと思います。他の病気とはどう違って難しいのか、という点を話したい。
具体的には、以下のような項目について話したいと思います。
「治ったのに働けない」ということが起こり得ることについて
・メンタルヘルス不調者に起こる「機能の低下」
・気分面が回復しても、認知機能はすぐには戻らない
・一般的な「回復」イメージと実態のギャップ
社会復帰が難しい背景について
・職場の理解不足
・自信喪失、孤立
・再発への不安
・制度の谷間、支援体制の難しさ
リワークデイケアとは何か
・リワークデイケアの目的、意図
・リワークデイケアの実施時期
当院でのリワークデイケアの実際
・プログラム内容
・これまでの実績
・参加者の感想
リワークデイケアが果たす役割
・「働ける力」の再構築
・リハビリをする意味
・本人、家族、会社の橋渡し
社会や家族にできること
・復職はゴールではなく「再スタート」
・無理のないペースで見守ること
・企業に必要な視点(柔軟な勤務設計、継続的配慮)
だいたいこんな枠組みにしようと思います。少しずつ話す内容も記事にしてまとめていきたいと思います。
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投稿者: furujinmachi
発達障害に関する心理検査の資料は無事に完成しました。次はロールシャッハテストです。
ロールシャッハテストとは、「投影法」と言われるタイプの心理検査になります。心理検査には「質問紙法」というものがあって、これは「はい」「いいえ」で答えるタイプの検査になります。自分で自覚している気持ちに答えていくことになりますので、困り感の自覚のある方には良い検査です。
しかし、自分が何に困っているのか、何がしんどいのかあまり分からない時ってありますよね。
それに対して投影法では、あいまいな形での検査を実施し、自分が自覚していない部分についても「映し出す」ことがあります。
ロールシャッハテストでは、インクのしみのようなあいまいな図を見てもらって、それがどう見えるかを答えていただきます。正解も不正解もないので、見えたように答えていただきたいです。
そうやって答えていただいた部分に、自分の感じ方、考え方のパターンやクセなどが「映し出される」ことがあります。もちろん、自覚している部分も出てきます。
その検査結果を見て、ひょっとしたらこんなところがあるかもしれないという可能性を本人にフィードバックしたら、本人とすると納得できるところも多くて、無自覚というよりは、自分でなんと表現していいか分からなかった、という部分が出てくるともいえそうです。
そして、その結果を見て、治療をどうするかを検討する材料にしています。とはいえ、精神科/心療内科の治療は原則、薬物治療とカウンセリングで、どっちをするか、あるいは両方するか、になってきますから、そのあたりを判断する形になります。
一般的に、薬物治療の方が副作用等心配で、カウンセリングの方が負担が少なさそうというイメージもありますが、そんなことはなくて、今は絶対カウンセリングはやめておいた方がいい、みたいなときもあります。
このあたりの伝えたいことをまとめると、以下のような感じになりそうです。
ロールシャッハテストについて
検査の概要:「投影法」と言われるタイプの心理検査です。インクのしみのようなあいまいな図を見てもらって、それがどう見えるかを答えていただきます。正解も不正解もないので、見えたように答えてください。図版は10枚あります。
検査の目的:答えていただいた内容から、現在の精神/心理状態や、自分の感じ方、考え方のパターンやクセなどを解析します。その結果を見て、治療をどうするかを検討する指標にします。
実施者:公認心理師等
所要時間:1時間、要予約
検査結果説明:2週間後以降(連休等の場合はもう少し時間をいただくことがあります)。
注意事項:何らかの理由で、検査を続けることが難しい場合には、検査を中止したり、違う検査に変更することがあります。
これをまた公認心理師さんに確認してもらって、仕上げようと思います。
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投稿者: furujinmachi
たまっている本をせっせと読み進めるシリーズです。
精神科の薬について知っておいてほしいこと 作用の仕方と離脱症状
amzn.asia
2,420円
