カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
よく患者さんに「私の病名は何になりますか?」と聞かれることがあります。精神科って、確かに、初めて来られたときに「あなたの病名はこれです」ってはっきり言わないところがあると思います。
でも、内科でも、他の科でも、そういう場合もあると思うんですよね。結局、インフルエンザみたいにすぐ診断がつくものと、そうでないものはあると思います。精神科の場合、すぐ診断がつくものが少ないです。少し経過を見させてもらわないと、結局何の診断がつくのかわからない。
うつ状態になって来られる方でも、うつ状態になっているのがうつ病のせいなのか、適応障害なのか、双極性感情障害なのか、トラウマなのか、一体何が原因でうつ状態になっているのか、初診の時には十分わからない、ということが多いです。しばらく経過を見させてもらって、「ああ、適応障害だったんだな」とか「うつ病だったのかな」とかがわかってきます。
でもそうはいっても、初診の時に「多分適応障害かな」「双極性感情障害かも知れないな」という予想をつけることはもちろんあります。しかし、それを伝えるか伝えないか。そこにはすごく治療的な意味合いもあります。
病名を伝えることで、ほっとする方もいれば、病名を伝えることで、ショックを受ける方もいます。もちろん、ショックを受けるから伝えない、ということではないのですが、伝えるタイミングは重要だと思います。事実をなんでも乱暴に伝えればいい、というわけではないのです。
でもタイミングを見計らっているうちに、伝え忘れているということも、まあ、あります。ずっと通ってくれている患者さんに、「先生、私の病名って結局何ですか?」と改めて聞かれて、「あれ?伝えてなかったかしら…」と思うこともあるのです。
あと、病気とまでは言い難いけれども、色々悩んでいたりお困りだったりで、お話を聞いたりアドバイスをしたり、ということもあります。こころの悩みと、精神の病気の境目は、曖昧な場合もあります。なので、実際はっきりとした病名をつけられない場合というのもあります。
なので、精神科の医者が病名を言わない理由としては、
・もう少し経過をみないと、診断がつけられない
・病名を伝えることで、患者さんがショックを受けないか心配している
・うっかり伝え忘れ
・病名がつけられるほどの症状ではないのだけれども、お困りだから支援している
とかが考えられるかなと思います。
もちろん、診断書を作成するため等の理由で、暫定的な診断をつけることがあります。でも、それは経過を見ているうちに、変わることもあります。
それから、ひとことで「うつ病」といっても、症状や経過はさまざまです。お薬が効くか、効かないかもさまざまです。医学で診断をつける意義というのは、それで治療法が決まるから、という意味合いが大きいと思うんですね。でも、精神科の場合は、診断がついてもそれだけで治療法が決まるわけではない。結局、個別に、その人にあった治療を考えていく必要性が出てきます。そうなると、診断をつける意味がどれくらいあるのか?という疑問も出てきます。
なので、診断をつけることを嫌がる先生もいらっしゃるだろうな、と思います。私も、診断をつけてその診断が一人歩きみたいになるのは嫌です。診断は大事だけれども、診断や病名が全てを決めるわけではないと思っています。
でも、内科でも、他の科でも、そういう場合もあると思うんですよね。結局、インフルエンザみたいにすぐ診断がつくものと、そうでないものはあると思います。精神科の場合、すぐ診断がつくものが少ないです。少し経過を見させてもらわないと、結局何の診断がつくのかわからない。
うつ状態になって来られる方でも、うつ状態になっているのがうつ病のせいなのか、適応障害なのか、双極性感情障害なのか、トラウマなのか、一体何が原因でうつ状態になっているのか、初診の時には十分わからない、ということが多いです。しばらく経過を見させてもらって、「ああ、適応障害だったんだな」とか「うつ病だったのかな」とかがわかってきます。
でもそうはいっても、初診の時に「多分適応障害かな」「双極性感情障害かも知れないな」という予想をつけることはもちろんあります。しかし、それを伝えるか伝えないか。そこにはすごく治療的な意味合いもあります。
病名を伝えることで、ほっとする方もいれば、病名を伝えることで、ショックを受ける方もいます。もちろん、ショックを受けるから伝えない、ということではないのですが、伝えるタイミングは重要だと思います。事実をなんでも乱暴に伝えればいい、というわけではないのです。
でもタイミングを見計らっているうちに、伝え忘れているということも、まあ、あります。ずっと通ってくれている患者さんに、「先生、私の病名って結局何ですか?」と改めて聞かれて、「あれ?伝えてなかったかしら…」と思うこともあるのです。
あと、病気とまでは言い難いけれども、色々悩んでいたりお困りだったりで、お話を聞いたりアドバイスをしたり、ということもあります。こころの悩みと、精神の病気の境目は、曖昧な場合もあります。なので、実際はっきりとした病名をつけられない場合というのもあります。
なので、精神科の医者が病名を言わない理由としては、
・もう少し経過をみないと、診断がつけられない
・病名を伝えることで、患者さんがショックを受けないか心配している
・うっかり伝え忘れ
・病名がつけられるほどの症状ではないのだけれども、お困りだから支援している
とかが考えられるかなと思います。
