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投稿者: horistic1
松島嘉彦先生(元島根県精神保健福祉センター所長)の特別診療始まる。

 9月10日より、長年島根県の精神保健医学会を行政の立場からリードしていらっしゃった松島先生の特別診療は始まります。当面は、毎週火曜日に診察をされます。
 これまでも、複数の医師のカンファレンスによる診察の内容の充実を図ってきましたが、先生の診察が加わりより充実した医療体制となりました。
 症状が思わしくなく一人で悩まずに、当医院の戸を開けてください。スタッフ一同来院もお待ちしております。
 
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投稿者: horistic1
 本院では、3名の医師による専門性を生かした治療を行い、高い成果を挙げています。
 さらに、精神保健福祉士・社会福祉士の2つの資格を持つ者が2名おり、心のケアやハローワーク・社会福祉協議会・社会保険事務所・市役所と連携を密に行い、時にはそれぞれの関係機関への同行支援も行ております。
 さらに、カウンセリングを専門とする国家資格が新たに出来、2名の第1期「公認心理師」が誕生しました。
 総合病院の精神科心療内科と同等の充実してスタッフが、患者の皆様を支え治療効果を挙げています。
 医師・公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士によるチーム医療によって、この4月から10名近い皆さんが、入学・就職・復職して社会復帰を果たされました。
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投稿者: horistic1
 新年度がスタートして、約2週間が経とうとしています。各学校職場での入学式入社式も終わり、新たな生活がスタートしています。

 本院の患者の皆様の中でも、たくさんの方が新たなスタートを切られ、うれしい報告が届いています。
 きめ細かな治療を受けながら 
 ・国家試験を受けて合格したAさん
 ・現役で国公立大学に合格したBさん Cさん
 ・半年の休職後、職場復帰を果たしたDさん
 ・大学卒業後、正職につけなかったものの無事に就職できたEさん
 ・発病によって長期に離職したものの社会復帰を果たしたFさんGさん  HさんIさん
 
 みなさん、指導医・専門医による的確な薬物療法と共に、カウンセリングを受けご自分でご自分の心を癒されました。また、EさんからHさんの4人は、本院の精神保健福祉士、社会福祉士がハローワークに同行支援を行ってきました。
 本院では、皆さんの社会復帰を目指して、医師・公認心理師・精神保健福祉士・社会福祉士が協力してそれぞれの役割を果たしながら応援いたします。
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投稿者: horistic1
 前回、体内時計の調整のために4つの行動を書きました。
1 決まった時間に起きる
2 朝起きたら太陽の光を浴びる
3 朝食を摂る
4 眠る前にブルーライトなどの強い光を浴びない

 今回は、朝食を取り上げます。

 名古屋大学の研究チームが、「朝食を抜くと、肝臓での脂質代謝や体温に関する体内時計が乱れ、エネルギーの消費が減って太ること」を解明したと、最近の新聞に掲載されました。「朝食は体内時計にとって最も重要な食事。朝食を勧める科学的根拠が示せた」と研究チームのスタッフは話しています。

 食事を摂れば、体温が上昇します。朝起きて朝食を摂れば、その時から体温が上昇しますが、朝食を抜で昼食が初めての食事であれば、約4時間遅れて体温が上昇することになります。この反応が「体内時計をつかさどる一部の遺伝子が動く時間がずれる」ことにつながることが原因のようです。また、朝食を摂らなければ、体温の上昇時間が少ないので、内燃効率が悪くなり、内臓脂肪が増加し、その結果体重増加にもつながります。

 以上のことから、朝食を摂ることによって、体内時計をつかさどる遺伝子が正常に作動し、結果として体内時計の狂いがなくなり、さらに内臓脂質が正常に燃焼されて活動エネルギーとして使われ、肥満やメタボリック症候群、糖尿病を防ぐことになります。
 
起きたら、朝食を摂りましょう。ただし、菓子パンなどは朝食になりません。
エネルギーのもととなるご飯(できれば玄米)またはパン(できれば全粒粉)、そしてタンパク質(卵、ハム等)、野菜(ブロッコリー等)、果物、ナッツ類、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト等)のバランスのよい朝食で、体内時計のスイッチを入れましょう。
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投稿者: horistic1
 当然のことですが、「人も自然の中の生き物」です。とかくこのことを忘れがちで、中には、人間は自然をコントロールできる、または自然とは関係なく生きれると考えている人もいます。
 
なぜ、このような書き出しをしたのでしょうか?
 
