過去の投稿

January 2016 の投稿一覧です。
カテゴリー: 3.運動療法
投稿者: satohcli10-9
こんにちは。インフルエンザが流行ってきました。とは言え、今日はその話題ではありません。インフルエンザについては、2年前のブログをお読みください。
今日は運動療法、特に、筋トレの話題から。皆さんは、筋トレをなさったことが有りますか?あるとしたら、学生時代の部活で?それともジムで、あるいはテレビやネット配信の健康情報からですか?やりたくない方は、運動が嫌いですか?筋トレで筋肉をつけても役に立たない、と思いますか?ムキムキマッチョになると困りますか?
近年、スポーツの世界だけでなく、医学的にも筋トレの重要性が叫ばれています。筋肉が有れば基礎代謝が上がり、太りにくくなること。高齢者に多い、ロコモティブシンドロームを改善し、転倒やそれに伴うけがの予防、腰痛や肩こりの改善、良い姿勢の維持などに効果があること。また、運動機能の維持、体力の向上は精神的にもプラスに働き、自分に自信が持て、人生に前向きにもなること。等々、メリットはたくさんです。
健康維持には歩いたり、走ったりする、いわゆる有酸素運動が良いんじゃないの?という人もいますが、いくら走っても、それだけでは上半身、大腿など広い範囲の筋力の向上、維持には役立ちません。バーベル、マシンなしでも、自重(自分の体のみを使う)トレーニングでも、かなりのことはできます。テレビ、DVDを見ながらのスクワット、腹筋、壁に向かっての軽い腕立て伏せなど、ながら筋トレは結構できそうでしょう?また、ジムに行かなくとも、ダンベルとベンチだけで、結構なことができます。僕ですか?週4回から5回、合計4から5時間は筋トレしています。若いころ真面目に運動しなかったので、あまり筋肉ムキッとはなりません、残念ながら。次回は誰でも、その場でできる筋トレのいくつかをご紹介しましょう。ではまた。
カテゴリー: 2.感染症
投稿者: satohcli10-9
こんにちは、しばらくぶりの更新です。
昨年からおたふくが流行っていますが、意外にこれが複雑な病気なので、少し勉強しましょう。
症状としては、ほっぺたのやや上が腫れて痛い、というシンプルなものがほとんどです。そのほかには、下あごの内側が晴れる場合もあります。どちらも、片方だけ腫れる場合と、両方腫れる場合が有りますが、どちらも罹った事には変わりません。熱が出ることも出ないこともあります。
なんだ、こんなことは誰でも知ってる、でしょうが、ここからが問題です。1%位の患者さんが髄膜炎になります。運が良くなければ入院です。耳の神経がやられて、一生治らない難聴になる人も、4%ほどいます。思春期以降では精巣炎、卵巣炎になる人も5~30%います。症状が出なくても膵炎となり、後にインシュリンの生産ができなくなって、糖尿病の引き金になる可能性も指摘されています。
その一方で、まったく症状がない、いわゆる不顕性感染と呼ばれる状態の人も3割ほどいます。なお、その人たちも人にはうつします(感染力有ります)ので、一度流行すると、なかなか食い止められません。また、この原因となるムンプスウイルスが問題なのです。治療薬は無いし、開発の見込みもありませんから、ワクチンしか手立てはありません。しかし、2回打っても罹る人が意外に多く、海外でも問題になりました。ここからはコアな、ニッチな話なので、感染症科以外の医師では余りご存じないでしょう。このウイルスは12のサブタイプ、いわゆる型に分かれていて日本製のワクチンはB型、海外のワクチンはA型のウイルスから作ります。ですから、他の型にも有効なのか?という問題が有ります。どうも、他の型に対する免疫が十分でないらしく、よって、他のタイプのムンプスウイルスに再感染する例があるということが判っています。先日、当院でも、ムンプスの抗体があるのにおたふくになり、血液検査の結果で新たなムンプス感染が判った、という人がいました。この場合は、以前罹ったものとは別のタイプに感染したことが考えられます。
潜伏期間も12から25日と幅が広く、いつ感染したかもはっきりしません。症状もピンからキリまであり、ということで、ありふれた病気であるおたふくかぜも、実は結構難しいのです。医師は、毎日が勉強ですね。でもがんばります。ではまた。