もちろん、診断書を作成するため等の理由で、暫定的な診断をつけることがあります。でも、それは経過を見ているうちに、変わることもあります。
それから、ひとことで「うつ病」といっても、症状や経過はさまざまです。お薬が効くか、効かないかもさまざまです。医学で診断をつける意義というのは、それで治療法が決まるから、という意味合いが大きいと思うんですね。でも、精神科の場合は、診断がついてもそれだけで治療法が決まるわけではない。結局、個別に、その人にあった治療を考えていく必要性が出てきます。そうなると、診断をつける意味がどれくらいあるのか?という疑問も出てきます。
なので、診断をつけることを嫌がる先生もいらっしゃるだろうな、と思います。私も、診断をつけてその診断が一人歩きみたいになるのは嫌です。診断は大事だけれども、診断や病名が全てを決めるわけではないと思っています。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
うちの診療所は開業して今年の4月で9年経ちました。9年間お世話になった電子カルテシステムから、この春新しい電子カルテシステムに変更することにしました。
変更することになった経緯は以下のような流れです。
まず、オンライン診療をそろそろ始めようと思いました。
オンライン診療は、コロナ禍の時に、医療機関で導入するところが一気に増えたと思います。発熱外来での導入が目的だったと思うのですが、精神科・心療内科でオンライン診療を行うところも増えたように思います。そのような状況の中、初診で来る患者さんから、オンライン診療の話を聞くことがたまにありました。オンライン診療で診てもらったけれども、通常の対面診療をしてくれる診療所に行ってくださいと言われました、とのこと。紹介状もありませんし、PDFにて診断書だけもらった、といった話も聞いたり。なので、あまりオンライン診療に良い印象を持ってなかったんですね。失礼ながら、困ったらオンライン診療をしていないところに押し付けてくる、みたいな。
なので、コロナ禍ではオンライン診療をする気にどうしてもなれませんでした。
でも、コロナ禍の影響で、学会や研修会もオンラインで受けられることが増えました。会議もオンラインで参加したことがありますし、学校の懇談なんかもオンラインで受けたりしました。オンライン、とっても便利です。地方に住んでいると、学会や研修会に参加するのも、往復の時間も含めかなり時間を取られていましたから、移動せずに色々なサービスが受けられる恩恵は本当に大きいです。
また、産業医業務の中で、メンタル不調者の面談をオンラインでする機会もいただきました。対面じゃなくてオンラインで話すのって変な感じかな、と思っていましたが、思ったより大丈夫だな、という感触を持ちました。
技術の進歩の恩恵は、やはり積極的に取り入れたい。私のいる香川県は、島嶼部も多くて、通院に関して交通の不便な方、時間のかかる方も多いです。通院したいがその時間が取れない、交通が不便で通院するだけで疲れてしまう、といった悩みをお持ちの方に、オンラインという選択肢があると、通院を継続しやすくなるのではないかと考えました。
診療報酬改定で、精神科でもオンライン診療を行うと保険請求できるようになったことも大きかったです。2024年までの診療報酬体制では、オンライン診療だとほとんど保険請求できませんでした。診療所として経営を考えると、患者さんに自費の負担をかなりお願いしなければならなくなり、そこまでしてオンライン診療をしたいと希望される方がいらっしゃるだろうか?という疑問もありました。保険請求できるようになったことで、オンライン診療を行なっても、経営的にも収支が取れるようになりました。
そのような流れもあり、この春からオンライン診療を導入したのです。それに伴い、電子カルテを、オンライン診療と相性の良いものに変更しました。今度の電子カルテは、自宅のパソコンからもアクセスできるものにしました。家にいながら、電子カルテを見て仕事をすることが可能な環境になりました。そうなると、理論上は、オンライン診療のみであれば在宅ワークが可能、ということになります。
医療従事者で、在宅ワークなんて、あり得るのか?と思っていましたが、できなくはない環境になりました。私、ちょっと在宅ワークに憧れがあります。在宅ワークには在宅ワークの大変さもあると思うのですが、やったことないものへの憧れですよね。通勤のない生活。リラックスできる自宅での仕事。
しかし、まずは新しい電子カルテと、オンライン診療に慣れていくのが先決です。だいぶ練習しましたが、ふとした時に「あれ?」と思うことがあり、まだ前のカルテほど使いこなせてません。患者さんにお待たせする時間が長くならないよう、精進していこうと思います。
変更することになった経緯は以下のような流れです。
まず、オンライン診療をそろそろ始めようと思いました。
オンライン診療は、コロナ禍の時に、医療機関で導入するところが一気に増えたと思います。発熱外来での導入が目的だったと思うのですが、精神科・心療内科でオンライン診療を行うところも増えたように思います。そのような状況の中、初診で来る患者さんから、オンライン診療の話を聞くことがたまにありました。オンライン診療で診てもらったけれども、通常の対面診療をしてくれる診療所に行ってくださいと言われました、とのこと。紹介状もありませんし、PDFにて診断書だけもらった、といった話も聞いたり。なので、あまりオンライン診療に良い印象を持ってなかったんですね。失礼ながら、困ったらオンライン診療をしていないところに押し付けてくる、みたいな。
