酷暑の中、皆様いかがお過ごしでしょうか?
熱中症にはくれぐれもお気をつけくださいね。



さて、ロンドンオリンピック真っただ中ですが、開会式でのポールマッカートニー、貫禄でしたね。

やはり、誰もが認める英国を代表する存在なんですね。



ただ、私的にはもっとも英国、イングランドを連想させるアーティストとしては、ポールウェラーなんですね。



という訳で、今回の壁レコードは、彼が結成したStyle Councilを特集してみました。



先ずは玄関先です。



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1984年の1stアルバム「Cafe Bleu」です。

これは高校1年の時に出たんですが、テープに落として登下校時にウォークマンで聞きまくりましたね。


まだ田舎のガキんちょにとっては、お洒落でジャジーなサウンドが未だ見ぬ都会生活への憧れを増幅させ、たまりませんでした。



当時流行してた「カフェバー」なんかでよくかかってたらしいですが、深夜テレビで「ガルボクラブ」「ラテンクオーター」などの名古屋のお店のCMを見ては「早く大学生になりたい!」などと妖怪人間みたいな呻きを発していた事を思い出します。



肝心の中身ですが、Mick Talbotの粋なピアノで始まり、これまたいなせなPaul Wellerの張りのある唄と、意外に巧みなジャジーなギタープレイが光る冒頭の2曲で早くもノックダウンされます。



続く3曲目と4曲目はインストですが、やはりジャム時代にはなかった余裕が感じられます。後者のポールのギターは素晴らしい!



そして、Everything but the girlの二人をゲストに迎えた名曲「The Paris Match」です。



ポールの唄バージョンもいいですが、Tracy Thornの物憂げでアンニュイな唄は仏映画「死刑台のエレベーター」で恋人に待ちぼうけされ(実際はエレベーターに閉じ込められてたんですが)、パリの街を彷徨うジャンヌモローを彷彿とさせ、素晴らしい出来です。



そしてA面のハイライト、ポールの名唱が聞かれる「My ever changing moods」です。

ジャズボッサ調のアップテンポヴァージョンもカッコいいですが、ミックのピアノ伴奏のみで朗々と歌われるこちらの方が、歌詞の重みと相まって、ズシリと心に入ってきます。



最後のインストはちょっと冗長な感じにて、B面にうつります。



1曲目と2曲目は今聞くとちょっとしんどい、時代を感じさせるアレンジですね。(昔から早送りしてました・・・すみません!!)



3曲目からは名曲揃いです。


美しい旋律とミックタルボットの可愛らしい?ハモリも聞ける「You are the best thing」、スタッフスミスみたいな子粋なフィドルが楽しい「Here's one that got away」、DC Leeも大活躍の「Headstart for happiness」、タルボットのJimmy Smithばりのオルガンも聞かれる「Council meetin'」と針を上げる暇もありません。



ジャケットですが、これは文字通りパリのカフェをイメージしてるんでしょうが、力関係を表した?と言われるポールとミックの写真比率が面白いですね。

後にミックのドアップ写真の12インチシングルを出したのは、この時のフォローだったのでしょうか?




次に待合室です。




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御次は翌1985年に出された最高傑作「Our favorite shop」です。
これは高校2年の夏に日本で出され、当然のように聞きまくりました。
この頃の彼等は本当に人気ありましたよね。


あの「Live Aid」もこの年の夏でして、徹夜してビデオに収めたものです。よく言われてるように、日本のテレビ局の音楽への愛情の感じられない放映スタイルには憤りを感じましたね。観ていた方、皆同じ思いだったのではないでしょうか?




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このLPはホント捨て曲が無く、素晴らしい演奏と唄がつまった名盤です。
一作目よりアレンジが練られて音の厚みが増した分、演奏から解放されて?ポールも歌うことに集中している感じです。


個人的に好きな流れは、A面2曲目から3曲目。もろボサノバの「All gone away」から間髪なくSteve Whiteのスネアで始まる「Come to Milton Keynes」はヘンテコなPVも最高でした。


B面も3曲目の「Lodgers」から4曲目の「Luck」と超名曲のダブルパンチはいつもヤラレます。
この頃はDC Leeと結婚してたんでしたっけ?息もぴったりです。



あと、フルートが効果的に使われてるボサノバチックな「Everything to lose」も、キャッチ―なシングル曲「Shout to the top」も、当時は訳も解らず聴いてた、政治的なリリックの「Walls come tumbling down」も素晴らしいとしかいいようがありません。



後期ジャム時代からこの頃までのPaul Wellerの創作能力は神ががっていましたね。


残念な事に、この後からだんだん作品の質も、演奏も時代とそりが合わなくなったのか?低迷していく事になります。


でも、本当に80年代初頭の彼は輝いていました。


シングル、12インチ、LPと様々な形態で出された作品群は、センスの良いジャケットと相まってイギリスオリジナル盤は中古市場でも大人気です。


最後に、そんな彼のセンスの良さが滲み出ているジャケットを紹介しましょう。



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初期のシングル「Money go-round」の12インチシングルです。
これはメリーゴーランドをもじったんでしょうね。

曲は時代を感じさせる、やや硬い一本調子の白人ファンクですが、ジャケットのビジュアル、いかしてますね。


何気ないショットなんですが、色合いとバンド名のロゴの処理が絶妙ですね。


ジャムの頃からそうでしたが、ジャケットのセンスは超一級です。


また機会があれば、ジャムについても書きたいですね。




今回もお付き合い有難うございました。


まだまだオリンピックは続きます。
個人的にはBGMはStyle councilの「Long hot summer」をかけて欲しいんですが、まだ聞いたことありませんね。

気だるい夏のロンドンの雰囲気ばりばりだと思うんですがねえ。


1991年の夏に、英国(イングランド、ウェールズ、スコットランド)を放浪しましたが、ロンドンにいる時はいつも「Long hot summer」を聴いてた覚えがあります。


夕暮れのビッグベンに似合うんですよねえ。