そういうことを考えると
ウイリアム・ワイラーは
さすがに巨匠だとおもった。
ラストシーン。

オードリーが去っていった誰もいない
舞台をしばらく写し
グレゴリーペックは、みんなが去る中
それを眺めている。

それからおもむろにその
舞台をあとにして
歩くラストシーンになるのだが、

ゆっくり画面の左に少し寄って
中央に、オードリーが去っていった
舞台を遠方に写し、
ゆっくりポケットに手を入れながら
余韻を感じさせながら
あるいて
途中で一度振り返り
なにかを振り切る様にまた
歩き出す。
img_1_m[1].jpg
audreyro10[1].jpg
このラストシーンは、見事であり
日本人の心をがっちりつかんだのでは
なかろうか。

日本人にはこういう余韻を
大切にする文化を持っている
様な気がするのである。
(逆にいえば 未練たらしいのだが)