読みたいと思った動機
「精神科診断に代わるアプローチPTMF」の中で紹介されていた。精神科医療や薬物療法自体に慎重だったり、いわゆる「アンチ」な意見が多そう。でも、その中でもエビデンスがあり、きちんとした批判は知識として知っておくべきだし、薬物を処方する立場として気をつけておきたい点があれば知っておきたい。
得たい知識
精神科の薬の作用についての復習
新しい作用仮説などがあればその情報
精神科の薬を使用する意義
精神科薬物を処方する上で気をつけたいこと、配慮すべきこと
こちらの本は、精神科の薬の使用に慎重な姿勢でした。ただ、いたずらに反対しているのではなくて、科学的に薬を使うことの意義や問題点を冷静に捉える試みがされていました。
読んでいて、なるほどと思った点。薬は果たして「病気を治しているのか?」と言う視点。例えば、メンタル不調じゃない人が薬を飲むとどうなるのか、ということの吟味をされている結果、メンタル不調ではない人手も、お薬を飲むと何らかの作用が出ます。実際、不安に効くお薬は、不安の種類がなんであれ、効果が出ます。なので、病気を治しているのではなくて、症状を抑えている、という理解が必要だと言うことです。
ただし、だからお薬が不要ということではなくて、例えば高熱が出ている人は、原因を治す前に解熱剤で熱を下げた方がいい場合があります。痛みが出ている人も、原因が治るまで痛み止めで痛みを抑えて、日常生活が辛くならないよう工夫する意義があります。同様に、薬を使い、たちまちの痛みを軽減することで、日常生活の困りごとを減らすことは、とても大事な使用意義です。
それから、維持療法に関して。精神科の薬は、離脱症状が出ることが多く、薬をやめたときに再発する、調子を崩す、という訴えの多くが、離脱症状の可能性があるとの指摘がありました。そして、今まで一般的に言われていた離脱症状の持続期間(2週間程度)よりもっと長く離脱症状が出ることもあり得るとのこと。
そのため、これまで、お薬をすぐやめると再発する、と言われていたことが、実は離脱症状であって再発ではない方もそうとう含まれている可能性があるとのこと。なので、本当に維持療法が必要なのか、維持療法を行うエビデンスは何なのか、再考しなければならないとの警告がありました。
なので、お薬を減量し、中止にしていくときに、何か症状が出たときに、それが再発なのか、離脱なのかは慎重に評価しなければならないと思います。また、症状がしばらく続くからと行って、再発と決めつけず、単に離脱である可能性も念頭に置いておきたいと思います。
お薬は副作用や離脱も含め、マイナスな点があるのは事実です。だからこそ、正しい知識を持って適切に使っていけるよう、日々精進したいと思います。
精神科の薬について知っておいてほしいこと 作用の仕方と離脱症状
amzn.asia
2,420円
読みたいと思った動機
「精神科診断に代わるアプローチPTMF」の中で紹介されていた。精神科医療や薬物療法自体に慎重だったり、いわゆる「アンチ」な意見が多そう。でも、その中でもエビデンスがあり、きちんとした批判は知識として知っておくべきだし、薬物を処方する立場として気をつけておきたい点があれば知っておきたい。
得たい知識
精神科の薬の作用についての復習
新しい作用仮説などがあればその情報
精神科の薬を使用する意義
精神科薬物を処方する上で気をつけたいこと、配慮すべきこと
こちらの本は、精神科の薬の使用に慎重な姿勢でした。ただ、いたずらに反対しているのではなくて、科学的に薬を使うことの意義や問題点を冷静に捉える試みがされていました。
読んでいて、なるほどと思った点。薬は果たして「病気を治しているのか?」と言う視点。例えば、メンタル不調じゃない人が薬を飲むとどうなるのか、ということの吟味をされている結果、メンタル不調ではない人手も、お薬を飲むと何らかの作用が出ます。実際、不安に効くお薬は、不安の種類がなんであれ、効果が出ます。なので、病気を治しているのではなくて、症状を抑えている、という理解が必要だと言うことです。
ただし、だからお薬が不要ということではなくて、例えば高熱が出ている人は、原因を治す前に解熱剤で熱を下げた方がいい場合があります。痛みが出ている人も、原因が治るまで痛み止めで痛みを抑えて、日常生活が辛くならないよう工夫する意義があります。同様に、薬を使い、たちまちの痛みを軽減することで、日常生活の困りごとを減らすことは、とても大事な使用意義です。