なので、コロナ禍ではオンライン診療をする気にどうしてもなれませんでした。
でも、コロナ禍の影響で、学会や研修会もオンラインで受けられることが増えました。会議もオンラインで参加したことがありますし、学校の懇談なんかもオンラインで受けたりしました。オンライン、とっても便利です。地方に住んでいると、学会や研修会に参加するのも、往復の時間も含めかなり時間を取られていましたから、移動せずに色々なサービスが受けられる恩恵は本当に大きいです。
また、産業医業務の中で、メンタル不調者の面談をオンラインでする機会もいただきました。対面じゃなくてオンラインで話すのって変な感じかな、と思っていましたが、思ったより大丈夫だな、という感触を持ちました。
技術の進歩の恩恵は、やはり積極的に取り入れたい。私のいる香川県は、島嶼部も多くて、通院に関して交通の不便な方、時間のかかる方も多いです。通院したいがその時間が取れない、交通が不便で通院するだけで疲れてしまう、といった悩みをお持ちの方に、オンラインという選択肢があると、通院を継続しやすくなるのではないかと考えました。
診療報酬改定で、精神科でもオンライン診療を行うと保険請求できるようになったことも大きかったです。2024年までの診療報酬体制では、オンライン診療だとほとんど保険請求できませんでした。診療所として経営を考えると、患者さんに自費の負担をかなりお願いしなければならなくなり、そこまでしてオンライン診療をしたいと希望される方がいらっしゃるだろうか?という疑問もありました。保険請求できるようになったことで、オンライン診療を行なっても、経営的にも収支が取れるようになりました。
そのような流れもあり、この春からオンライン診療を導入したのです。それに伴い、電子カルテを、オンライン診療と相性の良いものに変更しました。今度の電子カルテは、自宅のパソコンからもアクセスできるものにしました。家にいながら、電子カルテを見て仕事をすることが可能な環境になりました。そうなると、理論上は、オンライン診療のみであれば在宅ワークが可能、ということになります。
医療従事者で、在宅ワークなんて、あり得るのか?と思っていましたが、できなくはない環境になりました。私、ちょっと在宅ワークに憧れがあります。在宅ワークには在宅ワークの大変さもあると思うのですが、やったことないものへの憧れですよね。通勤のない生活。リラックスできる自宅での仕事。
しかし、まずは新しい電子カルテと、オンライン診療に慣れていくのが先決です。だいぶ練習しましたが、ふとした時に「あれ?」と思うことがあり、まだ前のカルテほど使いこなせてません。患者さんにお待たせする時間が長くならないよう、精進していこうと思います。
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投稿者: furujinmachi
当院のリワークデイケアのご案内チラシを作成したく、私がどうしてリワークデイケアの参加を勧めたいのか、どんな思いでリワークデイケアを始めたのか、当院自慢のリワークデイケアの内容はどんなものか、そういったことをこれまで綴ってきました。
改めて、どんな方に声をかけていくかから。
まず、リワークデイケアに参加いただくのは、現在メンタル不調で休職中の方。あるいはメンタル不調を理由に退職した方。そして、復職、転職を問わず、仕事を再開したい(しなければならない)方です。
しかし、休職してすぐの時期は、休養をすることを優先しなければならないことも多くて、リワークデイケアに参加していただくのは、休職して少し経って、うつ状態が少し軽減した頃が望ましいと思います。休職してすぐのうちは、家から出るのも辛いと思います。そういった時期は休養することが優先になります。
少し休養して良くなってきて、次のようなことを悩むようになった方にぜひ参加してほしいです。
「休職中は、どう過ごすのがいいのだろう?」
「休んで少し回復してきたけど、復職するのがすごく不安だ」
「復職して、また同じようにならないか心配だ」
リワークデイケアに参加するメリットとしては、次のような点が挙げられると思います。
・出かける予定ができるため、生活リズムを整えることに意識が向く
・徐々に活動性を上げていくことが、出社リハビリになる
・プログラム内容が、再発防止に役に立つ内容になっている
・同じ体験をした人との相互理解が深まる(このことに関しては、同じ経験をした人との語り合いを積極的に望む方と、そうでない方がいるので、プログラム内の発言に関しては、無理はしなくて良いと説明しています)。
プログラム内容としては、以下のようになります。
期間:3ヶ月間、週3回、午前中の開催
初級:1ヶ月
・生活記録表をつけます:現在どのくらい活動できているか、睡眠リズムはどうなっているかを確認し、休職中の体調の整え方を検討します。良い睡眠を取るための工夫についても説明します。
・メンタル不調や薬についての解説:自分の病気や治療について知ることは、療養生活の上ではとても大切です。
上級:2ヶ月
・自分の気持ちを整える方法、リラクゼーションについて解説:復職すればストレスは必ず受けます。ストレスを受けた時のリラックスの仕方を練習します。
・コミュニケーションの仕方の練習:ストレス軽減のためにはコミュニケーションも大切です。どのように自分の気持ちを伝えればいいのか、職場での適切なコミュニケーションについて練習します。
