大体当時受け持っていた患者さんの
3分の2は術前、術後の患者さん。
後は、がんの化学療法や、最後の見取りの
患者さんで、大変な状態で、

当時、今から思えば無茶苦茶であったが、
術前の、カメラ、エコー、透視
血管造影、などなどあらゆる検査を
外科がして、術前に高血圧や糖尿、高脂血症
などがあれば、術前にコントロールして、
術後もそのまま外科が見ていた。
いま、これらはほとんど内科、
それも夫々の専門が分業でやっており
これを一手に外科がするということ
自体が無茶苦茶で、仕事が多かった
理由がわかると思う。
(まあ、そういう仕事をしていたので
広くいろいろ経験してきたので、今何でも屋
としてやっていけているのだが。。。)

また、当時は、大学は研究機関
という意味合いが強く、手術自体も、
大学で、いろいろな手術をして
いい方法を作りだして、一般の病院で
その方法をするという意味合いが強く
リスクが高い人を手術したり、
拡大手術といってかなり危険な手術が
多く、なんとて術後が大変であった。

だいたい手術というものは、
元来、ぴんぴんしている人に
突然、交通事故に合わせて、大変なけが
をおわせて重症にして、それから
回復させる様なものであるから
それは大変な仕事であった。

以前に言っていた。
よくドラマで手術がおわって
“手術は成功です”という言葉など
意味がなく、言うわけもない。

本当の手術の成功の可否は、
手術が終わって回復して、
あるいは、がんの手術では、
何年もたって、その予後がいいかどうか
までみなければ
その手術が成功したかどうかは
判断できないのであるから。