それから、維持療法に関して。精神科の薬は、離脱症状が出ることが多く、薬をやめたときに再発する、調子を崩す、という訴えの多くが、離脱症状の可能性があるとの指摘がありました。そして、今まで一般的に言われていた離脱症状の持続期間(2週間程度)よりもっと長く離脱症状が出ることもあり得るとのこと。
そのため、これまで、お薬をすぐやめると再発する、と言われていたことが、実は離脱症状であって再発ではない方もそうとう含まれている可能性があるとのこと。なので、本当に維持療法が必要なのか、維持療法を行うエビデンスは何なのか、再考しなければならないとの警告がありました。
なので、お薬を減量し、中止にしていくときに、何か症状が出たときに、それが再発なのか、離脱なのかは慎重に評価しなければならないと思います。また、症状がしばらく続くからと行って、再発と決めつけず、単に離脱である可能性も念頭に置いておきたいと思います。
お薬は副作用や離脱も含め、マイナスな点があるのは事実です。だからこそ、正しい知識を持って適切に使っていけるよう、日々精進したいと思います。
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投稿者: furujinmachi
以前の記事で、発達障害の検査の時に、普段どのように口頭で説明しているかを書きました。
この内容を元に、資料に載せる文章を作成してみました。
MSPA
検査の目的:困り事が、発達特性によるものかどうかを確認
検査の内容:発達特性全般(自閉スペクトラム症/注意欠如多動症など)について、具体的に聞き取り
実施者:公認心理師等
所要時間:30分〜1時間、要予約
検査結果説明:1週間後以降(連休等の場合はもう少し時間をいただくことがあります)。
注意事項:事前に記入していただくアンケート用紙があります。学生時代の通知表などの情報があれば持参してください。養育者などご家族に協力していただくことも可能です。
WAIS(16歳未満ではWISC)
検査の目的:IQ(知能指数)の測定 発達の特性の強い人は、知能指数の中でも得意な項目と苦手な項目の差が大きく開く傾向が出るため、その確認
検査の内容:様々な問題に取り組んでもらいます。
実施者:公認心理師等
所要時間:1時間半〜2時間、要予約
検査結果説明:2週間後以降(連休等の場合はもう少し時間をいただくことがあります)。
注意事項:うつ状態や不安状態が強い場合は、スコアが下がってしまうため、うつや不安の治療を先に行うことをお勧めします(その場合は、MSPAのみ実施し、診断をつけることも可能です)。2時間以上かかる場合は、2回に分けて実施することがあります。
説明文の下に、同意いただくサインをもらうようにもしようかと思います。(未成年の方の場合は、保護者の方にもサインいただきます)。
心理検査の実施はあくまでご本人の自由意思によるものであり、参加を拒否することや途中で中止することも可能です。また、検査結果につきましては、個人情報を適切に保護した上で、必要な関係者(医療関係者・ご本人・ご本人が許可した人)に限って取り扱います。内容をご理解いただき、同意される場合は、以下に署名をお願いいたします。
だいたいこのような内容で、体裁が整うのではないでしょうか?すでに、予約の取り方やキャンセルについてなどの説明文はスタッフが作成してくれているので、その内容と照らし合わせて、重なっている部分があれば省略しようと思います。実際検査を行う公認心理師にも聞いてみて、内容が、当日ご本人やご家族に説明する内容と齟齬がないか、もう少し事前説明としてしておいて欲しい部分があるか、確認してみて、最終的に仕上げようと思います。
この内容を元に、資料に載せる文章を作成してみました。
MSPA
検査の目的:困り事が、発達特性によるものかどうかを確認
検査の内容:発達特性全般(自閉スペクトラム症/注意欠如多動症など)について、具体的に聞き取り
実施者:公認心理師等
所要時間:30分〜1時間、要予約
検査結果説明:1週間後以降(連休等の場合はもう少し時間をいただくことがあります)。
注意事項:事前に記入していただくアンケート用紙があります。学生時代の通知表などの情報があれば持参してください。養育者などご家族に協力していただくことも可能です。
WAIS(16歳未満ではWISC)