・認知行動療法プログラム:自分の考え方の癖の調整の仕方、問題解決法について、取り組みます。
・ライフ・ワーク・バランスについて:今回の休職に至った経緯について振り返り、再発予防について考えます。また、自分の生活の中で、仕事がどのような意義があるのかについて、気持ちを整理します。
こんな感じでしょうか。この内容をもとに、チラシを作ってみようと思います。
改めて、どんな方に声をかけていくかから。
まず、リワークデイケアに参加いただくのは、現在メンタル不調で休職中の方。あるいはメンタル不調を理由に退職した方。そして、復職、転職を問わず、仕事を再開したい(しなければならない)方です。
しかし、休職してすぐの時期は、休養をすることを優先しなければならないことも多くて、リワークデイケアに参加していただくのは、休職して少し経って、うつ状態が少し軽減した頃が望ましいと思います。休職してすぐのうちは、家から出るのも辛いと思います。そういった時期は休養することが優先になります。
少し休養して良くなってきて、次のようなことを悩むようになった方にぜひ参加してほしいです。
「休職中は、どう過ごすのがいいのだろう?」
「休んで少し回復してきたけど、復職するのがすごく不安だ」
「復職して、また同じようにならないか心配だ」
リワークデイケアに参加するメリットとしては、次のような点が挙げられると思います。
・出かける予定ができるため、生活リズムを整えることに意識が向く
・徐々に活動性を上げていくことが、出社リハビリになる
・プログラム内容が、再発防止に役に立つ内容になっている
・同じ体験をした人との相互理解が深まる(このことに関しては、同じ経験をした人との語り合いを積極的に望む方と、そうでない方がいるので、プログラム内の発言に関しては、無理はしなくて良いと説明しています)。
プログラム内容としては、以下のようになります。
期間:3ヶ月間、週3回、午前中の開催
初級:1ヶ月
・生活記録表をつけます:現在どのくらい活動できているか、睡眠リズムはどうなっているかを確認し、休職中の体調の整え方を検討します。良い睡眠を取るための工夫についても説明します。
・メンタル不調や薬についての解説:自分の病気や治療について知ることは、療養生活の上ではとても大切です。
上級:2ヶ月
・自分の気持ちを整える方法、リラクゼーションについて解説:復職すればストレスは必ず受けます。ストレスを受けた時のリラックスの仕方を練習します。
・コミュニケーションの仕方の練習:ストレス軽減のためにはコミュニケーションも大切です。どのように自分の気持ちを伝えればいいのか、職場での適切なコミュニケーションについて練習します。
・認知行動療法プログラム:自分の考え方の癖の調整の仕方、問題解決法について、取り組みます。
・ライフ・ワーク・バランスについて:今回の休職に至った経緯について振り返り、再発予防について考えます。また、自分の生活の中で、仕事がどのような意義があるのかについて、気持ちを整理します。
こんな感じでしょうか。この内容をもとに、チラシを作ってみようと思います。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
さて、当院のリワークデイケアについて書いてきました。私としても、書くことで、自分がこのリワークデイケアについてどう捉えているのか、何を患者さんに理解してもらって、体験してもらいたいと思っているのか、それが整理できてきたように思います。
上級の最後の柱が、ライフ・ワーク・バランスについてです。これは、自分の人生の中で、仕事をどう捉えるか、ということと、今回、休職に至った理由はなんだったのか、それの振り返りになります。おそらく、リワークデイケアのプログラムの中で、一番大変な内容で、でも、一番取り組む価値のある内容だと思います。
休職して、薬物治療を受けて、しばらく休養していると、それなりには回復されてこられる方が多いです。でも、今回なぜ休職に至るほどの状態になってしまったのか、そのことの振り返りをせずに復帰してしまうと、再発する可能性を高めてしまいます。もし今後、似たような状況になった時に、どのような対策を取ればいいのか、今回復職する際に、どのようなことを気をつけなければならないか、そのことを考える時間をとってほしいのです。
振り返りをする時には、自分ばかりを背めて、「自分が悪かったからこうなったのだ」と思い込んでいる方には、「自分が悪いとばかり思っていたが、仕方がなかった点もあるのではないか」「自分ではない人が同じ状況になっても、やはり大変だったのではないだろうか。自分の能力不足だけではなかったのではないか」といったように、自分以外のところにも原因があったことに目を向けられるようになると良いと思います。
また、「上司のせいで休職になった」「同僚に理解がなく自分ばかりがしんどい思いをした」「とにかく仕事が忙しすぎた」といったように、周りの環境の問題を大きく捉えている人の場合は、「自分の伝え方が不十分で自分のしんどさがわかってもらえてなかったのかも」といったような、自分側で工夫できる点がなかったのかを考えられるようになると良いと思います。休職という大変な状況になるのは、たった一つの出来事が原因だったことは極めて稀で、いろんな要因が絡まって、メンタル不調に陥ってしまっています。
