まだ5月後半だというのに、30度以上の地域もあるようで、今年の夏はかなり辛そうです。
皆様体調管理をしっかりなさってください。


さて、今回のレコードジャケットは先頃来日し、大好評だったTOTOと、これまた数十年ぶりに来日するBOSTONを特集してみました。


まずは玄関先です。




toto1.jpg



TOTOの1982年発表の4作目、「Ⅳ」です。

リリース当時、私は中2でして、このアルバムを貸しレコード屋で借りてマクセルのUDテープに落とし、それこそテープが擦り切れるまで聴いたものです。

「ロザーナ」がヒューマンリーグの「愛の残り火」(勿論名曲ですが・・・。)に阻まれ、なかなかビルボードチャートの一位になれませんで、ヤキモキしながら「アメリカントップ40」を聴いてたら、とうとうヒューマンリーグが下位にダウンしたので、
「やった!今週はトトが一位だ!!」と思ったら、赤丸急上昇してきたSteve Miller Bandの「アブラカダブラ」にスルッと持って行かれた時の悔しさは今でも忘れられません。


その後、「アフリカ」で念願の一位をさらっと獲得しましたがね・・・。


私はこのアルバムはちょっとTOTOにしては出来過ぎな感が昔からあります。
勿論、全員がスタジオミュージシャンなので、演奏が巧いのは当たり前ですが、何というか、それまでの彼らの魅力でもあった「はっちゃけぶり」が皆無なんですよね。
2曲目の「Make Believe」なんて、素晴らしすぎますが、あまりにもアダルト過ぎてトトじゃないみたいです。


セカンドアルバム「Hydra」のB面一曲目「All us boys」の「俺たちゃ音楽死ぬほど好きだもんね!」的なノリノリのはじけた演奏が彼らの真骨頂だと思います。


日頃スタジオで譜面通りかそれに近いアレンジで初見で演奏させられ、巧くなくちゃ当たり前、なおかつリスナーを唸らせるソロを盛り込んでね!というプロデューサーの無茶振りをこなしていくうちに溜まったフラストレーションを発散させる為のバンドだった筈ですから・・・。


1980年の初来日のライブ音源を聴くと、若さもありますが、全員すさまじくノリノリのプレイをしており、ブッ飛びます。
特にジェフポーカロのオカズ満載ながら決して乱れぬドラミングは凄いです。


そういう意味では、最もトトらしいアルバムは「Hydra」と「Turn Back」なんでしょうね。


個人的には最高傑作はデヴュー作「TOTO」なんですが、これはそれまで温めてきた曲を時間をかけた最高のアレンジでじっくり演奏してますから、出来が良いのは当たり前なんですね。



お次はBOSTONです。



toto2.jpg



MIT(マサチューセッツ工科大学)出身のエリートで天才ミュージシャンのTom Shulzの結成したバンド、BOSTONの2枚です。



まずは新人バンドながら破格の成功をもたらした1976年のデヴューアルバムです。



boston1.jpg



やはりデヴューアルバムというのは、ストックしてきた楽曲を周到なプロダクションで完成させられる(締切がない!)ので、御多分に漏れず、このアルバムも完成度は高いですね。


しかし、A面冒頭の「More than a feeling」は、邦題こそ「宇宙の彼方に」ですが、内容は実に素敵なラヴソングなんですね。
トムシュルツの曲の特徴としては、昂揚感のあるギターリフが挙げられますが、この曲などギターキッズがこぞってコピーしたくなるようなフレーズ満載ですよね。


バンドとしてツアーもする為に、一応バンド形態ですが、殆どの楽器はトムが担当してるんではないでしょうか?


ジミーペイジと並んで、ギター多重録音の鬼なんでしょうね。



そして、大ヒットの余波をかって(エピックに急かされて?)早くも1978年に出されたセカンド、「Don't look back」です。



boston2.jpg



今考えると、たった2年で次のアルバムを出したのは驚異的ですがそれは「ボストン」の尺度での話で、当時は年に一枚は当たり前、の世界でしたからねえ。


結局その後三枚目のアルバムが発表されたのは、実に8年後の1986年でした。
まあ、それだけかけただけに、佳曲が揃ってはいますが・・・。


さて、「ドントルックバック」ですが、これは冒頭のタイトル曲は最高傑作ではないでしょうか!
私は落ち込んだ時や人生に疲れた時の「カンフル剤」ならぬ「カンフル曲」として愛聴しております。


まあ、「振り返るな!」というポジティブなメッセージもさることながら、これまたギターキッズが泣いて喜ぶカッコいいリフにノックダウンされます。


この曲のプロモーションヴィデオはライヴ仕立てにて、メンバーの雄姿も垣間見れます。


このバンドはリーダー、トムシュルツとヴォーカルの惜しくも他界したブラッドデルプの二人が肝だと思いますが、もう一人のギタリスト、Barryさんもカッコいいし、
ちと変わった風貌(失礼!)のリズムセクションの二人もなかなか魅力的です。

ドラマーはシブハッシャンという名前と風貌から、イスラム、アラブ系の方と見受けられますが、なかなかタイトなドラミングですね。


さて、数十年ぶりの来日、加えて名古屋は初めてみたいですね。

さすがに、ライヴ会場まで足を運ぶつもりは今のところありませんが、映像が出たら見てみたいですね。