渋沢栄一 ??

今回、大河ドラマの主人公である
渋沢栄一。
正直、何で大河ドラマの主人公になったり
1万円札の顔になるのかが
よくわからない。。。。。。
大河ドラマ見てみよっと。

そういえば、1000円札の野口英生
われわれ医師の間では、
もう一つ偉人という
感覚が無い。
なぜならば、医学的な功績が
残っていないからである。
一般の人には
驚くべきことかもしれないが、
医学部で6年間、講義を受けて
野口英生の名前が出てくることがない。

野口英夫は黄熱病の研究で有名なのだが
黄熱病はウイルスが原因の疾患で、
当時、光学顕微鏡しかない時代に
ウイルスを見る方法がなく
(電子顕微鏡なら見える)
結局、結果が得られなかったのである。
唯一の功績は野口培地という
梅毒の純粋培養の培地を作ったのだが
今ではこれも否定的。

当時は、梅毒の研究を中心に
ノーベル賞の候補にも名前が上がったのだが
今では、研究手法や論文の内容に
対して、批判的な者が多い。
(今ではとても認められない)

(医学者としては
志賀潔や、北里柴三郎の方が
業績を残しており、
ノーベル賞をもらっても
おかしくなかったが、医学賞は
当時、やや人種的偏見があったようだ。)

野口英生は、当時から日本だけでなく
世界的に有名な医学者であり
人種差別の中で、大変な努力を
したことは間違いない
しかし、
冷たい様だが、科学というのは
それだけ厳しい世界なのである。
実をいうと山中教授が
ノーベル賞をもらったときにも
われわれの間では首を
かしげる物が多かった。

なぜならば、ノーベル賞は
この部門では、研究の成果だけではなく
その成果が後にどれだけ社会に貢献したかが
受賞のハードルになっており、
例えば、今では有名になっている
ピロリ菌だが
(胃がんの原因の一つと考えられている)
受賞は、ピロリ菌の除菌で
胃がんの発生率が低下したことが
確認されてから受賞している。
(それでも早いといわれていた)

IPS細胞は医学的に貢献して
行くことは間違いないのだが
いずれノーベル賞をもらうことは
間違いないであろうが、
早すぎるのではないかというのが
われわれの中では
一般的なのである。
それだけ科学というのは厳しい世界なのである。

理科系の人間は、
皆、一度は、アインシュタインの様な
スーパースターに憧れる
のであるが、そこには
なみなみなる努力以外に、
運、トピックス性、世間でのウケ
など、いろいろな要素が絡んでくる

日が当たらないところで
大変な努力をしている人達は
沢山いるのだが、
有名人はピラミットの
ほんの先端にある砂粒ほどの
人間といっていい

渋沢栄一か、、、、
大河ドラマはやっぱり明治以前がいいな。。。
と思いつつ
今年1年、見る予定。