カテゴリー: 尿失禁
投稿者: akiyama-2010
干渉低周波治療(頻尿・尿失禁の新しい治療)
頻尿・尿失禁治療に開発された装置です。膀胱・尿道周囲の筋肉を刺激して 膀胱の緊張をほぐしたり、尿道括約筋の力を強くして、頻尿や尿失禁の治療に効果を発揮します。 次のような症状の方に有効です。


・咳・くしゃみをしたときなどにおしっこが漏れる。
・階段の上り下りや、走ったときにおしっこが漏れる。
・おしっこが近くて困っている。
・トイレに間に合わないことがある。
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治療は下腹部と臀部の4カ所に電極パッドを貼付し、弱電流を流します。仰向けになって 着衣のままで治療を行います。1回の治療は約20分で 最初の3週間は週2回行い、 その後は治療効果をみながら2週間に1回ほ 行います。約70%の方に効果があります。 治療は保険適応ですので特別な治療費はかかりませんが、最初に個人用の電極パッド (約20回使用可)を 1,700円で購入いただきご使用ください。


干渉低周波治療ってほんとうに効くのです
当院では、尿失禁、頻尿症例に干渉低周波治療を行っております。新しい治療なのでどのような症例に、どの程度効果があるかがやや不安でしたが、治療はかなり効くという実感がもてました。

この治療は骨盤の底にある骨盤底筋を強化します。従って力んだときに漏れる腹圧性尿失禁に効果が期待できます。どの程度の効果が期待できるかというと、時々漏れる~尿パット不要程度までの、どちらかというと軽症の尿失禁に対しては、2~3回の治療で効果が現れ、6回以内にはほぼ治癒します。またパットテスト(尿漏れ検査)で76gあった重症例では、6回終了時で36g約半分まで減少しました。この方は内服薬を併用することによりさらに失禁量が減少し現在も治療継続中です。

一方、頻尿、切迫性尿失禁にも効果があるとされていますが、特に、切迫性尿失禁にはかなりの効果があります。こういった頻尿は高齢者の女性に多く、実際治療を始めてみるとかなりの効果が出ます。ある84歳女性は点滴の最中に2~3回トイレに行く必要があったということで、治療を開始しましたが、2回目の治療ですでに点滴中もトイレが我慢できるようになりました。

この低周波治療は費用対効果でみてもコストパフォーマンスが良く、女性で頻尿や尿失禁でお悩みの方は、ぜひ試みてみる治療だと思われます。


カテゴリー: 尿失禁
投稿者: akiyama-2010
男性と女性の尿道の仕組みの違い
男性の場合
尿道はほぼ20センチの長さで、周りの組織にしっかり囲まれ固定されています。また膀胱の出口には前立腺があります。このために女性に比べて尿を出しにくい構造になっています。

女性の場合
尿道は約3センチのまっすぐな管で、出口は内臓を支えている筋肉に囲まれています。 このような体の構造から、尿失禁のなかでも、特に出口の抵抗が弱まったためにおきる腹圧性尿失禁は圧倒的に女性が多く、男性は出口にある前立腺が年齢とともに大きくなって、排尿困難をおこしやすくなるのです。漏れやすいのも、出にくいのもどちらも困りますね。

咳やくしゃみで漏れる腹圧性尿失禁の対処方法
1.骨盤底筋訓練
右図のような楽な姿勢で肛門と膣を5秒間締めたり緩めたりすることを繰り返しおこないます。
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2.薬物療法
尿道を締める薬を使用することもありますが根本的な治療ではありません。骨盤底筋訓練の補助的な治療法と考えた方が良いでしょう。薬剤使用は医師の診断と処方が必要です。

3.その他の治療法
もし漏れが多かったり、訓練しても効果があまりない時は受診して下さい。薬やテープで尿道が下がらない様に補強する手術などが、行われています。

注意したい点
1.水分のとりかた
尿が近かったり、漏れたりすると水分を控えて飲まないようにしている人がたくさんいますが、水分はきちんと摂るようにします。目安では一日コップ5杯~8杯程度です。もしコーヒーやお茶などで特にトイレが近くなるようであれば、ご自分にとってあまり刺激のない飲み物を摂るようにしましょう。

2.便秘の改善
便秘は膀胱を圧迫したり骨盤底筋を締めにくくするなど、失禁にも関係しています。3食バランス良く食べて特に朝食後の排便習慣をつけるようにしましょう。もし洗浄便座があるようでしたら、排便前に肛門を水で刺激すると出やすくなります。

3.体重のコントロール
肥満は便秘同様、膀胱を押したり、骨盤底筋を締めにくくする原因となります。「自分の体重-(身長-100センチ)=余分な体重」と考えて、その分を落としましょう。少しずつ運動しながら、食べる量をよく噛んでへらします。バランスのよい食事を心掛けながら長く時間をかけて体重を落としましょう。