もう10月、というのに朝晩はともかく、昼間は暑い日が続きますね。
御嶽山の噴火があったり、異常気象も多い昨今ですが、自然が牙を剥くと人間なんて如何に弱い存在なのか、と改めて思い知らされます。


さて、今回の壁ジャケットは、あの幻の1974年再結成ツアーの正規リリースが(マニアの間では?)大好評のアメリカを代表するグループ、CSN(&Y)を特集してみました。


まずは玄関先です。




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1974年発売のベストアルバム、「So Far」です。  味のあるイラストは彼等とは縁深い、Joni Mitchel女史の手によるものです。


このアルバムは先ほど触れた1974年の再結成ツアー後、ニューアルバム作成に取り掛かるも、頓挫してしまったお詫び?に発売されたものですが、当時の人気を象徴するかの如く、チャートの一位に上り詰めています。


確かに、このアルバムはジャケット、選曲、曲順に相当気合いが入って作られており、入門者はこれ1枚で大丈夫ですね・・・。   因みに私もここから入ったクチです。


中学生の時、当時岡崎にあった「モンキーパンチ」という、輸入盤ばっかり、何と海賊盤までも置いてあった恐るべし?貸しレコード屋でアメリカ盤をレンタルしてマクセルのUD46にせっせとダビングしたものです。


話題がそれますが、この「モンキーパンチ」は、多分どこかの輸入盤屋さんの在庫をそっくりレンタルへ転化したんでしょうね。 今思うと、すんごくマニアックな貸しレコード屋さんでした。

(借りる時は店のカウンターで、一枚一枚検盤をして、キズの有無を申請する!という七面倒くさいやり方でしたが、あれでレコードの扱い方を覚えた気がします。)


「レイコウ堂」とか「フカツ」みたいなチェーン店では絶対に置いてないような、Doorsの「13」とか、CCRの「1970」という編集盤や、ザバンドの「南十字星」やボブディランの「プラネットウェイヴス」のアメリカ盤、はたまたZEPPELINやStonesの膨大なブートレッグ!!


当時、中学生がブートレッグなんて知る由もないので、「何か変なジャケットだなあ、曲は知ってるけど、これって誰かが勝手に作った編集盤なんじゃないかな?」なんて思い、手が伸びませんでした。


流石に中学校3年になると、そのへんの事が分かってきて、一番ジャケットがまともだった「Bonzo's last ever gig in Berlin 1980」という海賊盤を借りてみましたが、モコモコした音にびっくりし、「騙された!」と憤慨し、二度とブートは借りませんでした。


今思うと、もっと沢山借りておけばよかったなあ、と後悔しきりです。


最初に「デストロイヤー」とか借りてれば、人生変わったかもしれませんね・・・・・。    *注釈  「デストロイヤー」とは、Led Zeppelinの1977年米オハイオ州クリーヴランドでの演奏を収めた海賊盤で、演奏内容はともかく、音はオフィシャル級であり、定番中の定番であります!



その名店、「モンキーパンチ」ですが、あまり国内盤新譜を入れてくれなかったものですから、ついつい他のチェーン店を利用するようになってしまい、気付いたらつぶれてました・・・・。

あの在庫、どうしたんだろう? ジャケットに直にシールを貼って、キズの有無を書き込んでいくので、多分中古屋には売れないですよねえ・・・・。おそらく殆どが廃棄されたんでしょう・・・。残念です。




長々と同世代の岡崎市民以外にはどうでもいい話、申し訳ありませんでした。

さて、ジャケットを描いたジョニミッチェル女史ですが、彼女は、もともとはDavid Crosbyのガールフレンドだったんですよ。  何度となく他のメンバーと顔を合わせるうちに、一番ハンサムなGraham Nashと付き合うようになっていくんですよね。

その蜜月を歌ったのが、「デジャヴ」に収められた「Our House~僕たちの家」なんですねえ。  クロスビーはどんな思いでコーラスを付けたんでしょう・・・・?


ただ、そんな下世話な勘繰りは当人たちには全く見当外れのようで、どうもミュージシャンの恋愛概念というのは我々凡人には窺い知れないものがあります。


あまり一人の異性に執着しない割には、激しい恋愛の唄を情念込めて歌うんですよねえ・・・・・。よくわかりません!!




気を取り直しまして、院内にまいりましょう。




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CSN(&Y)としては、まずはこの2枚です。




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1969年のデヴューアルバム、「Crosby、 Stills & Nash」 です。

今更ながらですが、説明しますと、元バーズのDavid Crosby 、元バッファロースプリングフィールドのStephan Stills 、 元ホリーズのGraham Nash の3人が集まったシンガーソングライターの集合体です。


当時は「スーパーグループ」と持て囃され、ものすごい人気だったそうです。


ただ、このアルバムはそんな期待感を持って気合い入れて聴くと、肩透かしを食らわされる程、リラックスして作られていますね。


冒頭の「組曲:青い目のジュディ」は代表曲とも言える名曲でして、3人三様のヴォーカルが複雑でいて、決して乱れぬ美しいハーモニーを形成し、夢心地のような時間を作り出しています。


続くグラハムナッシュらしさ満載の「マラケッシュ行き急行」はソフトボッサ的な展開がオシャレですね。 クラブ世代にも人気だとか・・・・。(クラブのイントネーションはラですよ!念のため)




そして、もう一枚。



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これぞ60年代アメリカンロックの最高峰、CSNの3人に、ニールヤングが加わった、CSN&Yの超名盤!「デジャヴ」です。


当然の事ながら、チャートの一位を独走。 収録されている曲も個々のキャリアを通じてもベスト!ではないかという名曲が満載です。


特にA面は、恐ろしい程の完成度の高さでして、B面2曲目のグラハムナッシュの最高傑作(と私は思う)、「僕達の家」までは弛緩する事が全くありません。 ( B面3曲目からあとは、やや完成度が落ちるのが残念です。 )


ニールヤングが加わった事で、ライヴァルのStillsも本気出したのか、唄、ギターともに神がかってますよね。


この二人のギターバトルはライヴでは凄かったようで、のちに出したライヴアルバム「4 way street」でも、「サザンマン」なんかで鳥肌の立つ名演を繰り広げてますね。


グラハムナッシュは彼らしい、ジェントルな2曲の傑作、「Teach your children」 「Our House」 をものにし、 デヴィッドクロスビーも緊張感漂う2曲、「Almost Cut my hair」、タイトルトラックの「Deja Vu」をものにしてます。


このアルバムは私はアメリカオリジナル、イギリスオリジナル、日本初盤、とかなりコレクションしてます。 やはりアメリカ初版は写真の精度がダントツで、ジャケットの作りも豪華金の型押しで頬ずりしたくなりますね。