陶山医院 陶山医院,京都市北区,北大路,内科,消化器科,肝臓 内科,消化器科(肝臓)

よくある質問

診療についてよくいただく質問をまとめてみました。

質問と回答

Q:C型慢性肝炎について 1)インターフェロン治療はどのような人にするのか?

1.C型慢性肝炎の活動性があること
2.血小板数が10万以上あること
3.年齢は65歳くらいまでのかたです。

Q:C型慢性肝炎について 2)インターフェロンの副作用は?

 発熱、倦怠、食欲不振、脱毛、うつ症状、血小板数の低下、白血球数の低下をきたします。リバビリンの副作用には胃症状、貧血があります。
インターフェロンを投与すると血小板数が低下するため、開始前の血小板数は10万以上あることが必要です。治療中は体力がもともとの6~7割ぐらいの感じになるため、個人差がありますが年齢的には65歳ぐらいが上限ではないでしょうか。
糖尿病、甲状腺疾患がある人は投与中悪くなることがあります。

Q:C型慢性肝炎について 3)インターフェロン治療の選択は?

①グループ1 高ウイルス量で初回治療、再然の方は、PEGIFN+
 リバビリン+シメプレビルの3者併用24週治療が第1選択です。
 IFNが使えない人は ダクルインザ+スンペブラ経口2剤が適応です。
②グループ2 高ウイルス量の方は PEGIFN+リバビリン24週
③グループ1、2で低ウイルス量のかたはPEGIFN単独24週を選びます。

Q:C型慢性肝炎について 4)ペグインターフェロンとは何?

従来のインターフェロンにエチレングリコールをつけて分子量を大きくした注射薬です。一回の注射で血中濃度が長く維持され、1週間に一度の注射でよくなりました。従来のインターフェロンでは1週間に3回の注射が必要でした。
副作用については従来のインターフェロンよりも発熱、倦怠感は少ないようですが、白血球数や血小板数の低下はやや強くおこります。このためペグの投与中は白血球数、血小板数の検査を頻回に行います。

Q:C型慢性肝炎について 5)インターフェロンによる治療効果と確認をどうするか?

血中ウイルス量を月に一回程度測定します。投与開始直後から血中ウイルスは減少し、投与開始12週(から24週)までに血中ウイルスが消失した場合、投与終了後もウイルス陰性が持続する、すなわちウイルスが排除される(治る)可能性が高いとされています。治療効果は血中ウイルスの消失、肝機能検査値の正常化などで行います。ウイルスが消えなくても肝機能が正常化する場合があります。またウイルスが排除されなくても、発癌する危険率をさげる作用があると言われています。

Q:C型慢性肝炎について 6)インターフェロンの費用はどのくらいか?

標準的な方法で一月に20数万円かかりますので検査量などを含めまして、3割負担の方で一月8~10万円ぐらいかかります。ウイルスの型や量によって投与期間が変わります。高額医療の還付制度があり、一定以上の金額は手続きをすると返還してもらえます。

Q:C型慢性肝炎について 7)インターフェロン以外の治療法は何があるのか?

内服薬のウルソ、注射薬強力カネオミノファーゲンC、または瀉血(しゃけつ)によって肝炎を鎮静化させ、肝硬変の進展を防ぎます。肝硬変が進行して黄疸、腹水が生じた肝不全になった場合、年齢が65歳以下で親族に提供者(ドナー)がいれば健康保険で肝移植が可能となっています。ただし移植後C型肝炎の再感染を防ぐ方法がまだ確立されておらず、長期予後は不明です。

Q:C型慢性肝炎について 8)C型肝炎ウイルスはどうやって感染するのか?

血液で感染します。1990年以前に輸血を受けた人、過去に大きな手術を受けた人、刺青(いれずみ)、覚せい剤のまわしうち、などが感染の原因です。92年以降の輸血ではほとんど感染していません。母子間感染は5%と少ないといわれています。また母乳、唾液にはウイルスはほとんどないとされています。夫婦間感染も少ないとされています。普通の日常生活では感染はしにくいのですが、歯ブラシ、かみそりは自分専用にする、食べ物の口移しはしない程度の注意は必要です。

Q:そのほかの肝疾患について 1)急性肝炎とはどんな病気?

 肝炎ウイルスにはA型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型、D型、E型とあります。
A型急性肝炎はカキなど貝類を生(なま)で食べることで感染します。つまり経口感染で、糞便中にウイルスが出るので家族内で広がることがあります。熱やだるさなど感冒症状のあとに黄疸(皮膚が黄色くなる)をきたします。自然によくなる病気ですが、劇症化することがあります。カキは火をとうしていただきましょう。A型急性肝炎は慢性化しません。一度かかると終世免疫ができます。
B型急性肝炎は血液感染し、また性感染症です。B型慢性肝炎患者はC型慢性肝炎よりもウイルス量が多いので、夫婦、男女間で感染します。唾液でも感染します。現在は輸血で感染する事は殆どありません。大人が感染すると普通は急性肝炎を起こして免疫ができ、慢性化することはないとされていました。ただし欧州で感染すると慢性化することがあるそうです。まれに劇症化するので、医療従事者はワクチンの接種が勧められています。B型は母子間感染しやすく、赤ちゃんの時に感染すると慢性肝炎になっていました。現在は出産後ワクチンを投与して感染を防ぐことができますので大丈夫。
E型急性肝炎は日本にないとされていましたが、最近シカなど野生動物を食べた人で(ナマで)劇症肝炎が発生しています。A型肝炎と似たウイルスで経口感染します。日本人は抗体を持つ人が少ないので症状が激烈にでるようです。生で食べるのは非常に危険です。




更新日:2015-01-30