もうじきゴールデンウイークだというのに、まだ花粉の飛散に悩まされている私です。
同様の方も多いんじゃないでしょうか?


先月のブログで、今春は大物の来日ラッシュ!という話をさせて頂きましたが、Deep Purpleが抜けておりました。
私は本家は見たことがありませんが、分家のWhitesnakeは数年前に前から5番目の席で観ました。
ヘビメタファンはノリが凄くて、殆どの歌詞を暗記してるし、コール&レスポンスではしっかり答えてましたね。
ミュージシャン冥利に尽きるでしょうね、ああいうライヴだと・・・。


さてさて、今月の壁レコードですが、来日も気付いたらもう終わってた、という感じですが、個人的にはロック界最高のギター弾きと思います、ジェフベックを特集してみました。



まずは玄関先です。



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第一期Jeff Beck Groupの1969年発表のセカンドアルバム 「Beck Ola」です。



マグリットの有名なリンゴの絵をジャケットに使用したのは誰のアイディアなんでしょう?
ジェフ自身とは思えないです・・・。(違ってたらスミマセン)


とにかくこのバンドは今考えると凄いメンツでして、ヴォーカルはRod Stewart、ベースはRon Wood、キーボードはNicky Hopkins、ドラムはTony Numanなんですよ。


まあ、当時は普通にプレイしてたんでしょうが、今ならスーパーグループですねえ。


冒頭の「All Shook Up」のカッコいいこと!! ロックの理想の形がここにあります。
続く「Spanish Boots」も破壊力抜群のハードロックチューンです。

ただ、ハードロック一辺倒ではなく、3曲目なんぞはニッキーホプキンスをフューチャーしたピアノ曲がしんみりと流れます。
昔は違和感を覚えながら聴いてましたが、これはやはり「恋は水色」を嬉々として?カヴァーしてしまうジェフのセンスなんでしょうね。



では待合室壁です。



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まずは1975年発表のギターインストアルバムの金字塔!「Blow By Blow」です。



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邦題「ギター殺人者の凱旋」はエピック社の宣伝コピーの直訳なんですよね。 なかなか言いえて妙なんじゃないでしょうか?

今月号の「レコードコレクター」誌にいろいろ興味深い分析がなされているので、興味のある方は是非読んでください。
特にGeorge Martinがプロデュ―スする事になった経緯については、なるほど、と思いましたね。

レコーディングメンバーも最高で、多彩なマックスミドルトンのキーボード、ファンキーなフィルチェンのベース、特にリチャードベイリーの変幻自在のドラミングには舌を巻きます。

ジェフのギターも、ソロは勿論ですが、細かいカッティングやオブリガードにも素晴らしい冴えを見せていますね。 

私はこのアルバム、イギリスオリジナル、アメリカ初盤、日本盤初回帯付と持ってますが、今回の再発CDも勿論買っちゃいました。
何といっても、これまで血眼になって探してたマルチチャンネル仕様を再現してくれたのが嬉しいですね。




そしてもう一枚はやはりこれでしょう。



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翌1976年に発表したこれまた同系統のギターインストアルバム、「Wired」です。



前作がインストアルバムとしては異例の大ヒット(全米4位!)を記録したのに気を良くしたのか、これまた異例のハイペースで作り上げた硬派のギターアルバムです。

確かにカッコよさは前作以上かもしれません。A面冒頭の「Red Boots」の出だし、「ッシャー、ッシャー、ッシャー・・・」とナラダマイケルウオルデンの歯切れの良いシンバルが聞こえた時点でノックアウトされます。

続けて展開される悩殺モノのギターリフ!カッコいいですねえ。でも、徐々に何か自己主張の強い音が被ってきます・・・・。ヤンハマーのシンセです!


私が何となくこのアルバムに感じる「やりすぎ感」は、ヤンハマーの出しゃばり(失礼!)にあると思ってます。
曲によってはドラムまでこなしてしまうマルチな才能には脱帽ですが、彼のせいでジェフにしか出せない空気感が希薄になってしまい、何かバカテク・フュージョンアルバムみたいになっちゃいましたよね。


勿論、チャーリーミンガスの名曲「Goodbye pork pie hat」の名演など、ジェフ自身のプレイは相変わらず冴えわたってますが・・・・・。

この後、スタンリークラークと組んでツアーしたり、時代の流れもあり、クロスオーヴァー、フュージョン化していくんですよね。


現在も、どちらかといえばギターインスト路線の音楽を展開している様ですが、きまぐれでもいいから、ロッドスチュワートと再会して、唄ものロックアルバムでも出して欲しいなあ、と思うのは私だけでしょうか?