梅雨もそろそろ明けて暑くなってきた今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか?


今年はエアコンもあまり低温度では使えないので、どんな状況になるのやら今から戦々恐々しています。

待合室のエアコンの温度もあまり高めでは皆様の健康を損ねる事になります。かといってあまりガンガン冷やしては、世間に後ろ指を指されてしまいますので、その辺のバランスが問題ですね。



さて、先月予告?した通り、今月の壁レコードはシカゴを特集してみました。


折しもつい先日ライノから全盛期1975年のライヴ盤が奇跡的にリリースされたばかりです。


私は待ちきれなくてアメリカから取り寄せましたが、素晴らしい内容で毎日聴きまくってます。いやあ、テリーキャスのギターは最高ですね。



シカゴのアートワークは「Ⅱ」で初採用された例のロゴマークを、毎回色々なパターンでデザインする、というものですが、傑作揃いのコロンビア時代からこの3枚を飾ってみました。



先ずは玄関先です。


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1975年の「Ⅷ」です。因みに邦題は「未だ見ぬ亜米利加」です。
シカゴはイリノイ州の州都ですが、ジャケットに見られる鳥はカージナルで、イリノイ州の州鳥だそうです。


オリジナル盤にはこのデザインのアイロンステッカーが付いていました。
あとこの後シリーズ化する、あのブルーノートの諸作をデザインしたリードマイルス作の(警官との追っかけっこ)ポスターも付いており、コロンビアさん、太っ腹でしたね。



内容は円熟味溢れる落ち着いた雰囲気で、当然のように全米LPチャートNo.1を獲得。結局「Ⅴ」から「Ⅸ」まで5作連続でLPチャートの一位に送り込んだのですから、この頃の勢いは凄かったですね。



この頃になると初期の政治的メッセージは影を潜めて、割と普遍的な事を唄うようになってきてますが、ロバートラム作の「Harry Truman」は久々に「アメリカ」を唄った曲です。


「ニクソンが失脚してフォードに代わっても何も変わらない、ハリー、今こそ貴方の力が必要だ。」72年のマクガヴァン候補惨敗のショックがまだ尾を引いているかのような内容ですが、ユーモラスな曲調の為かあまり深刻な感じはしません。 



B面最後のJ.Pankow作の「Old Days」は確かチャートの5位まであがった未だにステージでも取り上げられる名曲です。でも唄ったP.Ceteraは歌詞があまり好きじゃなかったような事を言ってましたね。



待合壁の2枚です。



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まずは1972年の「Ⅴ」です。


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木彫りのレリーフをデザインしたもので、これ、本当に彫って創ったんですかね?


このLPで初の全米No.1を獲得します。
まだシカゴが政治的メッセージをばりばり発してた頃の作品で、やはり活きがいいですね。「Dialogue」なんて最高ですよね。



特筆すべきはB面2曲目のロバートラムの最高傑作、「Saturday in the park」でしょう。当時キャロルキング風のピアノ弾き語りアルバムを制作していた?ことがうかがわれるピアノのイントロに導かれ、如何にもシカゴ風の音楽が展開していきます。



ボビー(ロバートの愛称)のピアノが堪能できる作品といえば、勿論ファーストの「一体現実を把握している者はいるのだろうか?」のフリーフォームイントロですが、ちょっと前衛的なので、私的には「Ⅵ」の一曲目「お気に召すまま」を大推薦します。



これは完全にボビーのピアノ弾き語り作品であり、恐らくボツになった初ソロアルバムからのものでしょうね。


その後74年に「Skinny Boy~華麗なるロバート」を発表しますが、時代が時代だけにかなりクロスオーヴァー的な音作りが目立ちました。(これはこれで格好いいのですが・・・。)


もし可能なら、ライノさんボビーにお願いして72年に制作してた音源発表してくれないかなあ?と切に願います。



壁のもう一枚です。


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1976年の「Ⅹ」です。邦題は何故か「カリブの旋風」でした。


このチョコレート、商品化されたら箱買いモンですよね。
この魅力的なジャケットは、確かその年のグラミー最優秀デザインに選ばれたんじゃなかったですかね。


これはメンバーほぼ全員が民主主義的に作品を持ち寄った、「ポップ化した」シカゴの最高傑作と思いますが、他に強力アルバムが出揃っていた時代でしたので、最高位は残念乍3位止まりでした。


しかし、本当に捨て曲の無い、恐ろしく密度の濃いアルバムです。


テリーキャスはど頭のロックンロールとしんがりのバラードでその存在感を示し、ボビーはカリブ調の「雨の日のニューヨーク」などでその先進性を披露。ピーターは賛否両論の甘甘名曲「愛ある別れ」で初のシングルNo.1をグループにもたらしました。


ホーンの二人も、それぞれ自作曲では何と、リードヴォーカルまで披露しています!!  特にLee の「 Together Again」は素晴らしい曲です。



シカゴは本当に好きなグループなんですが、実を言うとテリーキャス時代が好きなんですね。まあ、ドニ―デイカスまでは(つまり13まで)何とか許せるんですが、14からは作品の質も落ちてきてるし、正直殆ど聴いてません。



とはいっても私にシカゴの素晴らしさを教えてくれたのは82年のあの、「素直になれなくて」なんですけどね。

当時中学2年生でして、本当にあのメロディには心を奪われました。早速レンタル屋さんに行って、シカゴのベストアルバムを借りてから一挙に彼等の素晴らしさにハマってしまい、今日に至ります。



いつも思うのは、あの時テリーのピストルが暴発しなかったらどうなっていたのだろうか?という事です。もっともっとシカゴの黄金時代は続いていたでしょう。彼のソロアルバムも聴いてみたかったです。

タイムマシーンがあればなあ。