6月になって流石にじめじめしてきました。


6月に生まれた私ですが、梅雨は湿気が増えてモノの保管には最悪な時期です。早くカラッとして欲しいものですが、今年は梅雨入りが遅そうですね。


さて、今回のジャケットは職人的(曲者?)音楽集団、10CCを特集してみました。



彼等はやはりオリジナルメンバーの4人の頃が最高ですね。
そもそもバンド名の由来も、大人4人の一回射精分の精液の総量、という訳なんで。



Eric StewartとGraham Gouldmanのポップ組?とKevin GodleyとLol Cremeの実験組?のバランスは素晴らしいものがありました。



Godley&Cremeは映像作家としても、数々の素晴らしい自身や他アーティストのヴィデオクリップで大成功しますね。



初期はビートルズの影響大のオールドタイムなポップロック、という感じでしたが、徐々に独自性を発揮していった頃の三部作を紹介します。



まずは玄関先です。




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75年の出世作にして最高傑作、「Original sound track」です。



一般的には2曲目の素晴らしいラブソング「I'm not in love」が有名ですが、他にもG&Cの良い所が出た一曲目の「Une nuit a Paris」も個人的には大好きです。


架空の映画のサントラ、といった趣のジャケットも味があります。
因みに今回の3枚は全てあの、ヒプノシスがデザインしてます。




待合の2枚です。



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まずは76年のオリジナルメンバーでの最終作、「How dare you!」です。


邦題の「びっくり電話」の方がおなじみですかね?しかし、よくこんな邦題を思いついたものだ、という感じですね。 解説を書いている今野雄二さんのアイデアかな?


あのBryan Ferryをして「Tokyo Jo」と言わしめたハイセンスな今野さんなら納得ですが、意外と担当ディレクターだったりして・・・。




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これは電話をテーマとしたこれまたヒプノシスの大作で、見開き写真での電話づくし?には唸らされます。



まだ携帯の無い頃ですが、今の「一人一台電話時代」を先取りしています!?


内容的には、これで袖を分かつのも当然?という感じで、両ペアの作風がバラバラです。

前作ではバランスが取れてたんですが、今作では駄目ですね。



E&Gペアの「I'm Mandy fly me」、「Arts for art's sake」は最高です。




そして、個人的には一番好きな77年の「Deceptive Bends」です。




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実験的な二人が脱退した為、これまでもステージを共にしてきたドラマーのPaul Burgesと3人で創り上げたレコードですが、物凄くポップで濃密な捨て曲の全くない傑作です!


先ず、冒頭の「Goodmorning Judge」で軽くジャブを食らった後すぐに、稀代の名曲「Things we do for love ~ 愛ゆえに」が飛び込んできます。

「I'm not in love」にも劣らない、Eric Stewart節満載の傑作です。
よくBGMで使われてますので、皆さん聞き覚えあるかと思います。



3曲目はGrahamをフューチャーした結婚相談所に通うしょぼくれ?男の唄ですが、これまた彼らしい、ほんわかした味の良い曲なんです。


4曲目の「People in love」も2曲目と同じ流れの恋人達を唄ったEric の佳曲です。


A面最後の「Modern man blues」では、前半は重くダルな雰囲気ですが、「Hey!」というEric?の掛け声と共に始まる後半はふっきれたような、半ばヤケクソ気味な、はっちゃけぶりが楽しいです。

Ericのギターもなかなか聴かせてくれます。



B面に移って、一曲目「Honeymoon with B troop」は、Grahamがリードを執る、摩訶不思議なロックですが、途中ビートルズっぽいブリッジを挿入する辺りは流石やなって思ってしまいます。



2曲目はJoe Pass辺りのジャズギターっぽい雰囲気を狙った小品ですが、音楽用語を駄洒落風に紡いでいく歌詞(フラット、C、メジャー、G 等など)といい、子粋なEric Stewartのヴォーカルといい、シャンソンっぽいアンニュイな感じを醸し出しており、これまた絶品です。



次の「You've got a cold」ですが、カッコいいリフと炸裂するツインギターソロの応酬はその辺のハードロックバンド顔負けですが、歌っている内容は「君は風邪ひいたね」なんてバカバカしいもので、マジで演っているとは思えず、当時隆盛を極めていたKiss 、Aerosmithなどをからかっていたんでしょうか??



そしてフィナーレを飾るのは大作「Feel the Benefit」です。
パート1~3まであるこの曲は、ライヴ映えする素晴らしい構成と演奏ですが、けしからん事に最初にCD化された際に、無理やり「オリジナルサウンドトラック」と2イン1したものですから、削られてしまっていました!



当時レンタルしてテープに落としたんですが、後に中古レコード屋でアナログをゲットし、無事に編集しました!(しかし音圧が違い、かなり違和感ありましたが・・・)



泉水扶をモチーフとしたこれまたヒプノシスのジャケットですが、裏ジャケットで、潜水帽?を脱ぎかけている男が写ってますが、これ、誰だと思います??


実はドラマーのPaul Burgesなんです!来日時にじかに彼に聞いて確認したので間違いありません、(Grahamもそう言ってました!)



ところで、邦題は安直に「愛ゆえに」なので、原題のニュアンスが全然分かりません。



Bendsは「潜水病」なので、「みせかけの、偽りの潜水病」ということでしょうか?ジャケットからするとそんな感じですが、こういう解釈はどうでしょうか?



4人組から二人になって最初のアルバムだから、批評家は我々がアップアップしてるだろうと思ってやがるだろうな? ええそうなんですよ、あの二人が居ないと大変で大変で・・・。(本当はへっちゃらなんだけど)



「Deceptive Bends」について言及している文章が(私の知る限り)皆無なので、間違っていたら誰か教えて頂けますでしょうか?




1994年にEric とGrahamが揃ったラインナップで来日公演を行いましたが、この時のライヴは最高でした。名古屋公演はクラブクアトロという、小さなハコでしたのでこれまた最高でした。


同時期に来日したSqueeze(ドラマーがあのPete Thomasだった!!)と並んで強烈に脳裏に残っています。

生涯観たライヴ10傑に入ってます!



たま~にGraham GouldmanがPaul Burgesや Rick Fennらを連れてブルーノートなどで演奏しに来ますが、やはりEric Stewartがいなきゃね・・・・。



一時期Paul McCartneyがデ二―レイン的な存在を求めてEricとつるんでたのは嬉しかったですが、一曲でもいいから、名曲を生み出して欲しかったですね。


あと、Paulのプロモクリップ「So Bad」で准レギュラー的扱いを受けていたのは嬉しかったですね。


最後の方で、ポールとリンダとリンゴスターと背中越しに丸く並んで上から撮られた、多分にEP盤「Yesterday」のジャケットを意識して撮られた画はファンなら分ると思いますが、涙ちょちょ切れました。



話がとりとめもつかなくなってきました。


そろそろオリジナルメンバーで再結成してくれませんかねえ。