糖尿病はこれまで、血液検査で調べる血糖値(空腹時血糖、食後血糖値、随時血糖値など)で主に診断されていましたが、新しい診断基準では血糖値と HbA1cの両方で診断を行うようになりました。(今までの糖尿病診断基準では、HbA1cは補助的な位置づけでした。)
すなわち、新しい診断基準では、血糖値とHbA1cが両方とも糖尿病型の場合は、すぐに糖尿病と確定診断されます。いずれか一方だけが糖尿病型の場合は再検査となります。


また今まで使われてきたHbA1cの日本の値(JDS値)は国際的な値(NGSP値)より約0.4%低く出ることが判明し、2010年7月1日より日本でもNGSP値に統一されることになりました。ということで、糖尿病の診断基準もHbA1cは6.5%以上となります。(以前のJDS値では6.1%以上でした。)
ただ、現在、糖尿病で治療中の患者さんにとっては、HbA1cが0.4%上がるわけで、急に血糖コントロールが悪化したと誤解されてしまうこともありえますので、混乱を避けるために2012 年3月までは、JDS値とNGSP値が併記される予定です。いずれにせよ、患者さんにとっては測定方法が変わっただけで今までどおりの治療および血糖管理を続ければいいということになります。

HbA1c(ヘモグロビンエイワンシー):血液中で酸素を運ぶヘモグロビンとブドウ糖が結合した物質で、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映します。血糖値と違い直前の食事の影響を受けませんので、検査前だけ食事を抑えても、日頃の不摂生があれば高値となります。つまりごまかしがききません。