町医者をしていたら
こんな悔しいことは
山ほどある。

昔から言われていることで
後から見た医者の方が
診断するのには有利である。

時間がたったら症状が
進んでくるので必ず正しく
判断できる。

また、後で見た医者が、
誇った様に
あたかも
私が見たから診断できたのだ
と言わんばかりの態度をとる
やつがいて
これが非常に腹が立つ。

例えば、発熱だけで
来院する患者さんがいれば
発熱だけでは、
考えなければいけない病気は
山ほどある。
というか病気のほとんどは発熱がある。

そこに少しでも、
ここが痛いとか
ここが腫れているとか
何か加わればぐんと考える
病気は狭まってくる。

町医者というのは
こういう苦労と心労もあるのである。


また、患者さんに
よくこれは風邪ですかと
よく聞かれることがある。

おそらく、感染性の上気道炎
のことを意味しているのであろうが、、、、
われわれにとって非常に難問。

病原菌、先に言うウイルスは
体の細胞に侵入して増殖するのだが、
そのウイルスには
それぞれにレセプターというものがあり、
くっつきやすい細胞がある。

のどなんかにくっつきやすいウイルスは
いわゆる風邪の症状をもたらすが、
同時に腸の細胞にくっつきやすい
ものもあり、これらは胃腸症状が
主体になる。
また、人に感染しやすいものや
しにくいものまであり、
もともと体の中にいて、
体調が悪い時に増えて症状がでるものもある。

一応、その人に合わせて
説明はしているが、
なかなか納得してもらえない。

また、

そもそも
インフルエンザやノロが有名なのは
感染力が強くかつ症状が強いからである。

そろそろインフルエンザの季節である。

インフルエンザが流行らなければ
儲からないというポジティブな
考えの医者もいる様であるが、
当院の様に
介護施設を中心に高齢者を
おおく見ている病院にとって
恐怖の季節なのである。

若者は、インフルエンザにかかっても
休んでいれば先ず、
回復するが、
高齢者はそうはいかない。
また、極端に体調を害する。

ただ、若くとも無理をすれば大変な
ことになる。