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November 2017 の投稿一覧です。
カテゴリー: 総合
投稿者: ryokusei
前述した様に自分が主治医で
手術に入っているのにほとんど手術の
場が見えない。
見えないにも関わらず
手術記事をかかなければいけない
(手術の内容の記録)
手術記事を書くと、上のドクターの
承認がいる。

先ず、手術記事を直属の
指導医に見せるといろいろ
書き直しをさせられる。
(そんなことはしていない!
とかお前はなにもわかっとらんな!
とか、手術書を書き写すな!
とか、いろいろ言われるが
見えてないのだから仕方がない)

そこでOKが出れば次に
術者にOKをもらいに行く。
結局2~3回は書き直しを余技なくされる。

余談ではあるが、
手術記事はまだいい方で、
患者さんが退院するときに
退院記事というものを書かなければ
いけない。
これは、患者さんのまとめでもあり
紹介してくれた開業医への
詳細な返事でもあるのだが、

これが大変で、指導医と教授、あるいは
助教授クラスのハンコがいる。
常に清書で綺麗にかくのだが、
パソコンのない時代に手書きで
まずこれもOKがでるまでに
2~3回の書き直しが必要で、
とにかくハンコがなければ、
返事が出せないので
大変であった。

中には、理不尽な書き直しもあり、
いじめ以外のなにものでもない
ことが
しばしばあった。

それでも、それを
くそ忙しい中もくもくと
こなしていた。
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投稿者: ryokusei
前回いった様に筋鈎という道具
を何も見えないところから
もっているので、手術がどうなっているか
なんて、てんでわからない。

筋鈎という道具は術者がよく
見えるようにするものなので、
力の入れ様や、動かし方などわかる
はずもない。
にもかかわらず、
“もっと見えるようにしろ”
“へたくそ”
などといわれる。
丁稚が
“見えません”などというと
“筋鈎の先に目をつけろ!”
などとわけのわからないことを言われる。

人が少ない時は、第2助手なんかをする
ことがあるが、
うとうとしたり、筋鈎のひき方がわるければ
コッヘルで指をたたかれる
こっへる.jpg
コッヘル

これがまた、指が千切れるほど痛い。
今の手術では、腹腔鏡の手術が増えて
みんな、術野(手術をしているところ)
を共有できてうらやましい。
手術の技術は教わるものではなくて
盗むものという時代だったので
ほんにうらやましい。
(頭突き、回し蹴り、コッヘルでたたく
などを今の時代にすれば、
下手をすれば訴えられる。
手術の技術を教えなければ、パワハラ
と言われたり、少なくとも
医局や病院をすぐやめる
のが今の時代です)
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投稿者: ryokusei
手術というとテレビの一場面を
想像するだろうが、
1、 2年目の大学での仕事は、
第3~4助手。
術者がいるので第4~5番目の人間ということである。

腹を開けてする手術というのは
術野(手術自体をやっていることろ)
が見えるのはせいぜい第2助手までで、
だい第3、4助手は、術野が見えやすい様にする
筋鈎という先が曲がった金属の
棒をひたすら引っ張ること。
術野が見たくて覗こうものなら
“邪魔”と言う怒号が飛んでくる。
15-01-1[1]-2.jpg
筋鈎

胸の手術に至っては第1助手までしか
みえない。
ちなみに私の医局の教授は、日本の
食道癌手術のトップの教授で
食道の手術では、第4助手が普通で、
やるとこといえば、7時間も8時間も
ひたすら半身で先ほどいった筋鈎という
金属の棒を引っ張って
見えるのは教授の背中のみ。
img0052.jpg

