またまたもう一つ
“レナードの朝”という
医療関係者は必ず見なさいと
言われる様な映画。
名優の最近亡くなった
ロビン・ウイリアムスとロバート・デ・ニーロ
の競演でとても感動的な
名作であった。
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デニーロが特殊な脳炎に
子供のころにかかり、
それ以後ほぼ筋肉が硬直した状態で
意志がなくなってしまった様な,
ほどんど植物状態で30年間
精神病院で入院している。、

その病院に新任の医師である
ロビン・ウイリアムスが赴任してきて
熱心に治療をほどこし、
ある、新薬で、デニーロが一時
正常な状態に戻るというお話で、
(医療関係者としては、あまりにも
極端な脚本に違和感をおぼえるところではあるが)
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その最大の山場は、デニーロが
正常な状態にもどった時、はじめて
恋心をいだいた相手に、
薬がだんだん効かなくなってまた
もとの自由が利かない体と心
にもどることを予期して
自ら別れを告げ、去り行く彼女を
眺める場面なのだが、

彼女が去ってゆく後ろ姿を
病室の金網のついた窓にへばりついて
静かに見送るのだが、
彼女は、少し後ろをふりかえりながら
道をあるいて、、
やがてバスにのる。

私の思いでは、
もう、永遠の別れになるかもしれないのだから
そのバスが出発して、
バスがいなくなったバス停をしばらくなが
めていてほしかったのだが、
デニーロは、バスが出発したらすぐ、
180度回転して
窓からはなれていってしまったのである。

私だけではないと思うのであるが、
日本人は、余韻を味わう
こころを大事にする文化がある。
彼がのった列車が行ってしまった後の
余韻。。
彼女がのったバスがでていった後の
余韻。
それがほしかったのである。