前回いった様に筋鈎という道具
を何も見えないところから
もっているので、手術がどうなっているか
なんて、てんでわからない。

筋鈎という道具は術者がよく
見えるようにするものなので、
力の入れ様や、動かし方などわかる
はずもない。
にもかかわらず、
“もっと見えるようにしろ”
“へたくそ”
などといわれる。
丁稚が
“見えません”などというと
“筋鈎の先に目をつけろ!”
などとわけのわからないことを言われる。

人が少ない時は、第2助手なんかをする
ことがあるが、
うとうとしたり、筋鈎のひき方がわるければ
コッヘルで指をたたかれる
こっへる.jpg
コッヘル

これがまた、指が千切れるほど痛い。
今の手術では、腹腔鏡の手術が増えて
みんな、術野(手術をしているところ)
を共有できてうらやましい。
手術の技術は教わるものではなくて
盗むものという時代だったので
ほんにうらやましい。
(頭突き、回し蹴り、コッヘルでたたく
などを今の時代にすれば、
下手をすれば訴えられる。
手術の技術を教えなければ、パワハラ
と言われたり、少なくとも
医局や病院をすぐやめる
のが今の時代です)