それは、仕事だけの要因にとどまらず、プライベート、家族や親しい人との中での問題が関係している場合もあります。今回、回復したのちには、いったいどのような生活、どのような人生を送っていきたいのか。その振り返りをしていく中で、復職ではなく転職を考えるようになる人もいます。でも、それはそれでいいと思います。自分が自分らしく生きていくには、どのような選択があるのか、それを考える一助に、このプログラムが役に立つといいなと思っています。
さて、プログラムの内容も自分なりに振り返りました。いよいよ、チラシ作りに入っていきたいと思います。
上級の最後の柱が、ライフ・ワーク・バランスについてです。これは、自分の人生の中で、仕事をどう捉えるか、ということと、今回、休職に至った理由はなんだったのか、それの振り返りになります。おそらく、リワークデイケアのプログラムの中で、一番大変な内容で、でも、一番取り組む価値のある内容だと思います。
休職して、薬物治療を受けて、しばらく休養していると、それなりには回復されてこられる方が多いです。でも、今回なぜ休職に至るほどの状態になってしまったのか、そのことの振り返りをせずに復帰してしまうと、再発する可能性を高めてしまいます。もし今後、似たような状況になった時に、どのような対策を取ればいいのか、今回復職する際に、どのようなことを気をつけなければならないか、そのことを考える時間をとってほしいのです。
振り返りをする時には、自分ばかりを背めて、「自分が悪かったからこうなったのだ」と思い込んでいる方には、「自分が悪いとばかり思っていたが、仕方がなかった点もあるのではないか」「自分ではない人が同じ状況になっても、やはり大変だったのではないだろうか。自分の能力不足だけではなかったのではないか」といったように、自分以外のところにも原因があったことに目を向けられるようになると良いと思います。
また、「上司のせいで休職になった」「同僚に理解がなく自分ばかりがしんどい思いをした」「とにかく仕事が忙しすぎた」といったように、周りの環境の問題を大きく捉えている人の場合は、「自分の伝え方が不十分で自分のしんどさがわかってもらえてなかったのかも」といったような、自分側で工夫できる点がなかったのかを考えられるようになると良いと思います。休職という大変な状況になるのは、たった一つの出来事が原因だったことは極めて稀で、いろんな要因が絡まって、メンタル不調に陥ってしまっています。
それは、仕事だけの要因にとどまらず、プライベート、家族や親しい人との中での問題が関係している場合もあります。今回、回復したのちには、いったいどのような生活、どのような人生を送っていきたいのか。その振り返りをしていく中で、復職ではなく転職を考えるようになる人もいます。でも、それはそれでいいと思います。自分が自分らしく生きていくには、どのような選択があるのか、それを考える一助に、このプログラムが役に立つといいなと思っています。
さて、プログラムの内容も自分なりに振り返りました。いよいよ、チラシ作りに入っていきたいと思います。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
上級プログラムについての紹介をしておりました。上級プログラムの2つ目の柱が認知行動療法なのですが、これについて詳しく書こうと思うと、それだけでシリーズになってしまうので詳細は割愛します。簡単に説明すると、自分の考え方の癖に気づいて、ものごとを少し違った見方をする練習をしていただきます。それと、何か困ったことがあった時に、解決法を柔軟に考える練習をしていただきます。仕事をしていると、ストレスに感じることや困ることはたくさんあります。でも、それに対処したり解決したり、上手く逸らしたりする方法を知っていると、ストレスがあっても、調子を大きく崩さずに乗り切れる可能性が高くなると思うのです。
認知行動療法は今大変流行りで、患者さんから「認知行動療法を受けたい」という要望をいただいたり、「どこそこから認知行動療法というものを受けるように言われてきました」とおっしゃられる方が来られたりします。ご要望に応えられるよう、私もスタッフも研鑽を積んでおりますが、とにかくマンパワー不足です。ワンツーマンで認知行動療法をしているだけの余裕がなかなかありません。なので、リワークデイケアというグループで認知行動療法をするのは非常に効率が良いです。それに、週に1回のペースで実施できるので、かなりのハイペースで認知行動療法が受けられることになります。
また、効率だけではなく、グループで実施すること自体の効果もあります。認知行動療法は、アイデアが結構大事なところがあります。いろんなものの見方や、問題解決の作戦など、とにかくアイデアをたくさん出して、それを吟味することが重要です。複数人で話し合うと、当然いろんなアイデアが出てきます。そして、そこにはメンタル不調を経験した当事者じゃないと出てこない発想もあったりするのです。医療従事者と一対一でするより、たくさんの気づきが得られるのではないかと思っています。
ただ、日本人はどうにもシャイなところがあり、グループで話し合う、みたいなのは苦手意識を持つ方も多いですよね。ですので、グループの良さを最初説明してもあまり納得されない方が多いです。なので仕方なく、早くたくさん認知行動療法を受けたいのであれば、リワークデイケアに参加するのがおすすめです、と説明することが多いです。実際参加してみていただけたら、グループの良さを実感されるのかな、と思っています。
明日は、上級の最後の柱、ライフ・ワークバランスについて書きたいと思います。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
