戦争を生き抜いてきた人たちは、
つまり、実の意味で生死の狭間を
かいくぐってきた人間には
それだけ人間に凄みがある様な気がする。

今はもう90歳を超えた人たちで
そのオーラも消えさっているが、
私が子供のころの大人には
今と違って、
得も知れないなにかを内にもっていた
感じがする。

実際戦地に行って戦ったり、
空襲にあったり、
身内や、親戚、友人なんかを無くしたり、、、
なによりも、当時の人間は、
お国のためには命を捧げる様に教育されており
そう思わなくても
赤紙(召集令状)が来たら戦地にいったり
財産を放出しなければいけなかった。

そして、戦後、全てがひっくり返った
世の中と
戦前から続く食糧難
いろんな意味で生死の狭間を生き抜いて
来た人たちである。

それが、当時の映画と今の映画の
差を生み出している様な気がする。

映画のテーマがテーマだけに
画面の中にこの緊迫感、悲哀
真の意味で生死をかけている
人々を演じるには、その人間の
中にある凄みが必要であった様な
気がするのである。

2015年版の映画では、
確かに、役所広司は流石という感じがするのだが
どうにもこうにも、全ての面で、
特に若い役者を中心に、物足りなさ
が残るのである。