連日夜遅くまで肉体労働している
ので7時間も8時間も教授の背中を
ひたすら見て起きていられる
はずがない。

時々教授の背中にコツンと頭をぶつける
と、教授も慣れたもので
“どうしたんだい”
“何かあったのかい”
と皮肉交じりに軽く注意される。

教授は、この程度だが、
指導のドクターは、先ず頭突きが
回し蹴り。(手が清潔で
手術での現場では、手がだせない。)
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投稿者: ryokusei
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投稿者: ryokusei
みんなが憧れる手術室の丁稚
の扱いをはなすと

先ず、手洗い。
今では、いろいろな研究で、
水道水で石鹸を使って手を洗って
アルコールで消毒するのだが、

当時は、剣山の様なブラシで
(当時は、硬いブラシがいいと
信じられていた)
石鹸や手洗い用のイソジンをつかって
長い時は20~30分手を洗っていた。

上のドクターは上手に洗える???
から15分ぐらいで終了するが、
丁稚は、手洗いが下手ということで
監視付きで30分近く手を表される。
(冬などは痛いという感覚もなくなる)
(手術の過程の中で一番苦痛)

それから手術着を着るのだが、
術着は上手に着ないと
せっかく洗った手が不潔になる
ので、少しでも失敗したら
また手洗いをやり直し
しなければならない。

先輩の目をごまかして
手を抜きたいところだが、
キチンとしないと術後に感染を
起こすかもしれないことを考えると
さすがに手は抜けなかった。

“”余計な付けたし“”
(私の勝手な想像であるが)、
((内科系出身の先生ごめんなさい))
外科系出身者はどうもこのことが
身についていて処置やなんかでも
清潔にこだわるが、
処置が終わると手や顔に血がついたり
汚れていたりしても無関心な人間が
おおく、手もあらわないが

内科系出身者の処置は外科系から
見ると清潔さがおぼつかない反面
処置をした後の手洗いなどは
怠らない人が多い様な気がする。
(私は、風邪が流行っている時期
でさえ、マスクをするのがメンドくさく
てしないし、白衣に血が付いたり
服に手袋を履いた時に付く白い粉が
ついても気にしない)
===これはただの性格????
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投稿者: ryokusei
しかし、以前にも話したが、
私の目から見れば、街でみてもらうなら
腕より(腕の差はほとんどない
と思う)よく見てくれる方が
いい医者だとおもう。

ときどき飛び込みの
患者さんでOOの病気
をOO病院の専門のOO先生に
見てもらっているという患者さんが
よくいるが、
データと出されている薬をみると
その先生があまりにも忙しいのか
データは悪いし、ほかの疾患は
ほとんどコントロールされていない
という事例をよく見る。
(OO先生に見てもらっている
のをステータスにしているので
患者さんにはなにも言わないけれど、、、、、)

よく見て、自分の手に余るものは
その医者が信じている医者に紹介して
くれる医者が町では一番いい医者
だと思っているし、
それが何でも屋で開業している者の
務めだと思っている

(偉そうに!!!!!)

話を元に戻すと

私が医者になった当時の医局、特に
外科系は、外科は手習で、手術は職人が
するものという雰囲気がのこっていて、
入局して先ずすることは丁稚奉公。

先ず、医者としては扱われない。
最初の1年は医者らしい仕事をさせてくれない。

広い大学病院で患者さんを心電図室に運んだり
EchoやCTの部屋に運んだり
内視鏡にいたっては
先ず、内視鏡の準備をしてから
患者さんを内視鏡室に連れて行って、
上のドクターが内視鏡をしているのを
ひたすら横目で見て、
(今は、電子スコープで、リアルタイムで
内視鏡をしているのを見ることができるが
当時は、施行者しか見えず、おまけに
画像が見えるのは、まさしく取り付けた
カメラの写真を現像してできるまで
1週間ほどまたなければいけなかった。)
それが終わると患者さんを
病室に運んで、自分は、内視鏡室
に戻って内視鏡の洗浄をするというありさまで、
今の時代は看護助手さんが(看護師さんではない)
する仕事をしていたのである。

(みんなそれが当然とおもって
黙々としていた。)