10月も半ばを過ぎ、かなり過ごし易くなってきた今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?

秋は一年のうちで最も芸術的な雰囲気が感じられる季節ですね。秋の夜長にはプログレッシブロックが似合いますね!?


という訳で、今月の壁レコードは先日リマスターCDが大々的に発表されたプログレの雄、Pink Floydを特集してみました。


先ずは玄関先から・・・



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1973年の超名盤 「狂気」です。
原題の「The Dark Side of the Moon」も、神秘的で、語感もいい素晴らしい題ですが、邦題のインパクトには負けますね。



当時の東芝レコードさんは秀逸な邦題が多かったですね。
ビートルズ関連で大儲け?したおかげでロック部門への潤沢な経費があったんでしょう。
70年代の東芝のロックレコードは帯、解説書、ポスターなど、コレクター心をくすぐる豪華仕様でした。


あと、73年頃まで存在した「赤盤」は何というか、愛おしくなってきますね。同じレコードでも、赤盤というだけで中古値段が倍増するとこなんぞ、東芝さんの先見の明というか、マニア心を良く分かっていたんだな?と思います。

脱線してしまいました。


内容はといいますと、このアルバムが全世界で飛ぶように売れた、というのはやはり他のプログレバンドとは一線を画する「解り易さ」言い換えれば、「曲の良さ」にあったのではないでしょうか?



技法に走り、難解なアルバムが多い中、安心して聴けるボーカルとサウンド、時折飛び出して来る効果音(心拍、笑い声、足音、宇宙船の様な音、時計、レジスター・・・)と、誰でも一度聴いたら最後まで引き込まれてしまう凝った音創りが、爆発的なセールを生んだのでしょう。


ロック好きには要所で炸裂するデヴィッドギルモアの鋭角的なギターがたまりませんね!

1988年に名古屋公演を観に行きましたが、やはりギルモアのギターは凄かったです。


あと、ヒプノシスの手がけたプリズム反射のジャケットも特筆ものです。
このジャケットしかあり得ない!という程内容とマッチしているのは流石ですね。



壁の二枚です。



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先ずは1975年の「炎~あなたがここにいてほしい」です。
原題は「Wish you were here」です。




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これもヒプノシスのインパクトあるジャケットです。



表ジャケットは「火」、裏ジャケットは「砂」、インナースリーヴ表は「風」、裏は「水」をモチーフに、それぞれに(存在しない人間)が写っている、という何とも不気味なジャケットです。



おそらく、原題からイメージしたんでしょうが、ヒプノシスらしい、凝ったジャケットです。因みに、初回盤は黒いビニールシュリンクがかかって売られていました。



多くのフロイドファンがファイヴァリットに挙げるこのアルバム、確かに前作「狂気」と比べると、より「フロイドらしい」、感じがしますね。
リスナーを突き放すような?冷たい感じは彼らの真骨頂と思います。



A面一曲目の「狂ったダイヤモンド」は発狂してグループを去ったシドバレットへのレクイエムですが、情念のギルモアのギターがたまりません。
よくコンサートのオープニングに使われ、88年の日本公演でも、リックライトの透明感のあるシンセサイザーの音が流れてきた時は興奮しましたね。



次の「ようこそマシーンへ」、B面一曲目の「葉巻はいかが」と緊張感のある曲が続きますが、B面2曲目、タイトルトラックの「あなたがここにいてほしい」はほっとする佳曲です。



歌詞からすると、シドバレットの事を唄っているのでしょうか。
初期のサイケデリック期を支えた彼が、発狂せずにリーダーとして留まっていたら、彼等はどんなバンドになっていたのでしょうか?



かなりポップなお洒落なバンドになっていたかもしれません。
少なくともプログレ四天王には選ばれなかったでしょうね。




壁のもう一枚です。



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1982年に発売された編集盤「時空の舞踏」です。
原題は「A collection of great dance songs」と、彼等らしい、人を喰ったものです。


彼等の曲が、ダンスミュージックな訳ありません。踊りのBGMとして使われる事もないでしょう。


そういう皮肉が、「ピアノ線で固定されたダンスカップル=踊れっこない!!」として表現されてるんでしょうね。



一見ヒプノシスっぽいセンスですが、クレジットには彼等の名前はありません。それっぽく他者がデザインしたんでしょう。



確かに、文字の処理やインナースリーブなどはちょっと詰めが甘いですかね?



内容的には特記すべき事はない、唯の「寄せ集め」です。
それでも、割と売れてしまう所が流石です。



今回は書きませんでしたが、彼らにはもう一作「The Wall」という代表作があります。



ジャケットは白いレンガの壁をモチーフしているので、ほぼ真っ白ですので、流石に壁には飾れませんでした。



いずれビートルズの「ホワイトアルバム」を飾る時が来たら、一緒に飾ろうかな??


もう一枚はSantanaの「Welcome」か、James Taylorの「Greatest Hits」か?