検査の目的:IQ(知能指数)の測定 発達の特性の強い人は、知能指数の中でも得意な項目と苦手な項目の差が大きく開く傾向が出るため、その確認
検査の内容:様々な問題に取り組んでもらいます。
実施者:公認心理師等
所要時間:1時間半〜2時間、要予約
検査結果説明:2週間後以降(連休等の場合はもう少し時間をいただくことがあります)。
注意事項:うつ状態や不安状態が強い場合は、スコアが下がってしまうため、うつや不安の治療を先に行うことをお勧めします(その場合は、MSPAのみ実施し、診断をつけることも可能です)。2時間以上かかる場合は、2回に分けて実施することがあります。
説明文の下に、同意いただくサインをもらうようにもしようかと思います。(未成年の方の場合は、保護者の方にもサインいただきます)。
心理検査の実施はあくまでご本人の自由意思によるものであり、参加を拒否することや途中で中止することも可能です。また、検査結果につきましては、個人情報を適切に保護した上で、必要な関係者(医療関係者・ご本人・ご本人が許可した人)に限って取り扱います。内容をご理解いただき、同意される場合は、以下に署名をお願いいたします。
だいたいこのような内容で、体裁が整うのではないでしょうか?すでに、予約の取り方やキャンセルについてなどの説明文はスタッフが作成してくれているので、その内容と照らし合わせて、重なっている部分があれば省略しようと思います。実際検査を行う公認心理師にも聞いてみて、内容が、当日ご本人やご家族に説明する内容と齟齬がないか、もう少し事前説明としてしておいて欲しい部分があるか、確認してみて、最終的に仕上げようと思います。
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投稿者: furujinmachi
サイコシンセシスでは、下位無意識や中位無意識の理解のための方法の一つとして、サブパーソナリティワークというのをします。これは、私たちの中に、さまざまな人格を持つ別の顔がある、という考え方からきています。極端に多重人格ではなくても、私たちはいろんな仮面をかぶって生活しています。家にいる時の自分と仕事の時の自分は多少違う振る舞いをすることが多いでしょうし、例えば家庭でも、みんなでいる時、1人でいる時、子供といる時、親といる時、パートナーといる時、兄弟といるときなど、一緒にいる相手でもちょっとずつ自分の態度が違うことがあると思います。また、同じ相手、同じ状況でも、その時の話題や体調、相手の様子などでも、自分の立ち振る舞いが変わることがあると思います。
それは、例えばオーケストラみたいなイメージでしょうか。たくさんの演奏家がいて、一つの曲を演奏しています。演奏家の一人一人がサブパーソナリティで、その指揮をしている人が、「セルフ」と呼ばれる、自己の中心的存在、ということになります。たくさんのサブパーソナリティがいても、「セルフ」が指揮をとってうまく調和が取れていると、特に大きな問題にはなりません。TPOに合わせて、自分の立ち振る舞いを上手に使い分けている、ということになると思います。
ところが、サブパーソナリティが、「セルフ」が意図していないところで急に動き出すと、少し困る場合が出てくると思います。指揮者の指揮に従わず、急にバイオリン奏者が違う曲を弾き出したら困りますよね。
実際、「なんであのとき、あんな風にしちゃったのかな」と思うことや、「いつもこのことがうまくいかないな」と感じているときには、想定していないサブパーソナリティが出てきてしまっていることがあると思います。まず、特定の状況で、よく顔を出してくるサブパーソナリティを認識することから、始められるといいと思います。
適応的なサブパーソナリティも含めて、自分にどんなサブパーソナリティがあるか、少し考えてみましょう。仕事にいるときに、テキパキしている自分だったり、逆に緊張して不安になっている自分、周りの顔色を見る自分、負けず嫌いな自分、冷静な自分、親切な自分、世話焼きな自分…仕事をしていても、状況や相手によって少しずつ違う自分がいると思います。家庭ヤプライベートではどうですか?リラックスしている自分、バタバタしている自分、イライラしている自分、何かに夢中になっている自分、疲れている自分、寂しい自分、楽しんでいる自分…その自分自分で、少しずつ表情、感情、意欲、考え方が違ってきているのではないでしょうか?
