そして里美先生はいなくなった(4)

子供のころ
“ウサギと亀”の話を
よく、美談としてきかされたものだ。
足が速くてピョンピョン飛んでは
休んでいたら
こつこつと歩いていた亀が
ゴールに先についた。

また、
“アリとキリギリス”の話もよく聞かされた。
暑い夏でもコツコツと
働いて食料をためていた
アリは
冬になって
食料をためていたおかげで
いきのびて、
夏、遊んでばかりいた
キリギリスは冬になると
食料もなく死んでしまう。。。。

これが人生のなすべきところと
徹底的におしえこまれていた
われわれ。。。。

だが、。。。。。

今、ウサギと亀がいたら。。。
ゆっくりと、コツコツ働いていたら
いい仕事ができる人間と
休みながらさっさと仕事
を済まして余暇を楽しむ人間。

コツコツ働いていたら
時間外労働だといわれて
働くのを止められ、
亀は仕事が終わらない。
休みながら仕事を早くすまして
余暇を楽しむウサギは
今の社会に適応して
昇進。
(亀にゆっくり仕事をさせていたら
いい仕事をしたのに、、、、)

夏の暑い日にキツイ仕事をする
アリの仕事は
今の若い人達はしない。
どうかしたら
暑い夏、きつい仕事はせずに
暑い夏は好きなことをして
金をかせいで
冬はその金でアリの仕事を
買うことを理想とする
現代の若者。

つまり、キツイ仕事で
小銭をためるより
Youtuberや仮想通過で
大金をもうけて楽しようという
若者がふえているわけで、

そりゃ、
根本からの倫理観が
ちがうので
若者と
噛み合うはずがないわ。。。。

この、多様化する現在。
亀の仕事の仕方も認めて
アリの仕事にこそ
お金が出る様にするのが
理想ではないのだろうか、、、、

仕事を始めても
自分の理想と違うと
すぐ離職する若者が
増えている現在。

じじいの助言。。。。

楽な仕事はないわ、、、、
楽して金が貯まる人間は、
ごく一部だわ、、、、、
上を向いてばかりいたら
つまずいて地面にはうことになっちゃうよ

というのが
じじいの助言。

でも今の世の中
はうことになった人達の
声の方が強いことが気になるな。。。。

世の中の根本が変わり
医療の世界もかわり
そして里美先生はいなくなった