代表がASKA容疑者の主治医、芸能人・スポーツ選手など富裕層向けクリニックが破産

医療法人社団貴生会(TDB企業コード984923356、東京都港区六本木7-15-7、代表平石貴久氏)は、東京地裁へ自己破産を申請し、6月6日に破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は山内宏光弁護士(東京都港区虎ノ門4-3-1、電話03-5408-6160)。債権届け出期間は7月4日までで、財産状況報告集会期日は9月11日午後2時30分。

 当法人は、1993年(平成5年)7月に設立され、「平石クリニック」を運営していた。診療科目は、内科、循環器科、消化器科、整形外科、皮膚科で、専門は内科で特にスポーツ医学に精通し、プロ野球選手やプロゴルファーの診察及び健康管理を行っていた。なかでもスポーツ選手に打つ「ニンニク注射」が話題を集め、代表の平石氏はテレビ、ラジオ番組にも出演。人気アイドルグループやバンドのコンサートドクターも一時務め、2005年4月期には年売上高約3億4800万円を計上していた。

 主に芸能人やスポーツ選手などの富裕層を対象とする保険外診療に依存するため、人気の浮沈で患者数が安定せず診療報酬は年々落ち込んでいた。高額な家賃も負担となるなか、赤字計上が続き、2009年4月期の年売上高は約2億6100万円に減少。その後、2010年4月頃には当法人としての実質的な活動を停止し、2012年3月には東京都知事の設立認可の取り消しにより解散していた。最近では、覚醒剤取締法違反で逮捕されたASKA容疑者の主治医として、代表の平石氏が各メデイアで取り上げられていた。

 なお、関連の(株)ラ・サンテ(本店同所、同代表)、(株)三心(本店同所、同代表)、Hメディカル研究開発(株)(東京都港区)の3社も、同日破産手続き開始決定を受けている。

 負債は医療法人社団貴生会が約3億6429万円で、関連会社など4社合計で10億1780万円。

これはかなりの額ですよ。