もう少し、このサブパーソナリティの話を続けます。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
もう、いい加減の年になってきたので、インプットばかりせずにアウトプットもしていこうと思ってnoteを始めたのですが、つい面白そうな本があると買ってしまうんですよね。
そして、たいして読書が好きではないので、どんどん「読みたい本」が家の中に溜まってくるんですよ。
これは良くないと思い、読書を進めようと決心。
でも、ゆっくり読んでいたら終わらない。なので、得たい情報にターゲットを絞って読み、じっくり読みたい本は再読するスタイルで、情報収集していこうと思います。
頑張った自分の成果を確認する意味でも、仕事関連の本に関してはnoteにあげていこうと思います。
今回読んだのはこちらの図書。
精神科診断に代わるアプローチ PTMF
amzn.asia
4,180円
読みたいと思った動機
精神科診断が臨床では困難な場合が多く、またあまり意味をなさないことも多い。臨床の現場で、もっと患者さんに役に立つ、あるいは治療方針に参考になるアプローチがあるなら知りたいと思った。
得たい知識
PTMFってそもそも何か?
今の現場で役立ちそうな情報はあるか?
心理的苦悩を理解し整理する手法があるのか?
PTMFとは?
「パワー(Power)・脅威(Threat)・意味(Meaning)のフレームワーク」
その人にとってのパワー、脅威、意味を理解し統合していく、ということのようです。
パワーに関して
「どんなことがあなたに起きましたか?」
パワーがその人の人生にどのように作用しているのかを理解します。パワーにはポジティブな側面(強み、ストレングス)とネガティブな側面(脅威)とがあります。
脅威に関して
「その出来事はあなたにどのような影響を及ぼしましたか?」
人が心理的苦悩におちいった出来事があり、その出来事が、その人にどのように脅威であったかを理解します。
意味に関して
「あなたはそのことをどのように理解しましたか?」
そうした状況と経験をどのようにその人が意味付けているかを理解します。
また、その人の対処機構とパワーリソースを知ることも、重要視しています。
「生き延びるために、何をする必要がありましたか?」
「あなたの強み(ストレングス)は何ですか?」
今の現場で役立ちそうな情報
精神医学的診断は、薬物治療を行う上では有用
しかし、心理的苦悩を理解するためには、その人の語り(ナラティブ)が重要で、その人のストーリーを理解する必要があり、そのためにはPTMFの捉え方が役立つ
自分自身のストーリーの所有権を取り戻すために、自分の経験を再生すること、そして、真実を話すこと自体が、その人を回復させる力を持つ
心理的苦悩を理解し整理する手法があるのか?
