知の探究

若いころ研究室にいたころ
月に一回、研究の過程を報告する会があり
教授や助教授、講師や研究員の前で
現在やっている研究の内容や
その過程を発表する会があった。

もちろん当時は教授が天皇陛下ぐらい偉くて
教室員もたくさんいた時代で
結構、緊張する会であったのだが、

研究というのは非常に細かいことをするので
臨床とは一見無関係なことをするので、なかなか
大変であった。

私の研究は、がんのリンパ球への反応と
そのリンパ球と癌細胞がくっつくための
細胞膜表面の因子を調べていた。
(もちろん、よくわからないでしょうが。。。。)
皆分からないどころか、こんなことは
教授にもさっぱりわからない分野なのである。
それを説明するのであるため
一苦労するのである。

研究内容が理解されないと研究が
打ち切りになる可能性もあるのだから。

皆、汗だくで説明するのだが、
研究課程の発表がおわると
教授の得意のひとこと

“で、その研究は臨床にどう役立つの?”

基礎研究というのは大体直接臨床に直結しない
ことが多く、いろいろ結果を出したところで
なかなか臨床にはつながらない。
臨床までの階段が10あるとれば
1段目かせいぜい2~3段目
途中で成果が出ないことが多く、
10段まで行ける研究なんて
ほんの一握りなのである。


話は、かわって、
私は昔から宇宙や物理に興味があるのだが、
宇宙や物理学で、
ここ最近のニュースといえば
ヒッグス粒子の検出、重力波の検出
それからブラックホールの撮影である。

どれもノーベル賞を受賞したりこれから
受賞する成果であるが、
どれもこれもそれが見つかったところで
今のわれわれの生活には何も関係がない。
ところが、我々はそれらを見つけるために
莫大なお金をかけて調べている。
あのニュートリノの検出を行っている
カミオカンデもそうである。

われわれ人類はすぐに生活に直結しない
ものを膨大な資金と膨大な人力を投入して
研究している。

超電導や、核融合などはいつか
生活に関係してくる研究かもしれないが

ハワイのマウナケア山の山頂に直径8m
のすばる望遠鏡を設置して宇宙を眺めたり
維持費でさえ大変なハッブル宇宙望遠鏡
をして宇宙の成り立ちや宇宙の始まりを追求しても

“それが、生活の何に役立つの?”

といわれれば終了する世界なのである。
しかし、人間の好奇心はすごいもので、
見えないものが見たいという欲望
分からないものを調べたいという欲望は
はかりしれない。

人間の知力というものでは、未だに宇宙の構成成分の
4%ほどしか解明していないほど
まだ幼稚でわからないものが
たくさんある。

しかし、それが
人間の嵯峨であり、
それがいいとこかもしれない。

ちなみにハッブル宇宙望遠鏡のすごさが
わかる映像。
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有名なオリオン座のベルトの右下の部分を
地上の望遠鏡で拡大すると
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この部分を拡大する
紫色に見える部分を拡大すうと
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その真ん中の部分を拡大すると
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馬の頭の様に見える
馬頭星雲というものが見える

これをハッブル望遠鏡の
特殊な撮影で合成すると
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こういうふうになり
この写真を始めに
見たときは度肝をぬかれた。

小惑星にいった探査機の
はやぶさも
結局

だから

の世界