あれほど栄華を誇った桜もあっさりと散ってしまいました・・・。
諸行無常であります・・・。


熊本を始めとする九州各地での震災の被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
個人的には、20年前アメリカ留学中に大変親しくさせて頂いた熊本大学病院の医師ご夫妻が被災されたので、気が気ではありません・・・。

後に何とかメールでの安否確認ができましたので、ほっとしました。


今月の特集は先頃、不本意な形で生涯を閉じられた、シンセサイザ―の第一人者?キースエマーソン氏です!



今でこそ、再評価?されて「プログレ四天王」なんて、言われてますが、ちょっと前までは、かの「レコードコレクター」誌をして 「(プログレッシブロックの特集は)ELPだけはやる気ないです!」などと言わしめるほど、バカにされていたもんです。

確かに、クリムゾンやイエス、フロイドらの世界観と較べると、ELPのそれはやや稚拙な感じも致しますが、その「わかりやすさ」がウケて、70年代前半の彼らの人気は凄まじかったようです。

ミュージックライフ誌のバックナンバーを読むと、人気投票ではレッドゼッペリンを抑えて一位になってた時期もあるんですから・・・・・。

その証拠に、中古盤屋さんの投げ売りレコードコーナーではタルカスや展覧会はかなりの頻度で遭遇しますので、当時相当売れたんではないでしょうか?



今回はそんな彼らの名盤を3枚、取り上げてみました。



先ずは玄関先です。




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ムソルグスキー作曲、ラヴェル編曲の、クラシックの組曲を大胆にロック的要素を盛り付けアレンジしたもので、当時、アイランドレーヴェルからは廉価盤でリリースされてますので、純粋にはオリジナルアルバムとはカウントしないんでしょうが、

同じような経緯のキングクリムゾンの「アースバウンド」と違って、こちらは世界中で大ヒットしましたね。 まあ、音源も演奏内容も雲泥の差ではありますが・・・・・。


グレッグレイクの付けた歌詞はなかなかのもので、流石、痩せてる時の彼は素晴らしいですねえ・・・・・。




お次はこの2枚です。


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個人的には最高傑作と思う、セカンドアルバム、「Tarkus」です。




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この、チープなヘタウマ?イラストが頭から離れませんが、内ジャケットの絵本?がこれまたいい味なんですよねえ・・・・・。



火山の噴火から突然変異して誕生した、何故か戦車とアルマジロが合体した、キース曰く (ロクデナシの)怪獣、タルカスですが、 無慈悲で冷酷なその眼と両手の大砲で、数々の敵を撃ち殺していきます・・・・。


怖いもの無しの彼が最後に出会ったのが、後にELPが設立したレーヴェル名にもなった、存在感抜群の顔は人間、体はライオン?、尻尾は蠍、といった、日本の妖怪、鵺みたいな怪獣、マンティコアです。


タルカスとマンティコアは互角の戦いを繰り広げるんですが、最後に、何とマンティコアの繰り出した蠍尻尾攻撃で、タルカスは目を切り裂かれてしまうのです!!(またこのアップの絵がこ・わ・い・・・・。)

眼科医の私からみても、「そりゃないぜよ!」的な反則技ですから、一般の皆様からすると、恐怖で目を覆いたくなる事でしょう・・・・。


眼を切り裂かれたタルカスは、可哀そうに、川に流れていきます・・・・。その後の顛末はどうなったんでしょうか?? まあ、あえてとどめを刺さなかったマンティコアを称えて?レーヴェルデザインに採用した位だから、続編も構想にはあったのかもしれません・・・。



さあ、素晴らしかったA面に隠れて、あまり評価されてない感のあるB面ですが、実は個人的にはこちらの方がお気に入りで、良く聴くのです・・・・。


B面一曲目の「ジェレミーベンダー」は、何ともいえないキースの弾くヘンテコ?な味のあるキーボードと、飄々としたグレッグレイクの唄が素晴らしく、何か時代を超越した雰囲気の佳曲でして、大好きな曲です。


次の「ビッチェズクリスタル」も、先ず曲名だけでもカッコいいですが、突っ走るカールパーマーのドラムに先導されて暴れるキースのキーボードには痺れますね・・・・。


また、最後のハチャメチャな「Are you ready Eddie?」は、エンジニアで後にプロデューサーとしても大成する、Eddie kramerの事を唄ったんでしょうが、こういう所、すきだなあ・・・・・。




そして、もう一枚はこれです。




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SF映画、「エイリアン」のデザインで御馴染みの、ギーガー画伯のデザインがおどろおどろしい、1974年発表の「Brain salad surgery」です。  邦題は何と、「恐怖の頭脳改革」!!


私はいつもこの邦題を聞くにつけ、漫画「東大一直線」の一コマを思い出します・・・。


確か、主人公、東大通(とうだいとおる)が、親友の多分田吾作(たわけたごさく) の脳をネズミの脳と入れ替える!?というとんでもない手術をするシーンでして、東大の発するセリフは「ただちに外科手術が行われた、にぎにぎしく・・・」ですので、ちと違いますが、まさしく「恐怖の頭脳改革!!」


内容は、もう彼等でしか成し得ない世界観で満ち溢れてまして、聴く方もかなりのパワーが要ります。  特に両面に渡って繰り広げられる中期の最高傑作と言われる、「悪の経典」は何かこう、凄すぎて一気に聴き続けると眩暈を起こしそうです・・・。