最近の新聞に、「体内時計の乱れ 改善の実態調査」というタイトルの記事がありました。要約すると、「生活が不規則になると体内時計が乱れやすくなり、日中に脳が十分に働かなくなり、さらに食事の時間がずれるとホルモンの分泌が乱れ、高血圧につながったり、認知症やがんと関連したりする」とのこと。
 
高まるリスクとしては、「睡眠障害」「高血圧、糖尿病、肥満」「うつ病」「集中力の低下。やる気が出ない」を指摘。
 
では、元に戻すには、「決まった時間に起きる」「朝起きたら太陽の光を浴びる」「朝食を食べる」「眠る前にブルーライトなど強い光を浴びない」とあります。
 
この元に戻す4つの取組は、当然のことです。これまでも、これらのことについては、別の観点から書いてきましたが、人はつい人工の照明の中で表面的に支障なく生活ができるため、「人は自然の中の生き物であり、日の出と共に活動を始め日の入りでその活動を終える」リズムを無視しがちです。
 
夜勤等の仕事ではなく、生活を見直せる方のために、これから数回にわたって、よりよい睡眠のためのリズムという観点で、上記の「元に戻すため」の取組について見ていきたと思います。
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投稿者: horistic1
 統合失調症をお持ちの患者さんから、「私の願いは、もとの健康な状態になることです」と言われました。
 これに対して、返答する言葉に本当に窮しますが、「リカバリー」という言葉を紹介し、その言葉に対する私なり考え方を伝えました。

「うつ」は、ほぼ治ると言われていますが、「統合失調症」については、今の医学水準では、完治という状態ではなく寛解という表現がされるように、再発を予防しながら病気と上手につき合っていくこととなります。さらに、これまで再三取り上げてきました「リカバリー」をゴールにしてほしいと思います。リカバリーとは、うまくコントロールしながら社会的復帰をし、人々が暮らし、働き、学び、地域活動、社会に十分に参加することができるようになるプロセスとも言えます。
 
 「もとの健康な状態」をゴールにするのではなく、病気を通して、豊かな感性を身に付け、単線的な価値観にしばられるのではなく、複線的な価値観を構築して、健康な時以上に豊かな人生を送れるチャンスと考えてもらえればと思います。

 以上のように書きましたが、実は、その患者さんと会話したのち、週末を悶々として過ごしました。そんな時、約8年前に読んだ本にある詩を思い出しました。この詩の世界も「リカバリー」を現していると実感したからです。

 みなさんは、この詩をどのように受け止められますか。

         ある病者の信条

大きなことを成し遂げるために
力を与えてほしいと神に求めたのに
謙虚さを学ぶようにと、弱さを授かった
より偉大なことができるようにと、健康を求めたのに
より良きことができるようにと、病弱を与えられた
幸せになろうとして、富を求めたのに
賢明であるようにと、貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようとして、成功を求めたのに
得意にならないようにと、失敗を授かった
人生を楽しもうと、たくさんのものを求めたのに
むしろ人生を味わうようにと、シンプルな生活を与えられた
求めたものは何一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられていた
私はあらゆる人の中で、もっとも豊かに祝福されていたのだ

(ニューヨーク州立大学病院医療センター内ラスク研究所ロビーのレリーフより)
神渡良平著「中村天風『幸せを呼び込む』思考」講談社から引用
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投稿者: horistic1
  2016年1月からブログを始めて、48篇を掲載してきました。途中、半年近くブログを書いていない時がありますが、時間の余裕があれば過去のものもお読みください。当院の考え方を、いろいろな角度から書いております。

  一貫して、皆さんにお伝えしたいことは、「人間には、限界がない」ということです。
  「諦めなければ、必ず新たな一日が始まる」
  「どんなに暗くて長い夜であっても、朝の来ない夜はない」
 ということを信じて、過ごしましょう。

  では、具体的にどうすればよいのか。

  例えば、朝起きてちょっと行動を変えるだけで、これまでと違う一日なります。朝顔を洗った時に、鏡の自分を見ながらニッコリ笑って「おはよう」と言ってみます。これだけでも違ってきます
 