PTMFでは、多くの人々の個々のストーリーに見られる一般的なパターンを要約している。その人のストーリーを理解するための参考指標になりそうである。
アイデンティティ
その文化、社会の中で、社会的地位の高いアイデンティティと、低いアイデンティティが存在する。例えば(残念なことではあるが)、女性、高齢者、障害者といったアイデンティティは社会的地位が低い傾向にある。軽視されたアイデンティティをもつ人々が、メンタル不調をきたしやすい。
拒絶、捕らわれた状態、無力化を生き延びる
虐待やネグレクト、いじめの経験のある人。
感情:拒絶、放棄、恥、罪悪感、空虚、無力感、無価値感
表現方法:解離、うつ、自傷行為、薬物使用
診断:「境界性パーソナリティ障害」「双極性障害」「解離性障害」「うつ病」「PTSD」「アルコール依存症」
子どもや若者のころに不安定な愛着と逆境を生き延びる
ネグレクト、虐待、暴力、親の喪失などの非常に困難な環境を人生の早期に経験した人。
感情:恥、恐怖、無価値感、不信感、怒り、自己否定、放棄、絶望
表現方法:活動亢進、不注意、攻撃性、解離、自傷行為、うつ、摂食の問題、薬物使用
診断:「愛着障害」「ADHD」「反抗挑戦性障害」「うつ病」「恐怖症」「不安症」
分離とアイデンティティの混乱を生き延びる
人生のさまざまな段階で、大切なものを失う体験や、自分のアイデンティティが脅威にさらされる体験をした人。
感情:拒絶、無価値感、恥、劣等感、支配されている、恐怖、侵入される、閉じ込められる
表現方法:完璧主義、怒り、反抗
診断:「統合失調症」「拒食症」「過食症」「うつ」「強迫性障害」
敗北、捕らわれ状態、分断、喪失を生き延びる
虐待的な関係などの慢性的なストレスの長期的な状況、貧困、孤独、失業、被災など、避けられない社会環境を生き延びた人。
感情:敗北、捕らわれ状態、孤独と孤立、絶望と喪失
表現方法:体調不良、痛み、うつ、倦怠感、あきらめ、自己非難、不安、アルコール・薬物使用
診断:「うつ」「不安症」「アルコール依存症」「物質乱用」
社会的排除、恥、強制力を生き延びる
家庭の内外両方で、幼い頃に脅威、差別、物質的剥奪、社会的排除に直面した人。
感情:無価値感、劣等感、無力感、恥、拒絶、不当感
表現方法:感情の遮断、不信感、警戒心、怒り・暴力、アルコール・薬物使用
診断:「反社会性パーソナリティ障害」「物質乱用」「境界性パーソナリティ障害」「双極性障害」
単一の脅威を生き延びる
レイプ、戦争での脅威など、一つの大きな出来事を生き延びた人。
感情:恐怖、屈辱、無力感、非難、恥、罪悪感
表現方法:鬱、不安、パニック、過覚醒、回避、フラッシュバック、麻痺、不眠症、アルコール・薬物使用
診断:「PTSD」
患者さんが抱えている困りごとから、その人が上記のどんな体験をした可能性があるのか、類推することが可能になりそうです。診断し、治療する中で、その人が何を語るのか、そして、何を患者さんと私たちが理解する必要があるのか、その指標になりそうです。そして、その理解を深めることが、患者さんを癒し、患者さんが回復する助けになるのだと思います。
そして、たいして読書が好きではないので、どんどん「読みたい本」が家の中に溜まってくるんですよ。
これは良くないと思い、読書を進めようと決心。
でも、ゆっくり読んでいたら終わらない。なので、得たい情報にターゲットを絞って読み、じっくり読みたい本は再読するスタイルで、情報収集していこうと思います。
頑張った自分の成果を確認する意味でも、仕事関連の本に関してはnoteにあげていこうと思います。
今回読んだのはこちらの図書。
精神科診断に代わるアプローチ PTMF
amzn.asia
4,180円
読みたいと思った動機
精神科診断が臨床では困難な場合が多く、またあまり意味をなさないことも多い。臨床の現場で、もっと患者さんに役に立つ、あるいは治療方針に参考になるアプローチがあるなら知りたいと思った。
得たい知識
PTMFってそもそも何か?
今の現場で役立ちそうな情報はあるか?
心理的苦悩を理解し整理する手法があるのか?
PTMFとは?
「パワー(Power)・脅威(Threat)・意味(Meaning)のフレームワーク」
その人にとってのパワー、脅威、意味を理解し統合していく、ということのようです。
パワーに関して
「どんなことがあなたに起きましたか?」
パワーがその人の人生にどのように作用しているのかを理解します。パワーにはポジティブな側面(強み、ストレングス)とネガティブな側面(脅威)とがあります。
脅威に関して
「その出来事はあなたにどのような影響を及ぼしましたか?」
人が心理的苦悩におちいった出来事があり、その出来事が、その人にどのように脅威であったかを理解します。
意味に関して
「あなたはそのことをどのように理解しましたか?」
そうした状況と経験をどのようにその人が意味付けているかを理解します。
また、その人の対処機構とパワーリソースを知ることも、重要視しています。
「生き延びるために、何をする必要がありましたか?」
「あなたの強み(ストレングス)は何ですか?」
今の現場で役立ちそうな情報
精神医学的診断は、薬物治療を行う上では有用
しかし、心理的苦悩を理解するためには、その人の語り(ナラティブ)が重要で、その人のストーリーを理解する必要があり、そのためにはPTMFの捉え方が役立つ
自分自身のストーリーの所有権を取り戻すために、自分の経験を再生すること、そして、真実を話すこと自体が、その人を回復させる力を持つ
心理的苦悩を理解し整理する手法があるのか?
