精神科医のつぶやき「精神科医はあまり病名を言わないところがあると思います」 (2025/05/09)
投稿者: furujinmachi
よく患者さんに「私の病名は何になりますか?」と聞かれることがあります。精神科って、確かに、初めて来られたときに「あなたの病名はこれです」ってはっきり言わないところがあると思います。
でも、内科でも、他の科でも、そういう場合もあると思うんですよね。結局、インフルエンザみたいにすぐ診断がつくものと、そうでないものはあると思います。精神科の場合、すぐ診断がつくものが少ないです。少し経過を見させてもらわないと、結局何の診断がつくのかわからない。
うつ状態になって来られる方でも、うつ状態になっているのがうつ病のせいなのか、適応障害なのか、双極性感情障害なのか、トラウマなのか、一体何が原因でうつ状態になっているのか、初診の時には十分わからない、ということが多いです。しばらく経過を見させてもらって、「ああ、適応障害だったんだな」とか「うつ病だったのかな」とかがわかってきます。
でもそうはいっても、初診の時に「多分適応障害かな」「双極性感情障害かも知れないな」という予想をつけることはもちろんあります。しかし、それを伝えるか伝えないか。そこにはすごく治療的な意味合いもあります。
病名を伝えることで、ほっとする方もいれば、病名を伝えることで、ショックを受ける方もいます。もちろん、ショックを受けるから伝えない、ということではないのですが、伝えるタイミングは重要だと思います。事実をなんでも乱暴に伝えればいい、というわけではないのです。
でもタイミングを見計らっているうちに、伝え忘れているということも、まあ、あります。ずっと通ってくれている患者さんに、「先生、私の病名って結局何ですか?」と改めて聞かれて、「あれ?伝えてなかったかしら…」と思うこともあるのです。
あと、病気とまでは言い難いけれども、色々悩んでいたりお困りだったりで、お話を聞いたりアドバイスをしたり、ということもあります。こころの悩みと、精神の病気の境目は、曖昧な場合もあります。なので、実際はっきりとした病名をつけられない場合というのもあります。
なので、精神科の医者が病名を言わない理由としては、
・もう少し経過をみないと、診断がつけられない
・病名を伝えることで、患者さんがショックを受けないか心配している
・うっかり伝え忘れ
・病名がつけられるほどの症状ではないのだけれども、お困りだから支援している
とかが考えられるかなと思います。
もちろん、診断書を作成するため等の理由で、暫定的な診断をつけることがあります。でも、それは経過を見ているうちに、変わることもあります。
それから、ひとことで「うつ病」といっても、症状や経過はさまざまです。お薬が効くか、効かないかもさまざまです。医学で診断をつける意義というのは、それで治療法が決まるから、という意味合いが大きいと思うんですね。でも、精神科の場合は、診断がついてもそれだけで治療法が決まるわけではない。結局、個別に、その人にあった治療を考えていく必要性が出てきます。そうなると、診断をつける意味がどれくらいあるのか?という疑問も出てきます。
なので、診断をつけることを嫌がる先生もいらっしゃるだろうな、と思います。私も、診断をつけてその診断が一人歩きみたいになるのは嫌です。診断は大事だけれども、診断や病名が全てを決めるわけではないと思っています。
でも、内科でも、他の科でも、そういう場合もあると思うんですよね。結局、インフルエンザみたいにすぐ診断がつくものと、そうでないものはあると思います。精神科の場合、すぐ診断がつくものが少ないです。少し経過を見させてもらわないと、結局何の診断がつくのかわからない。
うつ状態になって来られる方でも、うつ状態になっているのがうつ病のせいなのか、適応障害なのか、双極性感情障害なのか、トラウマなのか、一体何が原因でうつ状態になっているのか、初診の時には十分わからない、ということが多いです。しばらく経過を見させてもらって、「ああ、適応障害だったんだな」とか「うつ病だったのかな」とかがわかってきます。
でもそうはいっても、初診の時に「多分適応障害かな」「双極性感情障害かも知れないな」という予想をつけることはもちろんあります。しかし、それを伝えるか伝えないか。そこにはすごく治療的な意味合いもあります。
病名を伝えることで、ほっとする方もいれば、病名を伝えることで、ショックを受ける方もいます。もちろん、ショックを受けるから伝えない、ということではないのですが、伝えるタイミングは重要だと思います。事実をなんでも乱暴に伝えればいい、というわけではないのです。
でもタイミングを見計らっているうちに、伝え忘れているということも、まあ、あります。ずっと通ってくれている患者さんに、「先生、私の病名って結局何ですか?」と改めて聞かれて、「あれ?伝えてなかったかしら…」と思うこともあるのです。
あと、病気とまでは言い難いけれども、色々悩んでいたりお困りだったりで、お話を聞いたりアドバイスをしたり、ということもあります。こころの悩みと、精神の病気の境目は、曖昧な場合もあります。なので、実際はっきりとした病名をつけられない場合というのもあります。
なので、精神科の医者が病名を言わない理由としては、
・もう少し経過をみないと、診断がつけられない
・病名を伝えることで、患者さんがショックを受けないか心配している
・うっかり伝え忘れ
・病名がつけられるほどの症状ではないのだけれども、お困りだから支援している
とかが考えられるかなと思います。
もちろん、診断書を作成するため等の理由で、暫定的な診断をつけることがあります。でも、それは経過を見ているうちに、変わることもあります。
それから、ひとことで「うつ病」といっても、症状や経過はさまざまです。お薬が効くか、効かないかもさまざまです。医学で診断をつける意義というのは、それで治療法が決まるから、という意味合いが大きいと思うんですね。でも、精神科の場合は、診断がついてもそれだけで治療法が決まるわけではない。結局、個別に、その人にあった治療を考えていく必要性が出てきます。そうなると、診断をつける意味がどれくらいあるのか?という疑問も出てきます。
なので、診断をつけることを嫌がる先生もいらっしゃるだろうな、と思います。私も、診断をつけてその診断が一人歩きみたいになるのは嫌です。診断は大事だけれども、診断や病名が全てを決めるわけではないと思っています。