ベンハーの映画を見て、その3

ここからは、馬鹿な医者のたわごととして聞いてほしい。

実は、今の医療になにかしらこれら映画と同じことを感じ
るのである。

確かに、技術の進歩により、CT、MRIをはじめあらゆるも
のが、以前とは比較にならないほどに進歩し、診断技術は
格段に進んでいる。

しかるに、モニターに映る電子カルテや映像に見入ったり、
あらゆるデータの海のなかで診断する今の医療を見て
いると言葉には表せにくいが、なにかこのCG満載の映画
と同じ様に、感じるのだ。

今の医療は、あらゆるものにガイドライン(診断や治療方
針の指針を決めたもの)があり、これに沿った医療が行わ
れ、エビデンス(いろいろなデータの集計から出された結
果)をもとに治療が行われている。

そういう風に医療は、どれをとっても昔に比べれば格段に
良くなっている。
経験がものをいう時代ではなくなっている。
むしろ経験が邪魔をする時代になってきている。
(経験がものをいうのは患者さんとの接し方だけ、むしろ
これが大切なのかもしれないが。)

人工知能が人間の医者に取って代わる時代も近いに違いな
い。人工知能は、瞬時に大量の文献を解読し、集計する。
そんな真似は人間にはできず。
また、画像の読み取りも人間の読みを超えようとしている。

映画と同じで、完璧なのだが、何か物足りなさを感じるの
である。匂いや味、香りを感じなくなってきたのである。
                     つづく