昨日の記事にちょっと嘘を書いていたというか、間違ってました。上級のプログラムについてです。こっそり修正しました。プログラム内容がちょっと間違ってました。
上級プログラムのアサーショントレーニングですが、これはコミュニケーションの練習になります。メンタル不調になる方は、コミュニケーションの問題を抱えていることが多いです。そもそもうまく話せない、という方もいますし、ちゃんと周囲と話せている方でも、自分の気持ちを伝えたり、相手にお願いをしたりするのはかなり苦手、という方が多いです。
一般的な職場で、メンタル不調にならずに過ごしていくためには、コミュニケーション力はほぼ必須です。日本の仕事のスタイルで、誰とも関わらずに働くのはかなり難しいです。コミュニケーション力は、元々の素質もあると思います。でも、スキルとして鍛えることも可能です。どうすれば良いコミュニケーションになるのかを、考えてもらいます。
自分の気持ちを伝える時に、問題になるのは、何か交渉するときや、お願い事をする時になると思います。この時に、自分が我慢して相手に何も交渉しない話し方と、相手を責めて自分の意見だけを押し付けようとする話し方と、両極端の話し方を考えてもらって、その間くらいの言い方ってどうなるかな?みたいな感じで、ちょうど良いところを考えていきます。
自分が普段、どんなコミュニケーションになっているかを考えるのも大事です。言い方って、相手によっても違う時もありますよね。職場で自己主張できない方が、家庭ではわがままになってしまっている場合があったり。職場で色々と不平不満を言っても、家庭では無口だったり。会話量の問題もありますよね。話をほとんどしない人もいれば、すごく話しすぎる人もいる。でも、なんでも「ほどほど」がよかったりしますから、話をしない人は話す練習があった方がいいし、話しすぎる人は、黙って相手の話を聞く練習をした方がいい。
それと、コミュニケーションが苦手な人は、「こんなこと言ったらどう思われるだろう?」という不安を感じている人が多いと思うんですよね。その不安を解消するためにも、コミュニケーションの練習は、グループでやるのがいいと思っています。グループで練習すると、他の参加者に、自分の発言を聞いてどう感じるか感想を聞くことができます。いろんな人が、いろんな受け止め方をしますが、でも、当人が心配しているような反応ではないことが多いんですね。「どうして欲しいか言ってくれたほうが手伝いやすい」とか「嫌だったことを言われるとちょっと傷つくけど、黙って我慢されてるのも嫌かな」とか。自分の気持ちを伝えることの大切さを知っていただきたいと思います。
まだもうちょっと続きます。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
リワークデイケアの話をいつまで続けるのだろうと自分でも思っているのですが、ずっと長い時間noteの記事を書いていると疲れたり飽きたりしてしまうので、少しずつ書くしかないのです。書き終わったら自分まとめ記事にしようかなと思ったり。書く時間も基本朝活で、と思っているのですが、朝活で運動をしようかと思ったり。そうすると夜に書いてみたりと、自分の中での生活習慣もまだ試行錯誤中です。
とにかくこのリワークデイケアシリーズのスタートは、患者さんにリワークデイケアについて説明する案内文を作りたいところからだったんです。でも案内文が完成する前に、日々の勧誘活動が始まっております。
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さて、いよいよ上級の内容です。上級は、うちのリワークデイケアでのイチオシプログラムです。時々、復職までの期間が短く、初級だけ参加して復職する方がいらっしゃるんですが、それは本当はとっても勿体無いです(休める期間が会社によって異なるので仕方ないのですが)。初級は、上級に参加するための予備運動だと思っていただきたい。でも、初級だけでも参加する意味は十分あると思っていますので、初級だけ参加の方も歓迎しています。
上級のプログラムには、大きく3つの柱があります。一つがマインドフルネスとアサーショントレーニング。それともう一つが認知行動療法。そして最後の一つがライフ・ワークバランスの見直しです。
まずマインドフルネス。これも、認知行動療法の一つで、「今、ここ」に集中する練習になります。人は、日常生活を「自動操縦」で送っていることが多いんですよね。あまり考えたり感じたりしなくても、それなりに「いつも通りの毎日」を過ごせるようになっています。でも、そうすることで、無意識にいろんなストレスを抱え込み、なぜ自分がしんどくなっているのか気づかなくなってしまったりすることがあります。また、毎日を機械的に過ごすことで、喜びや楽しみを感じにくくなってしまいます。
マインドフルネスは、今をしっかりと感じる練習になります。自分が今、何を感じているのか?自分が今、どんな思考を持っているのか?「食べるマインドフルネス」では、食べ物を口に入れ、それをしっかりと感じる体験をします。今までとは違う食べ方、感じ方をすることで、いろんな気づきを得ます。また、今に集中することで、過去の記憶や未来の不安から解放され、リラックス効果があります。
他にも「歩くマインドフルネス」とか、いろんなやり方があります。きっと自分に合う、日々の生活に取り込みやすいマインドフルネスの方法が見つかると思います。
