梅雨入りしてるのに、なかなか雨が降りませんが、毎日除湿機に溜まる水の量が半端ありません!
この時期はレコードの保管に悩みます。


さて、今月のレコードジャケットは、久々にジャズでいきます。


こないだ、某レコード店に後で紹介する、泣く子も黙る「サキコロ」オリジナル盤が入荷しました。
まだ値付けされてなくて、店のステレオでかけられていましたが、めちゃくちゃいい音でした!



家に帰って所持してる安い国内再発盤を聴いてみましたが、全然音が違いました・・・。


とはいっても、腐っても名盤!やはり素晴らしい演奏でして久々に聞き惚れました。



という訳で、今月の壁レコードはソニーロリンズで行ってみます。



まず玄関先は、これしかないでしょ!の名盤「サキソフォンコロッサス」です。




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1956年に発表された、彼の代表作であるばかりでなく、モダンジャズを代表する超名盤でございます。



主役のロリンズの豪放ながら温かみのあるテナーサックス、サポート陣も名手トミーフラナガンの味わい深いピアノ、的確なダグワトキンスのベース、
そして鯔背で鋭いスティックワークが流石のマックスローチのドラム・・・う~ん、名演です。

曲も悪くないと思うんですが、このアルバム、マニアには評判悪いんですよね。


寺島靖国氏のエッセイで、「サキコロの完全オリジナル盤を25万円で買った紳士」の話が出てくるものがありますが、「愚行」とこきおろされてました。



料理、酒の薀蓄漫画で大儲け?のラズウェル細木先生の初期の作品で、主人公ラズウェルがサキコロを初めて買うとき、恥ずかしくて「聴きつぶしちゃって3枚目だよ」なんて台詞を吐くシーンがありましたね。



確かに、ジャズをシニカルに考え、暗い(照明が、という意味です)ジャズ喫茶で腕組みして瞑想に耽ったり、唸ったりする人種には、このあまりにも分かりやすいアルバムは敬遠されてしまうかもしれません。



60年代のジャズ喫茶は反体制運動家たちのメッカで、資本論などを読みふけったマルクスかぶれなんかが夜な夜な集まっていた、という話を聞きます。


そういう時にかかって欲しいのは、やはりインパルス後期のコルトレーンや、激しいフリージャズであって、「セントトーマス」や「モリタ―ト」ではありませんね・・・・・。



ただ、2曲目のバラッド「You don't know what love is」は割と感傷的な演奏なので、苦手な方はまずここから聴いてみては如何でしょうか?




お次はこの2枚です。




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なかなか面白い構図だと自負しております。



まずはロリンズのブルーノートでの第2作目です。




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これは1957年のアルバムですが、サイドメンが素晴らしく、まあブルーノートらしいといえばそうなんですが・・・。
ドラムはアートブレーキ―、ベースはポールチェンバース、ピアノはホレスシルヴァーとセロニアスモンク、トロンボーンにJJジョンソン・・・と凄い布陣です。


当然、この時代しか出せない音がレコード盤から飛び出してきます。


安い国内中古盤でもこんなんだから、オリジナル盤なら悩殺モノの爆音が聴けるんでしょうねえ・・・・・。お値段も凄いんでしょうが・・・・・。




そして、見事なパロディジャケットを作ったジョージャクソンさんに拍手です!




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イギリスのシニカルというか、一筋縄ではいかない天才ミュージシャン、Joe Jacksonの1984年発表の「Body and Soul」です。


まあ、見事な出来栄えですよね。古今東西、いろいろなパロディジャケットがあり、それだけ集めた本も何冊も持ってますが、これは最高峰の一枚です!


ただ、内容はジャズばっかりではないんですよねえ・・・。


個人的には彼の最高傑作は1981年に発表された「Jumpin' Jive」だと思います。


これは1940年代に一世を風靡したルイジョーダン、キャブキャロウェイなどの「Jive music」を再現したものです。


まだジャズが盛んになる前の時代、こんな「チンピラ」な音楽が「ヒップ」な人たちの間では流行ってたんですねえ。
所謂「スクエア」な方々が眉を顰めるようなね・・・・・。


全曲楽しく、カッコよくて粋なんですが、特に好きなのはA面3曲めの「Is you Is or Is you ain't my baby」です。



中学の英語教師が聞いたら、赤点つけそうな文法ですが、「これが粋な話し言葉ってえもんよ!」てな感じなんでしょうか・・・・・。



あの名ミュージカル、「ポーギーとベス」でも、「You is my woman」なんて曲があったような気がします。



この曲、確か「トムとジェリー」でも、トムが可愛い娘ちゃんを口説く時に、ウッドベースを弾き弾き、ダミ声で熱唱してましたねえ。