朝晩はかなり過ごし易くなってきて、ようやく秋らしくなりましたね。
皆さん如何お過ごしでしょうか?


先日いきつけの中古レコード屋さんで、あの「クリムゾンキングの宮殿」のイギリスオリジナル盤(マニアの為に記しますが、マトリックスはそれぞれ”3”なので、それほど自慢できないのですが・・・)を入手する事ができまして、改めて聴きこんでみると、その素晴らしさに圧倒されっぱなしです。


という訳で、今回のジャケットはKING CRIMSONで特集してみました。



まずは玄関先ですが、「宮殿」は待合室でじっくり?観賞して頂きたい事もあり、後回しにしまして、1973年発表の「太陽と戦慄」を飾りました。


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これは、リーダーのRobert Frippが当時心酔していた白魔術師Walli Elmlarkに影響されて、メカニカルなインプロビセイション主体な音楽を創る、という名目で結成した「第二期」キングクリムゾンの第一作です。


原題の「Lark's tongues in aspic」の解釈はいろいろ書かれてますが、白魔術師 Elmlarkからきている、という説を私も信じます。



白魔術とは、別名錬金術ともいいますが、その内容は「黒から純粋の色である白へ辿り着く事を目的としているが、その探求の究極の結果に赤がある」という事らしいです。


後に「Red」というアルバムを出す事になるのは、「やり尽くした」事の表れでしょうか?


イラストは太陽と月の不気味なイラストでして、夜誰もいない部屋でこれを見ながら重厚な音を聴いているとうすら寒くなってきます。




次は待合室壁です。



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「宮殿」は最後にさせて頂き、左側、ちょっとビートルズの「With the Beatles」を意識した?と思われる第二期の最終作「Red」です。

(ライブ盤の「USA」は蛇足と思うのです。契約上の最終作であり、フリップは不本意だったと思われます。)




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これは何というか、プログレというよりへヴィメタルと言った方が良いかも知れません。それ位ソリッドでカッコいいリフが続出です。



さっき、「With the Beatles」みたい、といいましたが、A3「再び赤い悪夢」がいきなりバッサリと終わるとこなんか、「Abbey Road」のA面最後の「I want you」と酷似してます。



考えてみれば、両方とも、これで解散するんだ!という意気込み?で創られたという点も共通してます。




そして、いよいよこれです。




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1969年10月に発表され、音楽関係者に絶賛され、あの「Abbey road」をチャートから引きずりおろした?と言われてる位一般受けもした、ロックの範疇を飛び越え、20世紀音楽の至高の一枚であります!


このアルバムを時代を超えた名盤たらしめているのは、ひとえにメンバーの組み合わせの妙に尽きると思います。


勿論、最終的にはリーダーのRobert Frippのコントロール下によるものでしょうが、美しく朗々としたGreg Lakeのヴォーカル、ジャズに影響された繊細で驚嘆すべき細かいスティックワークのMichael Gilesのドラム、
(この人は私のフェイヴァリットドラマーの一人です。)


バンドにクラシカルなエッセンスを注入したマルチミュージシャンのIan McDonald、幻想的かつ思慮深い歌詞を提供したPete Sinfield


この5人の誰が欠けても、この類い稀なるサウンドは生まれなかったと思います。 


中でも、Ian McDonaldの存在感は絶大なものがあったでしょう。
第一期クリムゾンの前身、Giles,Giles&Frippとは全然スケール感が違います。

「風に語りて」、「エピタフ」の抒情性は彼なしでは成り立たなかったと思います。

クリムゾン脱退後、Michael Gilesとコンビを組んで創った「McDonald
and Giles」は「風に語りて」を拡大希釈したような、牧歌的なヒューマンなサウンドで、クリムゾンを過度に期待して聴くと肩透かしを喰わされますが、これはこれでなかなか良い作品です。


その後、1977年に、後期Spooky Toothの影のリーダー、Mick Jonesと組んだ「Foreigner」で第一線にカムバックしましたが、徐々にポップ化するサウンドに耐え切れなくなったのか、3作目で脱退してしまいます。


先日BSテレビでやってる「Songs to soul」で元気そうな姿が見れましたが、唯の爺さんになってしまってました。