ハリウッドの没落

今年もアメリカの
アカデミー賞の授賞式が行われたが、
映画好きの私としては
なにかしらの
寂しさを感じてやまない

21世紀に入ってから
特にこの10年
アカデミー賞の授賞式に
この映画界の没落を感じて
一抹の不安と
秋風を感じるのであった。

映画が生まれてから
100年余り
この1世紀の間は
娯楽の中心であった。
正月にもなると
映画館は、立ち見状態であった。

マスメディアは多様化し
映像文化自体は
いまだ趨勢なのだが、
その伝達形式としての
映画は、どんどん主役の座から
ころげ落ちている。

ハリウッドをまねて、
日本もアカデミー賞を作ったが、
いかんせん、作品数がすくなく、
特に製作費をかけた作品が
少なく、受賞作品は
予想がつくほど限られていた。

本場のアカデミー賞では
毎年、多彩で優秀な作品が登場して
受賞作や主演男優賞、女優賞も
予想がつかない状態だったのだが、
いまや、ほぼ予想がつくほど
秀作が少ない。

受賞される俳優たちも
いわゆる大スターたちだったのだが
今では、大スターさえ
ほとんど存在しない。


いまでは考えられないが、
10代のころは
映画館にそれほど
見に行けるわけでもなく
(基本、保護者なしでは
見に行くのは禁止されていた)
封切から4~5年たって
テレビで放映されているのを
楽しみに待っていた。

ビデオテープも普及しておらず、
必ずその時間にすべてを合わせ
なければならず、
それもテレビ用に短縮された
吹き替え版だったのだ。

日曜洋画劇場(淀川長治)
月曜ロードショー(荻昌弘)
金曜ロードショー(水野晴夫)
最初は水曜日で後に金曜日へ変更
ゴールデン洋画劇場(高島忠雄)土曜日
他、木曜日もあった。

それが、いまや
レンタルどころか
ネット配信で見る時代。
スクリーンから
スマホで見る時代へと
変遷してしまった。

つまり、本当の意味での
映画ではなくなっているのだ。

技術革新も素晴らしく、
いつか、俳優自体も
VXに置き換わってしまうかも
しれない。

バリバリの
昭和人間の私は
なにか寂しくて
むなしいぞ!!