PTMFでは、多くの人々の個々のストーリーに見られる一般的なパターンを要約している。その人のストーリーを理解するための参考指標になりそうである。
アイデンティティ
その文化、社会の中で、社会的地位の高いアイデンティティと、低いアイデンティティが存在する。例えば(残念なことではあるが)、女性、高齢者、障害者といったアイデンティティは社会的地位が低い傾向にある。軽視されたアイデンティティをもつ人々が、メンタル不調をきたしやすい。
拒絶、捕らわれた状態、無力化を生き延びる
虐待やネグレクト、いじめの経験のある人。
感情:拒絶、放棄、恥、罪悪感、空虚、無力感、無価値感
表現方法:解離、うつ、自傷行為、薬物使用
診断:「境界性パーソナリティ障害」「双極性障害」「解離性障害」「うつ病」「PTSD」「アルコール依存症」
子どもや若者のころに不安定な愛着と逆境を生き延びる
ネグレクト、虐待、暴力、親の喪失などの非常に困難な環境を人生の早期に経験した人。
感情:恥、恐怖、無価値感、不信感、怒り、自己否定、放棄、絶望
表現方法:活動亢進、不注意、攻撃性、解離、自傷行為、うつ、摂食の問題、薬物使用
診断:「愛着障害」「ADHD」「反抗挑戦性障害」「うつ病」「恐怖症」「不安症」
分離とアイデンティティの混乱を生き延びる
人生のさまざまな段階で、大切なものを失う体験や、自分のアイデンティティが脅威にさらされる体験をした人。
感情:拒絶、無価値感、恥、劣等感、支配されている、恐怖、侵入される、閉じ込められる
表現方法:完璧主義、怒り、反抗
診断:「統合失調症」「拒食症」「過食症」「うつ」「強迫性障害」
敗北、捕らわれ状態、分断、喪失を生き延びる
虐待的な関係などの慢性的なストレスの長期的な状況、貧困、孤独、失業、被災など、避けられない社会環境を生き延びた人。
感情:敗北、捕らわれ状態、孤独と孤立、絶望と喪失
表現方法:体調不良、痛み、うつ、倦怠感、あきらめ、自己非難、不安、アルコール・薬物使用
診断:「うつ」「不安症」「アルコール依存症」「物質乱用」
社会的排除、恥、強制力を生き延びる
家庭の内外両方で、幼い頃に脅威、差別、物質的剥奪、社会的排除に直面した人。
感情:無価値感、劣等感、無力感、恥、拒絶、不当感
表現方法:感情の遮断、不信感、警戒心、怒り・暴力、アルコール・薬物使用
診断:「反社会性パーソナリティ障害」「物質乱用」「境界性パーソナリティ障害」「双極性障害」
単一の脅威を生き延びる
レイプ、戦争での脅威など、一つの大きな出来事を生き延びた人。
感情:恐怖、屈辱、無力感、非難、恥、罪悪感
表現方法:鬱、不安、パニック、過覚醒、回避、フラッシュバック、麻痺、不眠症、アルコール・薬物使用
診断:「PTSD」
患者さんが抱えている困りごとから、その人が上記のどんな体験をした可能性があるのか、類推することが可能になりそうです。診断し、治療する中で、その人が何を語るのか、そして、何を患者さんと私たちが理解する必要があるのか、その指標になりそうです。そして、その理解を深めることが、患者さんを癒し、患者さんが回復する助けになるのだと思います。