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近視は治るのですか?


日々の診察中によく聞かれる質問です。
正直、難しい質問なのですが、以下が私なりの回答です。

近視の進行には、遺伝や環境など、多数の因子が絡み合っています。
ごく初期の近視になりかけの調節けいれん(仮性近視)の時期なら、生活環境を改善したり、WOCなどのトレーニング、ミドリンM点眼薬などの調節改善薬をすることで治ることがあります。しかし近視も固まってしまうと元には戻りません。
近視が固まるとは医学的には、眼軸長(目の長さ)が長くなったり、角膜曲率(黒目のカーブ)が強くなってしまうことを言います。子供さんが近視になって落ち込む親御さんが多いですが、近視は、言うまでもなく目の病気ではありません。
眼鏡やコンタクトレンズで視力が出るのなら、全く問題はないと考えています。本当に目に病気があって視力が落ちている場合は、いくら眼鏡やコンタクトレンズをつけても矯正視力は出ません。近視とは「悪い目」ではなく「近くにピントの合う目」のことだと考えてください。
遠くが見えにくい場合は、まずは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正することをお勧めします。
中学生以下の場合は、目の健康を考えて眼鏡が第一選択となります。コンタクトレンズは高校生以上になってから考えて下さい。

近視は治るのですか?
それでも眼鏡やコンタクトレンズが嫌な場合は、現在、エキシマレーザーによる近視矯正手術(PRK,LASIK,Epi-LASIK)などの方法で近視を治すことが可能です。しかし近視矯正手術は20歳以上かつ視力が安定していることが条件となります。近視が進行する可能性のある20歳未満の成人前の方は適応外となります。近視矯正手術は、昔に比べて、かなり安全にはなってきていますが、まだ少し問題点も残っています。次回は、そのことについてお話したいと思います。


※当院では、近視矯正手術は行っておりません。
近視矯正手術は、大学病院もしくは近視矯正手術専門の病院のみで行われています。近視矯正手術には高度な設備とスペースが必要ですので、一般の眼科診療所では、まず行っておりませんのでお間違えのないようにお願いします。