上級からは、感想などの意見交換をする機会が増えます。マインドフルネスも、最初はちょっとよくわからないとか、コツが掴めないとかの悩みがあります。でもそこで、他の参加者も同じような感想を言っていると安心したり、他の人の工夫を聞いて参考になったりします。一人でやるより、気づくことが増えてきます。
とにかくこのリワークデイケアシリーズのスタートは、患者さんにリワークデイケアについて説明する案内文を作りたいところからだったんです。でも案内文が完成する前に、日々の勧誘活動が始まっております。
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さて、いよいよ上級の内容です。上級は、うちのリワークデイケアでのイチオシプログラムです。時々、復職までの期間が短く、初級だけ参加して復職する方がいらっしゃるんですが、それは本当はとっても勿体無いです(休める期間が会社によって異なるので仕方ないのですが)。初級は、上級に参加するための予備運動だと思っていただきたい。でも、初級だけでも参加する意味は十分あると思っていますので、初級だけ参加の方も歓迎しています。
上級のプログラムには、大きく3つの柱があります。一つがマインドフルネスとアサーショントレーニング。それともう一つが認知行動療法。そして最後の一つがライフ・ワークバランスの見直しです。
まずマインドフルネス。これも、認知行動療法の一つで、「今、ここ」に集中する練習になります。人は、日常生活を「自動操縦」で送っていることが多いんですよね。あまり考えたり感じたりしなくても、それなりに「いつも通りの毎日」を過ごせるようになっています。でも、そうすることで、無意識にいろんなストレスを抱え込み、なぜ自分がしんどくなっているのか気づかなくなってしまったりすることがあります。また、毎日を機械的に過ごすことで、喜びや楽しみを感じにくくなってしまいます。
マインドフルネスは、今をしっかりと感じる練習になります。自分が今、何を感じているのか?自分が今、どんな思考を持っているのか?「食べるマインドフルネス」では、食べ物を口に入れ、それをしっかりと感じる体験をします。今までとは違う食べ方、感じ方をすることで、いろんな気づきを得ます。また、今に集中することで、過去の記憶や未来の不安から解放され、リラックス効果があります。
他にも「歩くマインドフルネス」とか、いろんなやり方があります。きっと自分に合う、日々の生活に取り込みやすいマインドフルネスの方法が見つかると思います。
上級からは、感想などの意見交換をする機会が増えます。マインドフルネスも、最初はちょっとよくわからないとか、コツが掴めないとかの悩みがあります。でもそこで、他の参加者も同じような感想を言っていると安心したり、他の人の工夫を聞いて参考になったりします。一人でやるより、気づくことが増えてきます。
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投稿者: furujinmachi
リワークデイケアお知らせチラシを作りたい思いからここまで記事を書いてきました。
隙間時間に少しずつ記事を書いて、朝活で仕上げているのですが、きちんと書き上げてから投稿しようとするとすごく時間がかかってしまうので、書いたものから少しずつ投稿しており、細切れになっております。
当院のリワークデイケアの特徴ですが、週3日で、3ヶ月間の期間でプログラムを組んでいます。最初の1ヶ月間が初級で、次の2ヶ月間が上級です。初級のうちは、担当スタッフがレクチャーをして、それを聞いてもらったり、個々に課題に取り組んでもらったりと、座学が中心になります。上級になると、その日のテーマに関してお互い意見を出し合ったりする機会が増えます。
開催当初は参加人数の少なかったリワークデイケアですが、昨年くらいから、10人ずつくらい参加してくれるようになりました。まだうつ状態が十分改善していない方も多く、最初から発言を求められると負担が大きいと思います。そのため、ある程度グループの雰囲気に慣れてから、発言する機会を増やすようになっています。全て座学で終わりにするのもよくなくて、お互いの意見を聞くことで、気づきが深まる部分があると思います。
初級プログラムの内容です。まず活動記録表をつけて、それを元に睡眠リズムについて見ていきます。1日の中で、何時に起きて、日中何をして、そして何時に寝ているか。そこで日中どれくらい動けているか、何をしている時に負担を感じて、何をしていると少し気分が楽になっているのか。頑張って無理して疲れてしまうというパターンになっていないか。活動記録から見えてくることはたくさんあります。
そして睡眠リズムを見ることで、睡眠についての理解を深めていただきます。睡眠に関する認知行動療法をベースとして、よく眠るための工夫を伝え、間違った睡眠衛生に陥っていないかを確認します。工夫してもあまり眠れていない時は、患者さん本人やスタッフから、私に報告があって、お薬で工夫するかどうかも検討します。
それから、病気やお薬についてのレクチャーがあります。私が説明する動画を見ていただいて、スタッフが補足して説明しています。診察では病気についての細かな説明や、薬についての細かな知識をお伝えするのがなかなか難しいですが、実際はきちんと知っていただくのは大切なことと思います。実際、このレクチャーを受けたのちに、「私は実はこういう悩みもあったのですが、レクチャーでこれも病気の症状と知りました」「お薬はしんどい時だけ飲めばいいのかと思ってました、毎日飲んだほうがいいのですね」といった感想を診察の時にいただくことがあります。きちんと診察で伝えきれていないことを反省するばかりです。でも、診察時間でできることは限られています。だからこそ、リワークデイケアを始めたのだし、リワークデイケアに参加していただく意義があるのだと思っています。