 。行動を変えれば、気持ちが変わる。気持ちが変われば、考えが変わる。考えが変われば、行動が変わる。行動が変われば、気持ち変わる。という循環を作りましょう。
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投稿者: horistic1
現在、通院されて2年になられる患者様から、うれしい手紙をいただきましたので、紹介します。

この方は、中学生の時から様々な症状を持ちで悩んでおられたそうです。そして、成人になれら、体の病気が気になり他の医療機関で診察を受け「異常なし」とのことで、メンタル面を心配されて当院にいらっしゃいました。

現在の状況は、「薬の量や処方の希望にも応じてくださり、自分の意志で薬の調整もできる現在は、とても気持ちに余裕があります。今でも悩みはありますが、“人生いろんな時期があるからゆっくりいこう”といった気持ちでいます。これからも、自然治癒力強化のために心身の健康について勉強しながら生活を送りたいと思います。」(カギかっこ内は、そのままを引用しています。)一部分を紹介していますが、うれしい手紙にスタッフ一同元気づけられました。

これまでもたびたび書いてきましたが、長期の治療継続の中から、「リカバリー」という段階になっていらっしゃると感じました。また、当院の全人統合医療という考え方に共鳴し、実践していらっしゃいます。

精神科、心療内科は、敷居が少し高いかもれません。でも、早期に治療を始めることがとても重要です。早期に治療を受ければ、治療期間が短くなります。特に原因が見当たらないのに、これまで難なく出来ていたことが大義になったり、やる気が出なくなったり、職場や学校に足が向かなくなったり、急に涙が出たりということがあれば、当院でもなくても、お近くの病院で受診されることをお勧めします。

なお、当院では、便利なネット予約がありますので、「病院なび」から当院を選んでください。
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投稿者: horistic1
 これまで、リカバリーという考え方について、再三触れてきました。障害と向き合うことよって、豊かな見方・考え方に到達することです。他の医療活動と違い、精神障害・発達障害が治療によって障害がなくなり元の状態、または健常者と同じになるという考え方ではなく、治療を通して新たな自分に気づくことと言えます。
 さらにこの考え方を進めると、障害という捉え方はマイノリティに対する見方であり、決して障害を持つ皆さんの立場になった見方ではないことに気づきます。
 当クリニックでは、障害という見方ではなく、皆さん一人ひとりが持つ個性という考え方をすべきだと思います。さらに言えば、その人が持つ文化という見方になればと思います。このような見方・考え方は、近いうちに当たり前の世の中になってくると思います。そうなれば、きっと、もっと生きやすくなると思います。治療の方向性も変わってきます。
 以上の考え方を基盤としながら、今を生きる皆さんが、少しでも生きやすくなるために、全人統合医療というアプローチで治療活動を行っていきたと考えています。
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投稿者: horistic1
9月24日 NHK特集「東洋医学」から思う事

 特集の内容については、前回において概略を記しております。再放送の予定は今のところありませんが、興味のおありの方は、アーカイブスをご利用ください。
 さて、今回の特集から思ったことは、西洋医学の限界と検証できない事実は否定する考え方についてです。科学的証拠に基づく医療を基本とするのが西洋医学ですが、証明できないことは、「気休めに過ぎない」「科学的ではない」と切り捨ててきた歴史を振り返り、西洋医学以外の長い歴史をもつ施術に対する謙虚さが必要だと思います。
 つまり、長年培ってきた伝統的な治療方法に対して、そのメカニズムを証明する科学的な技術がないだけで、科学的な根拠鵜がないという理由で否定してはいけないということです。
今回の東洋医学に対する見直しによって、数千年前の先人が見出してできた治療事実の積み上げの偉大さが証明され、「やっと西洋医学・科学が、東洋医学が持つ事実に追いついてきた」のです。この東洋医学に対する見方の変更は一過性のものではなく、WHOが作成するICD(国際疾病分類)にも取り上げられ、西洋医学偏重から転換が世界的な動きとなります。
今でも、保険適用の鍼灸マッサージの「同意書」を書くことに抵抗を示される医師が多い現状ですが、鍼灸マッサージが持つ治療効果に対する見方が変わることを願っています。