隙間時間に少しずつ記事を書いて、朝活で仕上げているのですが、きちんと書き上げてから投稿しようとするとすごく時間がかかってしまうので、書いたものから少しずつ投稿しており、細切れになっております。
当院のリワークデイケアの特徴ですが、週3日で、3ヶ月間の期間でプログラムを組んでいます。最初の1ヶ月間が初級で、次の2ヶ月間が上級です。初級のうちは、担当スタッフがレクチャーをして、それを聞いてもらったり、個々に課題に取り組んでもらったりと、座学が中心になります。上級になると、その日のテーマに関してお互い意見を出し合ったりする機会が増えます。
開催当初は参加人数の少なかったリワークデイケアですが、昨年くらいから、10人ずつくらい参加してくれるようになりました。まだうつ状態が十分改善していない方も多く、最初から発言を求められると負担が大きいと思います。そのため、ある程度グループの雰囲気に慣れてから、発言する機会を増やすようになっています。全て座学で終わりにするのもよくなくて、お互いの意見を聞くことで、気づきが深まる部分があると思います。
初級プログラムの内容です。まず活動記録表をつけて、それを元に睡眠リズムについて見ていきます。1日の中で、何時に起きて、日中何をして、そして何時に寝ているか。そこで日中どれくらい動けているか、何をしている時に負担を感じて、何をしていると少し気分が楽になっているのか。頑張って無理して疲れてしまうというパターンになっていないか。活動記録から見えてくることはたくさんあります。
そして睡眠リズムを見ることで、睡眠についての理解を深めていただきます。睡眠に関する認知行動療法をベースとして、よく眠るための工夫を伝え、間違った睡眠衛生に陥っていないかを確認します。工夫してもあまり眠れていない時は、患者さん本人やスタッフから、私に報告があって、お薬で工夫するかどうかも検討します。
それから、病気やお薬についてのレクチャーがあります。私が説明する動画を見ていただいて、スタッフが補足して説明しています。診察では病気についての細かな説明や、薬についての細かな知識をお伝えするのがなかなか難しいですが、実際はきちんと知っていただくのは大切なことと思います。実際、このレクチャーを受けたのちに、「私は実はこういう悩みもあったのですが、レクチャーでこれも病気の症状と知りました」「お薬はしんどい時だけ飲めばいいのかと思ってました、毎日飲んだほうがいいのですね」といった感想を診察の時にいただくことがあります。きちんと診察で伝えきれていないことを反省するばかりです。でも、診察時間でできることは限られています。だからこそ、リワークデイケアを始めたのだし、リワークデイケアに参加していただく意義があるのだと思っています。
カテゴリー: 総合
投稿者: furujinmachi
リワークデイケアにお誘いするのは休職中の方です。それと、休職中の方だけでなく、退職してしまったけれども、なんとか転職して社会復帰したいと思っている方にも参加していただいています。
休職中あるいは退職後の方でも、たとえば女性で、家事や育児が忙しい、親の介護をされている、そういった方で、日中の活動性が十分保たれている方には、声をかけないことがあります。ある程度、家事や育児、介護をすることが、社会復帰をするリハビリになっている部分があるからです。
でも、家事や育児を頑張り過ぎてしまう方は、お声かけをすることがあります。「ねばならない」思考が強くて、手を抜けず、「せめて家にいるときは、家事育児をちゃんとしなければ」と思っている方は、復職した時に、仕事も頑張り過ぎてしまうことが多いです。考え方を柔軟にしていただく必要性を強く感じます。
あと、「休職中に何をしたらいいかわからない」「早く良くなるためにどうしたらいいのだろうか」と悩んでいる方にもお声かけします。もう少し病状が良くなるまで、焦ってほしくないのですが、何もしていないことがしんどくなってしまうので、リワークデイケアに参加する、ということ自体が、安心感につながることが期待できます。
それから、「復帰しなければと思うけれども、うまく働けるだろうか」「うつは治ってきたけれども、体力も気力もまだ十分戻っていないと思う」といった方。本来リワークデイケアに参加していただきたいのは、ある程度抑うつ気分は改善してきたけれども、まだ体力や認知機能(集中力や思考力)、意欲といったものが十分回復していない方です。デイケアを通して、社会復帰できるところまで回復していただきます。
あるいは「せっかく元気になったけれども、復帰したらまた悪くなるんじゃないだろうか」「復帰するのがどうしても不安だ」とおっしゃる方。そういう方にもお声かけします。休職するに至った経緯の振り返りが役に立つと思うからです。
それと、長く休んでいるけれども、なかなか回復しない、という方にもお声かけしています。活動性が下がってしまっていることや、人と関わらない状況自体が、回復を妨げている可能性があるからです。
こうやって書いてみると、私自身が、リワークデイケアの意義や目的をどう捉えているのか、それが整理されてきたように思います。
次回は、当院のリワークデイケアの特徴や、参加された方の感想などをまとめてみたいと思います。